自営業者にも退職金制度がある!|小規模企業共済をFPが解説
今回は自営業者の退職金制度、小規模企業共済について解説します。
会社員や公務員であればほとんどの職場で退職金制度がありますよね。実は個人事業主や小規模企業の経営者、役員にも退職金制度が存在します。ファイナンシャルプランナーの筆者がその制度内容と加入方法を解説します。
小規模企業共済とは
小規模企業共済とは、国が定めた自営業者のための退職金制度で、独立行政法人中小企業基盤整備機構、略称中小機構が運営するものです。
自営業者が商売をやめたり、退職したりした場合に共済金が給付され、事業廃止後の生活や老後の資金に役立てられます。
現在は約150万人の個人事業主や小規模企業の経営者が加入しています。
小規模企業共済の掛金
掛金は月1,000円~70,000円の範囲、500円単位で自由に設定でき、途中で掛金額の変更も自由にできます。
また、掛金が全額所得控除になり、節税になります。
退職共済金の受取り
では、気になる退職共済金の給付額をみていきます。
個人事業主
事業を廃止したとき、または共済契約者が亡くなった場合
株式会社など法人の役員
法人が解散したとき
掛金を月10,000円とした場合の共済金
掛金納付年数5年
払込掛金合計600,000円
給付額621,400円
掛金納付年数10年
払込掛金合計1,200,000円
給付額1,290,600円
掛金納付年数15年
払込掛金合計1,800,000円
給付額2,011,000円
掛金納付年数20年
払込掛金合計2,400,000円
給付額2,786,400円
退職共済金の受取り方法
退職共済金は、次の3つの受取り方があります。
一括受取り
分割受取り
一括受取りと分割受取りの併用
途中解約
途中で任意解約することもできます。
ただし加入期間が240か月(20年)未満の場合、受け取れる解約金は掛金合計額を下回りますので注意が必要です。
事業資金の借入れもできる
小規模企業共済の加入者は、掛金の範囲内で、低金利で資金の借入れができます。
事業資金が必要なとき
資金繰りが困難なとき
疾病災害時などに
小規模企業共済の加入申込み
小規模企業共済の加入に必要な書類は以下の2点です。
契約申込書
確定申告書の控えまたは開業届
加入受付窓口
商工会、商工会議所、都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合、商工中金、農協
まとめ:小規模企業共済で退職後の生活に備える
今回は自営業者の退職金制度、小規模企業共済について解説しました。中小機構は国が設置する機関です。
ポイントは
小規模企業共済の掛金は月1,000円~70,000円で自由に設定できる
掛金は全額所得控除になり、節税効果もある
自営業者も事業廃止時に退職金があると助かりますよね。ぜひ家族で小規模企業共済について話し合い、検討してみてはいかがでしょうか。
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