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DAY7:診断結果と糖毒性

入院5日目の火曜日

朝の空腹時血糖は139(前日159)
お、なんかいい感じじゃない?

ご飯→パン

この日から朝食だけご飯食からパン食に変えてもらった。
朝起きてすぐにご飯をたらふく食べられない、が理由の一つ。

副次的な効果は、パンが2枚じゃなくて1枚なこと。
糖尿病メニューだと、
白米は140g→糖質約50gが、
食パン1枚60g→糖質約26.5g
になること。

これだけでも朝の上がり方は緩やかになるのでは?なんて思ったが、

昼食前の血糖値は182(前日161)で、思ったようにはいかないものだ。

久しぶりのマーガリンすごく美味しかった!

お見舞い

前日は検査ラッシュだったが、この日は何も無し。

大好きなお見舞い客と久々にゲラゲラ笑い合えた。
その帰りを見送る時に、
ぼくの部屋を訪ねようとする主治医に出会った。

診断

診断の結果
「かんじょ進行1型糖尿病」と告げられた。
「かんじょ」ってなんだ?と
え?1型なの?
と想定していない情報のラッシュに困惑。

「かんじょ」って何ですか?どんな字書くんですか?と聞いたら
「緩やかに、徐々に、で緩徐です」と教えてくれた。
正確な診断は
「緩徐進行1型糖尿病の疑い」だそうだ。

1型はインスリンが出ない、2型は出てるけど効きにくい、
の中で、今は出てるけど少ない。
そして緩やかに徐々に少なくなっていく。

これは1型の中でも珍しいタイプで、
通常は0〜5のGAD抗体が2000以上と高く、この場合緩徐が疑われる。

数ヶ月か数年か、10年単位かわからないけれど、インスリンが出なくなったら完全な1型になる、と。

日本内分泌学会HPより

インスリンを打たなくても、
今出てる分で退院後何とかやれなくはないです。

ただ膵臓を疲れさせないために、
1日1回長く効く持効型を打っておくことで、
より長持ちさせることが期待できます、と言われた。

だけど完全に出なくなったら食事の都度のインスリン注射が避けられない、と。

今後のことは誰にもわからない。
明日出なくなるかもしれないし、良くなる可能性もある。
ただ糖尿病であることはずっと変わらない、と。

まだ緩徐??と消化はできていないけれど、
メモを取りながら一番気になってたことを聞いた。

悪性腫瘍が原因の可能性は無い、ってことですか?
「読影の結果その可能性は低い」
ひとまず安心。それなら他のことは受け入れよう。

そして最後に

「今はお持ちの機器でちょっと調べると、たくさんの情報が出てくる」
「でもその中には信頼できない情報もあるから、鵜呑みにせずに疑問などあれば何でも聞いてください」と言われた。

糖毒性

その後、糖毒性について教えてくれた
「原理はとても複雑なので詳しい説明は省きますが、
 糖毒性、という血糖値が高いせいでさらに高くなる、悪い循環がある」

うわぁ、糖毒性!って大変だなぁ
そんな悪い循環になったらイヤだなぁ、ならないように気をつけないと!
と思いながら聞いていた。

「低くなって2〜3日経つと糖毒性が解除されてきて、インスリンの効きが良くなります」

あれ?この話ぶりは、
すでに糖毒性の悪い循環の中にぼくはいるのか!?

他人事のように呑気に話を聞いていたことがとても面白くなって、何だか笑いがこみ上げてきた。

たくさん笑えていい日だった。

就寝前の血糖値は166(前日206)
すごくいい!と思ったけれど、
入院期間中にこれを下回る日は来なかった。

情報収集の開始

先生が去った後、
さっそく緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)について
「お持ちの機器」で調べてみたものの、意に反して情報はすごく少なかった。

10万人に1人、と書いている人もいた。マジで!?
そりゃ情報少ないはずだ!

おそらく、インスリンが徐々に出なくなる過程で診断される人が少ないのだろう。

そう考えると、出なくなるまでの期間は意外と短い、
と覚悟した方がいいのかもしれない。

SPIDDMは、早期に診断して適切な治療をすれば膵島ベータ細胞破壊の進行を抑制することが可能であり、患者はいつまでも良好な生活の質を維持し、寿命を全うすることができるが、不適切な治療はベータ細胞を廃絶させ、その結果糖尿病合併症が短期間で出現し、QOLの低下と寿命の短縮を招く

こんな希望がある記述も見つけた。

いったいどうすれば長く温存できるのだろうか。

そんなことを
お見舞いの際にいただいたネコのパックをしながら考えていたけど

不意に看護師さんがやって来なくてよかったぁ

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