小説を題材にした音楽-「leave」について

初めましての方は初めまして。ボカロPの4696-shirokuro-/懐刀P と申します。
今回は、先日出した新曲「leave」について書いていきます。

制作期間


制作期間は、大体10日ぐらいでした。
もともと5月ぐらいに原作小説や全体の流れは決めていて、前回の「スワイプ」を出してから本格的に制作に入った感じです。
思ってたより早く進んで自分でもびっくりしました。

制作秘話~設定編~


はい、設定編です。
まず今回は、サークル「noverhythm」での楽曲ということで、小説を選ぶところから始まりました。
「noverhythm」とは、小説と音楽を繋ぐユニットで、音楽を小説にしたり小説を音楽にしたりしています。

普段自分はそのボーカルにしか歌えないような歌詞の曲をメインに作っていて、その点どうなるかはわからなかったのですが、自分の中の勝手な選定基準として、そもそも自分が好きな話である、自分の曲調で再現できるか、という観点で様々な六野みさおさんの小説を読ませていただいた結果、この「世界の終わりの塔」という小説に行き着きました。
是非原作も読んでください。
https://ncode.syosetu.com/n1387hz/?s=09

また、今回は曲調よりも歌詞に本当に時間がかかりました。
あくまでも元は小説なわけで、それを楽曲化するとなるとそこから逸れたらただの自分の作品になるし、世界観を失ったりずらしたりしてはいけないとなるとかなり難しかったですが、最終的にこの歌詞が書けてよかったなと思っています。

そして、今回のタイトル「leave」に行き着くまで大変でしたが結構こだわりがあります。
そもそもこの曲(原作小説)は冒頭の部分と朝になった部分に分かれていて、いわばその2つの部分は対極な感情なんですよ。
その2つにあてはまるって
...ムズくないか???
となり、3日ほど考えた結果ネットに頼ることにしました。
なんとなく「忘れる」の意味合いを入れたいと思い、我らがGoogle先生で「忘れる 英語」と検索した結果、一番最初にヒットしたのは「forget」だったんですが。「忘れられた場所」という意味合いで「leave」がある、ということでぴったりだなと思いこのタイトルになりました。
MVの一番最後には書いたんですけど、leaveという単語には「忘れる、別れ、出発する」などの意味があるらしいです。(他にももっとありますが今回は選んだ意味だけを抽出(?)してます)
なので前半部分での「leave」の意味合いは「忘れる、忘れられた場所」という意味合いで、後半部分では「出発する」(前を向いているイメージ)の意味合いで前後半に共通しています。そうだと信じたい。

制作秘話~作曲編~

作曲編です。
まずは冒頭の時計の音ですが、これは前日譚みたいな感じで、過去時計台が動いていた、でも今は動いていないという対比っぽいことをしたかったのと、効果音として始め方もいいと感じたからです。
この曲、「祈り」に続いて2曲目のピアノオンリー曲です。
なぜそんなにピアノオンリー曲が多発するのかといいますと、自分の曲は基本ピアノで原型を作り、そこに他の楽器を足すなら足していくという感じなので、ピアノで作った時点で「あもうこれ余計なものいれなくてこれでいいな」と思ったらそのまま行くことがあるからです。
そして今回そうなった理由として、そもそもゴチャゴチャしていなく寂しげな雰囲気だと思っていたのと、盛り上げるサビでボーカルをたくさん追加したので、これ以上楽器で盛り上げる必要ないなと思ったのもあります。

また、今回やってみたかった工夫として、サビが一回しかない構成になっています。
これを使った理由として、ラスサビである朝になった部分で視界がひらけるようなイメージを構成でも伝えたいなと思い、一回しか入れないことでサビを際立たせられるようにしてみました。
ボーカルに足立レイを呼んだのは、終末感のある雰囲気、キーパーソンとなる「少女」の雰囲気にあっているなと思ったからです。
4696初のレイソロ曲でもあります。

というわけで完成したのがこちら

今までとはまた違った作り方でしたが、無事いい感じに形になってよかったと思っています。
ニコニコは復旧次第上げる予定です。


6.「leave」テーマカラー
「ラベンダー」#B5A5C5
この日の朝焼けは、一生忘れない。

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