源氏物語の色 15「蓬生」 ~千年前の蓬の色~
「蓬生」のあらすじ
―――光源氏が須磨明石にいた間、頼る者が誰一人いなくなり末摘花の暮らしは困窮を極めていた。
自邸である常陸宮邸は荒れ果て、狐や木霊が跋扈する中、末摘花は亡き父の遺風を守り暮らしている。娘の侍女にと企む意地悪な叔母からは、言葉巧みに誘われるが応じようとしない。
そのような折、京へ戻ってきた光源氏は、蓬に覆われた常陸宮邸の前を偶然通りかかる。そして末摘花のことを思い出し、再会。以前のように庇護をすることとなる。―――
「蓬生」の帖には、「赤き木の実」以外に色