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デザインの師匠-#03 プロダクトデザイン-

S.KONDO

2009年、旭川市の工芸センターが手掛ける人材育成事業で2人のデザインの専門家に出逢う事が出来た。その2人は、萩原修氏(シュウヘンカ)と名児耶秀美氏(アッシュコンセプト)だ。

前回は萩原修さんから学んだことを書いたので、今回は名児耶秀美さんから学んだ事を書いていこうと思う。

アッシュコンセプト代表でもある名児耶さんからは、商品開発の一連の流れ、商品を企画して、開発して、リリースするまでの全てを学んだ。また、プロジェクトとして、チームでデザインする事の大切さと楽しさを体感させてもらいました。

現在、私が新たな企画をプロジェクトとして提案する時、企画書には「提案書」と書かずに、「企画立案書」として表紙をつけている。

「提案」ではなく、「企画立案」にこだわるのは、名児耶さんと出逢わなければ、持てなかった考え方だ。“クライアントとチームを組んで、考えるところから一緒に取り組むプロジェクト型のデザイン”だと言う心構えを表現するひとつかと考えている。

商品というプロダクトが生まれる過程まで含めた全てがデザインで、アイデアやコンセプトを一方的に提案するのでは無く、一緒に議論する余地を残して立案する。

名児耶さんは、旭川で、家具メーカー匠工芸の中井啓二郎さんと出逢い、2人は意気投合した。「マッシュルームスツール」の開発からはじまり、その後も「アニマルスツール」など、匠工芸のヒット商品を一緒に生み出すことになる。独りよがりのデザインを押し付けるのでは無く、メーカーを巻き込み、クライアントと一緒に考えて、プロジェクトとして想いをカタチづくっていく。

匠工芸の「マッシュルームスツール」のデザイナーは、啓二郎さんだ。「マーブルスツール」という座面のサイズが、φ380と少し大きめのスツールをすでに商品化していたのだが、名児耶さんは、この「マーブルスツール」の使用用途の幅を広げ、座面の幅をφ225とちょいがけサイズに、また高さを500~850mmの5種類展開して、用途に応じて使えるようにブラシュアップする事を立案した。

マッシュルームスツールの商品開発では、名児耶さんの他に、アッシュコンセプトのスタッフで、デザイナーの砂口あやさんもプロジェクトメンバーとして一緒に活動していた。砂口さんからも刺激を受けながら、私もメンバーの1人として参加してここで得た経験が、今に至るまでの私の商品開発への向き合い方の基礎にもなっている。

私が、シロロデザインスタジオとして独り立ちした後、TAKUMI×hconceptの商品として、LAPチェアという折り畳みの椅子の商品開発を、アッシュコンセプトと一緒に手掛けることができた。この椅子に関してのプロダクトデザイナーは私で、はじめて自分の名前が表に出た商品になった。

(-#04 工業デザインからの脱却-に続く)

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