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ドブ記10:1 読書感想文 モンテ・クリスト伯

 そのうち読みたいなあと思ってたモンテ・クリスト伯、とうとうこないだ読みはじめて 読み終わった。
 文庫で7巻という分量に恐れをなしたが、ふたを開けてみればほんとに純粋な娯楽小説で、なんのややこしいこともなくスルスル あっというまによめた。

 無実の罪でパーティーを追放されて死ぬほど苦しんだが、手に入れた超級マネーパワーで無双して元パーティーメンバーをボコボコにするみたいな話だった。
 読む前はボコボコにぶっ殺すみたいなのかと思ったが、実際には仇敵の家族関係とかをじわじわ破壊しつつ社会的信用とかを全部剥ぎ取ってスッカラカンにする、みたいな刑罰だった。
 モンテ・クリスト伯が命をとらないで家族を破壊するのは、つまり自分も命をとられずに家族を破壊されたからなのだろう。家族も名誉も将来の希望も所有物もすべてを奪われたのをそのまま返しているのだ。
 そして息子が死んだと思って失意のうちに死んだ父親の分も報復してるということだろう。
 相手を同じ状況に置いて、自分はここまでいっても自殺せずに踏みとどまったし、発狂もしなかった。さあ、お前はどうだ!? という問いを投げているのだろう。そっから先はお前次第、と。

 完全に悪意があったわけでもないが冤罪を被せる企みをただ傍観していたカドルッスに対しては選択の機会を与えていたりとか、だいぶきめ細やかだった。
 それだけに意図してない人まで死んじゃったら焦ったりとかするシーンも結構面白い。

 時代背景がナポレオンの返り咲きと再追放とかの頃なので、補足情報としてフランスや地中海の地理とか、フランス革命やナポレオンのこととか、そもそも貴族とはなんぞやみたいな話も調べたりしたので、ちょっと勉強になった。

 デュマといえば中学ぐらいのときに三銃士読んだけど特になんか覚えてなく、大人になった今読んだらまた面白いかなあとという感じ そのうち読むか

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