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ドブ記4:1 酢が好きになった話

 ドブ記もいまんとこ、つづいてます。

 タイトルの数字なんですけど、いちおう説明しとくと「1:2」なら「1章2節」ってことです。
 章が同じで節の数字が増えてる場合は、話がつながってます。
 話題が変わると章が変わります。
 今後、後々になって昔の話の続き(節)が足されたりも、あるかもしれませんね。
 「ドブ記」というタイトルと合わせて、元ネタがわかる人ならなじみ深い表記かもしれません。

🍷

 さて、今日は酢の話です。

 「Let It Be」という有名な曲があります。「なるがままに」とか「ほっとけ」みたいなニュアンスでしょうか。スターウォーズ的に言えば(言わなくてもいいが)「フォースの流れにしたがいなさい」みたいな感じかな。

 僕は酢が好きなんですが。ピクルスとか、南蛮漬けとか酢のものとか、酢だことか、皿うどんにかけたりとか。

 昔は嫌いだったのです。とにかく嫌いで、酢の入ったあらゆるものがダメ。酢豚が特に嫌いで、豚肉にいたっては噛んだ瞬間に積載された酢がジュワーって口中に広がるのが失神しそうなほど不快で。

 そんな日々を過ごしていたわけですが、21か22歳くらいの時でしょうか、あるとき友人数人とラーメン屋に行ったのです。
 みんなでつつく餃子を頼みました。友人の一人が、気をきかせて、何も言わずに全員の小皿に、醤油と、ラー油と、酢を注いでくれました。
 馬鹿野郎!

酢が注がれてしまいました。まぁ文句を言って辞退してもいいのですが、なんかこのとき、ふと「Let It Be」という気分になったのです。せっかくやってくれたのに申し訳ないから言い出せないとかでは全くなくて、なんか、これもいいかな、と思ったのです。
 酢を避けて生きてきましたが、ここで注がれたということは、そういうフォースの流れなのかな、と。

 酢もつけて、餃子をパク。

 うめぇ~~~~~~!!!!!! これだ!!!!!!!!!!!!

 この後、何かがアンロックされたかのように、酢が平気になり、いやむしろ好きになり、今に至ります。

 勝手に注いでくれた友人に、感謝。

金くれ