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読書感想文:「吾輩は猫である」を読んで

(中学一年生の時に書いた宿題の読書感想文が出てきたので、以下に全文をそのまま掲載します。なぜかかなり気に入っています。)


 「吾輩は猫である」を読んで

 この夏休みは夏目漱石の吾輩は猫であるという小説を読みました。読むことになったきっかけは、本屋であるコーナーに立ち寄った事でした。そこには罪と罰、車輪の下、こころなどの有名な作品が並べられていて、色々揃ってるなと思って見ていた時に吾輩は猫であるが目に入りました。教科書の坊っちゃんを読んで漱石の作品は面白いと思っていたので、吾輩は猫であるを読むことに決めました。
 話の内容は、中学校の教師である苦沙弥先生の家で飼われている猫が、自分の考えなどを織り交ぜながら日常生活を語っているというものです。主人の苦沙弥先生は中学校で英語を教えています。主人は胃弱でいつも家で昼寝ばかりしています。主人がどういった人かがわかって来るうちに、主人のモデルが誰だかがわかって来ました。それは漱石自身だと思います。理由は主人と漱石は、胃弱、英語の教師、口ひげなど共通点が多いからです。その主人と猫との関係も面白いと感じました。なぜかというと、猫というとペットとしてかわいがられているものを思い浮かべるかもしれませんが、そうではなく、家においてもらっているだけで名前もつけられていません。家の子供も猫をいじめて遊んでいます。時には主人がやさしく頭をなでてくれることもありますが、その時も主人は心の中でこの猫の皮をはいでちゃんちゃんにしたら暖かいだろうなどと考えているくらいです。
 下女の御三という人の猫に対する扱いはさらにひどいと思いました。猫が初めて主人の家に入りこんで来たときも猫を見るとすぐにつかんで表にほうり投げました。猫が歯についたもちがとれずにもがいていた時も、主人がもちをとってやれと言ったのに御三はそのままにしておきましょうなどと言っていました。でも、もちをとってやれといった主人は少しはやさしい人だとも思いました。
 また、主人の友達が何人も登場します。その中でも仲がいいのが、美学者の迷亭先生です。迷亭は人をからかうのが好きで、主人もだまされた事があります。また、迷亭はしょっちゅう主人の家に来てはずうずうしくふるまいます。よく勝手口から入ります。あつかましいけど面白い人だと思いました。
 他には寒月という主人の門下生であった人も登場します。寒月君は前歯を折ってしまいました。しかもしいたけを食べて折ったというので笑ってしまいました。寒月君は物理学の研究をしていて、実験に丸い珠が必要なのでヤスリでガラス珠をすって完全な丸い珠にしようとしています。そして主人が、珠を作るのにどのくらいかかるのかと聞くと、10年ほどかかるでしょうと普通に答えたので、何とのんきな人物だろうと思い、自分ならやめるなと思いました。
 この話は難しい字も多く、読むのは大変でしたが、とても面白かったです。

 先生によるコメント:とても有名な作品です。猫から見た人間社会を皮肉をまじえてユーモラスに描いたものです。難しい作品ですがよく読めたと思います。これからも名作と言われているものにどんどん挑戦してみてください。

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