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目には目を、歯に歯を

目には目を、歯に歯を」は、ハンムラビ法典(世界で2番目に古い法典)にあり、 旧約聖書にもある言葉です。(詳細は異なります)
「受けた害と同じような仕返しをする」という復讐を認めるような解釈をする人がいますが、そうではないです。
倍返しのような過剰な復讐を禁じ、同等の懲罰にとどめて報復合戦の拡大を防ぐ
すなわち予め犯罪に対応する刑罰の限界を定めることが本来の趣旨です。

イエス・キリストは、「目には目を」を引き合いに出し、復讐の禁止を説いています。
有名な「右の頬を打たれたら左の頬を出しなさい」という言葉はここから生まれたのです。無抵抗。殴られ損。納得できなくて、よくわからないと思われるかもしれません。
これには深い意味があります。
まず、「右の頬を打たれたら」が重要なのです。
世界の利き手の90%は右手で、当時、左手は「悪い手」です。
左利きの人はいますが、当時は無理やり右利きに矯正されました。
(日本でも戦後まで、そういう傾向にありました)

「右の頬を打たれたら」は、打った方は右手と考えます。
不自然ですよね。普通は右手なら左頬になります。
「右手の甲で相手の右頬を打つ」という状況だった、ということです。

古代のユダヤ世界では、「手の甲で相手の頬をたたく」ということは非常に相手を侮辱する行為で、 自分より「階級・地位」が下である者に対してのみ行うことが許されていた、というのです。
「自分より地位が下のものを侮辱しつつ叱責する」という目的になります。

この状況において、「左の頬を出しなさい」となると右は頬は引くかたちになり、相手は右手の甲で右頬を打つのは困難になります。
左の頬を右手のひらで打ったなら、「相手を自分と対等だとみなす」ことになってしまいます。

つまり、この言葉は無抵抗になれ、という意味ではなく、
暴力は使わず、根本の意味におけるより強い抵抗を示せ」ということになります。

インド建国の父、ガンジーの名言があります。
『目には目を』では、全世界を盲目にするだけだ
「右の頬を打たれたら左の頬を出しなさい」と同じ意味です。
ガンジーは、非暴力・不服従で、無抵抗主義です。
「無抵抗主義=抵抗しない」と思われている方がいますが違います。
「非暴力・不服従」が無抵抗主義なのです。

嫌なことをされて無抵抗というのは、そのあと、ロクなことにならないことが多い。(無抵抗=何も行動しない)
抵抗は暴力で返すのでなく、言葉など他のことで止めさせるのが両者の教えということになります。
※ガンジーの「目に目を~」は、本人が発した記録はないようですが似た言葉が多くあるので採用しています。

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