ママの出産を控え、上の子どもが不安定な時は
今から10年ほど前のこと。私は次男を出産する時に、長男には新しい家族が増えるという話をしました。赤ちゃんがうちにやってくるというのは、長男にとっても、とても嬉しいことで、楽しみにしていました。もちろん、私も出産を楽しみにしていました。
でも、私の内面では不安もありました。
無事に出産ができるだろうか?
長男は赤ちゃんがえりをしないかな?
赤ちゃんの状態はどうかな?
家族が増えることで、今の家族の関係性がどのように変わるんだろう?
などなど。
楽しみではあるのですが、不安もチラホラ。
すると、私だけでなく長男も赤ちゃんの誕生が楽しみではあるのですが、彼も不安チラホラ。長男は私の内面を鏡のように反映してくれているようでした。
長男が落ち着かなくなる時や、私に甘えてくる時が増えたような気がしました。少し長男のことが心配になりました。
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そこで、私はお人形作って、長男にプレゼントしました。
プレゼントする時に、
「新しい赤ちゃんが生まれたら、
一緒にお世話してあげようね」
って、伝えました。
そして、長男とお人形でおむつ交換をする練習をしたり、
服を着替えさせる練習をしました。
本物の布おむつをたたむ練習もしました。
練習といっても、遊びの中で行ったので、
長男にとっては練習というよりは遊びに過ぎないのです。
ずいぶん楽しんでくれました。
すると、ちょっとずつ落ち着きを取り戻し、以前よりも増して赤ちゃんの誕生を心待ちにしてくれているようでした。
そして、実際に次男が生まれてから、長男は赤ちゃんのお世話をとってもお手伝いしてくれました。気が利く長男の性格が発揮され、長男には本当に助けてもらいました。(おかげさまで三男の誕生の時にも長男にはお世話になりました)
そして、私もたくさん「ありがとう」を長男に伝えることができました。
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さて、お人形をプレゼントした理由は二つあります。
まず、長男に赤ちゃんが生まれることを不安で感じる時間よりも、楽しみで仕方がないっていう気持ちになれる時間を増やすことでした。
妊娠中のどのお母さんも、赤ちゃんが生まれることがとても楽しみである反面、
心のどこかで心配な面もあると思うのです。
でも、そんな不安に蓋をするのではなく、赤ちゃんが来ることが楽しみであることを、親子で、遊びの中で表現していくこと(おむつ交換の真似をしたり、おむつを畳んでみたり)で、楽しみの瞬間を増やしていくことが、結果的に、長男の不安を軽減することにつながるのかなと思いました。
そして、お人形をプレゼントしたもう一つの理由は、長男も母親と一緒に、赤ちゃんのお世話ができて、人の役に立てるんだということを体験させてあげるということでした。
そこで、「お母さんと赤ちゃん VS 長男」の関係ではなく、「お母さんと長男(プラスお父さん)が一緒になって、赤ちゃんの世話をする」という関係性を作りたかったのです。そうすることで、お母さんと赤ちゃんの関係から、長男は仲間外れにされずにすんだのでした。
これは、私の出産前後の体験談です。ご参考までに。
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ちなみに…、
私はヴォルドルフ人形(C体サイズ)を作ってあげました。保育園の年長さんぐらいにちょうどいいと思います(ヴォルドルフ人形C体・手作りキットはこちらの店で買いました)。それよりも小さなお子さんは、もっとシンプルな人形がいいと思います。
ヴォルドルフ人形(C体サイズ)のお人形は、実際に生まれてくる赤ちゃんとほぼ同じ大きさです(あくまでも、うちの子の場合は)。
そして、ヴォルドルフ人形はのっぺらぼう。子どもの想像力がフル回転するようにわざと目も口も表情もありません。表情は子どものイマジネーションによって、笑ったり、泣いたりします。
イマジネーションが湧くことは、幼い子どもの体と心の成長にとって素晴らしいことです。今の子どもの遊びで不足しがちなイマジネーションを補うのために、人形は素晴らしい友だちになってくれます。
私はたまたま裁縫が好きなので(料理は大嫌いですが)、長男のために人形を作るのも至福の時でした。自分が作った人形なので、人形に対する私の愛情は溢れるものがあります。もし、裁縫が好きではない場合は、市販のヴォルドルフ人形を手に入れることも選択肢としてありますので、無理して作らなくてもいいと思います。
そして、もし、のっぺらぼうの顔が可愛くないと思われるのでしたら、お母さんの気に入ったお人形をプレゼントしてみてください。お母さんの大好きな人形を渡されるのが一番いいかと思います。
ちなみに、新生児(平均身長は約48センチ)とほぼ同じサイズのヴォルドルフ人形C体(身長約40センチ)を、生まれた赤ちゃんの横に置いて、月に一度、写真を取りました。すると、毎月、どのくらい大きくなったのか、一目瞭然。そして1年間撮り続けて12枚の写真を並べてみると、小さな新生児が1歳の誕生日を迎えるまでの連続した良い記念写真となりました。
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