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夜陰に紛れて、軽トラ! NO33

学校の校舎は、朝日をしっかり受けて立っています。
余呉の朝の爽やかな空気に誘われて、玄関に出ると、そこにはお野菜の山!
え?
だれが?
くださったの?
誰なのかはわかりませんが、近ごろ朝届くお野菜たち!時には、きれいな花が添えてあったりします。

誰だかわからないけど、いつもありがとう!
周りを見ても誰もいない!お礼も言いたいのに・・・

こんなにたくさん旬のお野菜たち、どれもみずみずしくて、おいしいものばかりです。今度、こられたら、絶対!名前を聞いて!と思うのですが、どうも早起きの苦手な私たちでは会えない時間、早朝の出来事のようです。

そうそう、よくよく思い出せば、昨夜というか やはり3時か4時の早朝、新聞やさんではない、軽トラの音。
してました!
あれはやはり、このお野菜の届く音だったんだ!

何日かして、どうしてもその人に会いたくて、2時から、待っていました。昨夜は来なかった、もしかしたら今日も来ないかもしれない…眠い目をこすりながら、起きていました。

すると、やってきたのです。
白い軽トラが、バックのままで、ヒュー!って玄関に入ってきました。

いつもありがとうございます。
なんとおれいをいっていいのやら!と話すと、
そのおじさんは、「しーっ!!」「応援してる!子供たちに食べさせてやって!サルの分やから気にせんといてや!」とひそひそ声。
サルの分?
「この辺はサルが出てくるから、サルの分も見越して作るんや!」とのこと!まあ田舎のサルは贅沢ね!

「でもこんなにたくさん!こないだもたくさんいただいたのに」というと、「先生、これからたくさん同じものをいろんな人がくれると思う。あげようって、誰かに言われてもたくさんあるから、要らないというたら絶対あかんで!もらったもんは、食べようと捨てようと、好きにしたらええんや。でもその人の気持ちは全部受けなあかん!たくさんあっても、いつでも、ありがとうと言うことや!それが田舎の流儀やからな。覚えときや」

「最後にもう一つ!今は先生は上丹生の者やないから、昼に先生が僕と会っても、絶対にいつもありがとう!はいわんといてや、それされると、村八分になるから僕が困る!」「晴れて、上丹生の者になってからでいいから!」と言われました。

うれしいやら
おかしいやら
怖いやら
情けないやら
悲しいやら
なんか複雑な気持ちになって、朝まで、眠れなかったです。

田舎ってほんと、むつかしいね・・・・・
村八分って言葉は知っていましたが、本の中でしかお目にかかったことはありません。
本当に使っているのは初めて聞いてしまった。
まだ現代でも、そんなことあるんやね・・・
手ごわい田舎です。


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