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ぼら/Flathead gray mullet@東京都浅草-ときわ食堂(雷門横)

この日、店の外のお品書きにこの魚が出てたので迷わず入りました。大体週1の休みのたびに来ては、毎回私好みの魚があるので、つい入ってしまいます(#^.^#)

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この魚ボラは、本州(北海道より下)沿岸や河川汽水域、淡水域にいまして、とにかく水質汚染された場所でもタフに泳ぎまわり生命力が強いのが特徴です。餌を求め海から河口、川へ遡上したりします。私が中学生だった頃、千葉県松戸市の六間川が江戸川に接続する水門で、流れてきた表層のヘドロを大群で食い荒らしている光景を何度も見ました。そんなような魚ですから、汽水域のボラは身が臭く一般的に料理人からは蔑んで見られていると思います。しかしキレイな外洋で獲れた個体でキチンとした下処理が行われていれば食べる魚としては旨い魚だと私は思ってます。

そしてこの魚の卵巣から作られるカラスミは日本だけでなく台湾でも好まれ、更に内蔵で胃の一部(幽門)はボラのヘソと言われ、砂肝みたいな食感で魚通を唸らせます(^o^)

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今回私のテーブルに運ばれて来た刺身は血合いを全面に出し、まるで赤い薔薇をイメージしたが如く、盛り付けが見事だったので、お会計の時に「板前さんセンスありますね!(^o^)」って言ってしまいました(#^.^#)

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ではでは、食べてみましょう(^o^)

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いや普通に旨いです(#^.^#)

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この時食べたボラは全く臭みもクセもなく、マダイに似た味わいで美味しかったです(^o^)

ところで、静岡県伊東市、伊豆半島ジオパーク城ヶ崎海岸富戸には江戸時代から昭和30年代まで盛んに行われていたボラ漁に関する遺跡があります。たまたま私は河津桜を見に伊豆へ旅行行った時、偶然この場所を発見しました。

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↑この小屋がそれです。

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ここでは当時、村をあげての組織的なボラ漁が伝統的に行われてきました。この小屋はボラ漁において見張り場、指令塔として機能した「魚見小屋」と言われる物で、現在は静岡県有形民俗文化財に指定され、更には「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選一覧」にも載っています。

「富戸の魚見小屋(ふとのうおみごや)」
有形民俗文化財 指定年月日: H7.3.20 指定番号: 581

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漁期には4人1組がこの小屋に寝泊まりし、回遊してくる遠方のボラ魚群に目を光らせていました。ボラの大群を見つけたならば、海上に待機する漁船に旗などで合図をおくって迅速に捕獲するというチームプレイが確立していたようです。この漁法で、一度に何百匹~数千匹の漁獲があったとか。

ここで漁獲されたボラは高級魚として珍重され、江戸城へ直接船で運ばれ将軍家へ献上されたそうです。

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現在はあまり評判の良くないボラですが、昔は徳川将軍への献上品だったのです。そう考えるとますます旨く感じます(#^.^#)。

で、最後に追加情報ですが、このボラ漁の廃船を利用した源泉掛け流しの湯で、ダイバーの為にウエットスーツのまま入れる廃船利用の露天風呂「温泉丸」ってのが城ヶ崎海岸にあるそうです(^o^)









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