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登山部🌸

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私の好きな山『早池峰山』のお花を含めた登山記録や、歴史、宗教、文化、不思議な出来事など、自分で調べたことをこちらにまとめていきます。
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100年前・お花を巡る物語り

牧野富太郎のことは、多くの方がご存知のことと思います。 このnoteは、現在の岩手県紫波郡紫波町で生まれた農家の長男で、植物学者・マキシモビッチ(マクシモービチ)との運命的な出会いによって、植物界に大きな功績を残した「須川長之助」の物語です。 ■幕末・開国・明治維新〜激動の時代に マクシモービチというロシア人の植物学者は、牧野富太郎(以下、牧野)ら明治初期の日本の植物学者からとても慕われて、多くの人を育て、現代の植物相の礎を築いた方です。 時代は幕末・開国・明治維新。

お山歩きと新鮮なる宮沢賢治さんの詩の世界

お山に行くとき、いつも目にする言葉があります。 マコトノ クサノ タネマケリ宮沢賢治さんが4年勤められた農学校(今の岩手県立花巻農業高等学校)の校歌である『精神歌』の一節で、高校の入口に掲げられている言葉です。 現代語的に変換してみると、 足元の土から始まる壮大な可能性を詠う、美しい歌だなと感じます。 根源的なものを大事にする賢治さんを感じさせる詩はもう一つ、 この詩は続きがあって、傲慢な植物家と毅然とした森林管理士とのスリリングな問答が続きます。 早池峰山が舞台

【登山】ひとり静かな早池峰山

溜まりにたまった代休を使って、早池峰山に行ってきました。 毎年7月は平日休みをとって早池峰山へ行ってます。梅雨に当たると雨の登山になります。それもまた良し。今年はどうなるかな? 5合目御金蔵までは雲の中。そこから上は、雲もなく、カンカン照りにもならず、風も心地よいお山となりました。 思い出したのは、 という詩。 今日は朝の鹿もいない、生き物が静かなお山です。一方、昨日の豪雨で、コメガモリ沢が滝のようになって岩岩を打つ音が響きます。 ドドッ! 徒雲。 10秒動画。

早池峰山のお花メモ

2024年6月29日(土)の、早池峰山門馬コースでのお花集です。 山登りの記録はこちら、 2024年6月15日に、早池峰山で転んだときの打撲は、肩は腫れが引いて痛みもないが内出血がまだ消えない。 膝はカサブタがあとちょっとたけど、打撲した所が押すと痛い。歩く分にはなんともないんだけど。 岩にゴチンコした頭はなんともない。石頭。 ビターンって、受け身も取れずに頭から転んだわけですが、あれから色んなことが変わった。 まず体調。良い。膝を打った直後から、筋の痛みが消えた

【登山】門馬コースで早池峰山

①早池峰山と北側斜面 ジュラ紀後期から白亜紀前期をピークに、早池峰山塊は複雑な地殻変動を繰り返して現在の形となる。 それから一億年の間に、大陸になったり海に浮かぶ島になったりしたが、早池峰山は常に陸地であったという。 特色ある植物達は今でも根付いて花を咲かせる、氷河期の遺存種として残った。さらに、今では見られないような花や動物たちも、いたのだろう。(宮沢賢治、『花鳥図譜、八月』他) 太古の息吹を感じる早池峰に立ち入るときには、いつも特別の感情に包まれる。 今回は南

【登山】花びより・真夏びよりの岩手山(馬返しコース)

早池峰讃歌をnoteしておきながら、朝起きたときの気分で岩手山に登ってきました。2024/06/22(土)の記録です。 汗だくの樹林帯を抜けて眺めの良いザレ場の旧道に出ると、容赦無い太陽の熱波に息も絶え絶え。でも標高を上げるほどに気温も下がり、念願の爽やかな風も流れ始めて、気持ちにゆとりを持てたのが六合目でした。 八合目まで来ると、お鉢の迫力が増します。 つづら折れのような道跡も無く、とにかく滑る。ふくらはぎが伸び切って硬くなるので、たまに休んでストレッチ。多くの人が反

早池峰登山 後記

山は、登ったあとから、やってくるものがあると感じます。 先日の早池峰山で転んだのは、戒めだったんだろうなあと思っています。幸い肩の腫れは痛みが減って、可動範囲に支障は無くなりました。 早池峰のことをもっと知りたいものの、早池峰に行けばその瞬間の満足に浸ってしまう。 日常の憂いも、ここにいる間は微塵も感じられない。楽しい気持ちしか浮かんでこない。深く呼吸できている。あぁ、自分はなんて小さいことで悩んでたんだろう、もっと大陸的に在ろう、そんな強い気持ちを持ち帰れる。 花に

【登山】ヘッスラで感じる早池峰山(痛)

転んだつもりじゃないのに、あれ、景色が傾いていく。受け身も取れずいつの間にかドーンと転んでた。 体調も体力も万全なのに、なんで?転倒現場でじっくり考えてみたものの、よーわからん。 下山の最中に頭から(文字通り)ヘッスラで転ぶのって痛い。久しぶりに打ち身でしびれました。筋も骨も痛くないけど、擦り傷にマキロンがしみます。早池峰山を肌で感じられてちょっと嬉しい。 でも大事に至らず幸いでした。気を抜くなってことだ。帰りに早池峰神社さん参拝。 そんな晴れの日のお山の記録。 サ

【登山】花咲く前夜の早池峰山

早池峰山に登ってきました。 河原の坊駐車場に上がるまでに若いホンシュウジカ4頭に出会う。舗装歩きで1頭としばしにらめっこ。若い個体は好奇心が強いのかな。 ヤマドリのドラミングにびっくりしながら七里河原を歩いていると、水がチョロチョロ流れているのに気がつく。雨が降ったんだろうと思います。(雨の日の登山もまた一興で、蛇紋岩の下を伏流する音が聞こえます) 雨粒は晴れるとすぐに消えてしまうので、この曇り空の中には雨粒を蓄えたお花が見られるかもと、ちょっと期待して登ります。 氷

【登山】花と祈りの岩手山

てんくらAの岩手山、朝からすっぽり雲に隠れて。薄暗い森は夢の中のようで、とても幻想的です。足元には常にお花。雨降る森は、雫が潤って活き活きしていました。 ナラやブナの森が火山特有の砂礫に変わり、早池峰のような岩稜も楽しめる岩手山は、やっぱりスケールが大きい。特有の香りも懐かしみ、歩かせてもらいました。 今日は登頂はせず、1600メートル付近まで登ってお花を楽しみ、雲の中でコーヒーして、下山してきました。 今日は幸いにも風がなくて、鳥の鳴き声が良くこだまする1日でした。森

お花メモ。

2024/05/18(土)の登山で出会ったお花のメモノートです。 舗装路で。山麓で。岩稜帯で。その他。順番もチョイスもてきとうです。

浜に咲く黄色い花・ハマニガナ

山に行ったら次の日は海に行きたくなります。 椅子をおいて波を眺めているだけでも、何か満たされます。 波が来るたびにコロコロ洗われてしまう、不器用な君。戻されにくい所にレスキューしました。カンカン照りじゃなくて良かった。 そんな穏やかな沿岸で、ん?と見慣れない花を見つけて、帰ってきて調べてみました。 カワラニガナ(準絶滅危惧種)かと思いましたが、カワラニガナは河原の砂礫に咲く花のようで、更に葉の形からもハマニガナと判明しました。 横に蕾が数個あって、みんな咲いたら寂し

【登山】早池峰の 風に吹かれて イワカゾエ

5/17(金)に冬期通行止めが解除された県道25号紫波江繋線。天気も良さそうなので早池峰山に行ってきました。 朝5時半に河原の坊駐車場に到着。気温は6℃。コーヒー淹れながら身支度。駐車場から眺める早池峰山、それを支えるような新緑の森が青空のもとで眩しく見えます。 鳥たちのさえずりが騒がしいぐらいに響いています。また早池峰山にこれたな、そんな気分です。 ヤマレコをスタートさせて、ダケカンバが眩しい舗装路を2キロ歩いて小田越登山口へ。 木がザワザワするので、竜ヶ馬場は強風

【登山】鶏頭山〜蛇紋岩に咲く春の花に呼ばれて〜

1865年に、マキシモさんの指示で早池峰に入山したチョウノスキー(須川長之助)さんが採取して、マキシモさんが1867年に発表した固有種の5品種のうちのひとつが、ヒメコザクラです。 (チョウノスキーとマキシモさんのお話はこちら) (私のGPSで記録すると4割り増しで距離が長く出ます) 早池峰山塊でも、シカによる植物の食害は深刻です。端折りますが、林床がハゲポッポになれば、雨による侵食が進み、土砂崩れが起きて、岩塊崩落、白髭水(崩落による洪水)の発生。入山禁止にもなるでしょ