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アジサイ(第一話)

今日は入学式だ。
たまたまおなじクラスだった中学が同じだっただけの大して仲良くもない幼なじみと教室に向かう。
私立高校なのもあってかなり大きく教室に向かうまでの廊下やエレベーターが横にいる幼なじみのせいもあって無限に感じる。
長い長い廊下を抜ければ今度はエレベーターだ。教室につくまでが本当に長く何かの暗喩が誰かによって示されているのかと勘繰るほどだ。
エレベーターを出ればそこには無数の教室があり多数の選択をこれから迫られるような、そんな威圧感がここにはあった。
ところで、クラスの印象というのは半分程クラスに入った時に決まってしまう。勿論、和気あいあいと会話が弾み自らも惹き込むような、そんな雰囲気であれば1年という長い期間をともに過ごす仲間てしてなんの不足もない。
しかし今年はどうやらその限りではなかったらしい。まずクラスに入った瞬間謎の覇気のようなもの圧倒された。これに全く根拠はなく本当は明るいクラスなら謝罪が必要だろう。
しかしこの不安は杞憂ではなかったと後で思い知ることになるのは後の話だ。
だがその時はそんなことつゆ知らず、クラスを見回した。
だがなんだ、そのゴミを見る目は。
クラスの様子を少し見ようとしただけで完全に変態扱いだ。
これから私はどうして生きていこうか。

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