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クラフトビールを飲みに行こう その① #EBINA BEER

タイトルのとおり、EBINA BEER(エビナビール)さんのクラフトビールを飲みに行った話です。ラガーが出色のブルワリーで、美味しく飲めました。

去る土曜日、家電量販店に用があって海老名を訪れた。もちろん横浜でも足りる用ではあったが、コロナ禍の中、横浜中心部に行く位なら海老名のほうが混雑もストレスもなく買い物ができる...はず。実のところ、海老名には仕事の用事と飲み会帰りの乗り過ごしでの計2回しか行ったことがなかった。とはいえ神奈川在住五年、なんとなく街の規模感や様子は知っている。予想どおりスムーズに用事を終えることができ、時刻は18時。ふだん夕食が遅い自分も小腹が空く時間帯。ふと、同地にはかねてから気になっている醸造書併設レストランがあったことを思い出す。

以前、横浜で同社のエビナラガーをタップで繋いでいる店に当たったことがあり、美味しかった記憶がある。それ以来なんだか気になっていた同社。というか、実はそのとき店で貰った同社のロゴステッカーが、自分のノートPCにデカデカと貼ってある。現地行ったことないのに。酔っぱらって帰宅後、調子に乗ってステッカーをPCに貼り付けた記憶はボンヤリとあるが、勢いとは妙なもの。

話を戻すと、EBINA BEERさんの所在は海老名駅から程近い好立地。神奈川中部の再開発ラッシュとはいえ、海老名のそれは驚異の発展ぶりだ。駅の両側のエリアとも、大型モールを中心に賑やかながら広々とした商業エリアとなっている。タワマンらしき工事中の建物を横目に、小田急・JR駅直通のデッキ(動く歩道付き)をららぽーと方面に歩く。同施設脇の広々とした道を数十メートル歩くと、お店に到着。

通りに面した一階、ビール醸造スペースとレストランスペースが接続された構造。緊急事態宣言下20:00までの営業だが、18時すぎの訪問でも結構賑わっていて、店員の方は忙しそう。タップ側のハイカウンター上部には手書き黒板があり、その日に繋がっているビールがわかる。個人的な好みだが、手書き黒板がある店は如何にもブリューパブという雰囲気がして、テンションあがる。窓が多く明るい色調の店内は、昼飲みにも適していると感じた。タップ側を眺めていたい気持ちもあったものの、混み具合から窓側のハイカウンター席に座る。

改めて紹介すると、同社の設立は2017年。新進気鋭のブルワリーだ。醸造主任はチェコ出身、同国にて修行された方。ラガー系のビールを主軸として取り組まれている模様で、この日も常設タップにはバリエーションあるラガービールが繋がっていた。他にペールエールやヴァイツェンもあり、全体としてはバランスが良い。ちなみに下記記事によると、同氏は一流のチューバ奏者でもあるそう。

今回いただいたのは ピルスナー 。フラッグシップ銘柄とも言えるエビナラガーと迷ったが、時間が限られていたこともあり、飲んだことのないほうをチョイス。なお、時間が限られている状況ながら、サイズはパイントをチョイス。飲み応え優先である。

チェコで学んだ醸造主だけあって、こちらのピルスナーはボヘミアン・スタイル。程々の炭酸感のあとにミディアムレベルのホップの苦味。口に含んで味わうと、穏やかに訪れる麦の香りと甘味が心地よい。ピルスナー系の主要スタイルはボヘミアン・ピルスナーとジャーマン・ピルスナーがあり、両スタイルの違いは大雑把に言うとモルト・ホップの主従関係。ボヘミアンを標榜するビールでは「主」であるモルトの風味が前面に出るのが一般的な気もするが、このピルスナーは爽快感や飲みやすさが先んじている印象。

ビールは穏やかだが、なんだかそれだけにグイグイ飲める気がして、まるで気分はピルスナー創成期の19世紀欧州、勤務明けに街へ繰り出した工員さん...とでも言った具合で、勢いよく楽しんでしまった。元来、肉体労働者・工場労働者に好まれて世界に広まったピルスナー・スタイル。尤も、我が身を省みると往時の「工員さん」と比べるべくもなく、在宅勤務の連続、万歩計は100を下回るような日が続いているのだが...(にも関わらず飲むものは飲むので、荒い飲酒と書いてコウインさんかもしれない)。

他にはヘーフェヴァイツェンもいただき、こちらも美味しい出来だった。持論だがヴァイツェンでお腹いっぱいになるのは最も崇高なビアバーの楽しみ方の一つなので、今度時間があるときはそういうプランも良いかもしれない。持論です。

小腹が空いていたので、おつまみにローストビーフをいただいた。お店自体はガッツリ「食事」という雰囲気ではないが、フィッシュアンドチップスや串揚げ(2本から)等、ビールに合う軽食おつまみ各種が揃っていて、なんだか頼もしい。ラガーが強いブルワリーだけあってか、ソーセージセットが4種類もある。頼もしい。

客層は近所の方と思われる方が多く、和やかな雰囲気の中で落ち着いて飲むことができた。海老名まで来てよかった、と思った土曜日の夕方、納得の休日。

近年続々と誕生している首都圏のブルーパブやマイクロブルワリーは、醸造規模の兼ね合いもあってかペールエール・IPA系が主流の印象。エールとラガーの二元論で話す必要性は全くないとはいえ、美味しい高品質ラガーがいただける施設が登場しているのは、大変嬉しい。自分のようなミドル神奈川県民(※年齢ではなく立地)にとっては尚更だ。アクセスもよく、ノーチャージで心理的なアクセスもいい。近隣に出掛けられた方は是非訪ねてみてはいかがだろう。

非常事態宣言の延長も決まってしまった首都圏、一消費者として何かできるわけではないが、新しいルールを容れつつ、ひそかに歯向かいつつ、楽しんでいきたいと思った。

あんまり関係ない話。

「ジョジョの奇妙な冒険」は(今のところ)四部が一番好きなのですが、トニオさんの店にいく話、「イタリア料理を食べに行こう」って、すごく平和で良いタイトルですよね。未読の方すいません。

以上

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