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スーパードライ(新)/アサヒビール

スーパードライがリニューアルされたので、飲んでみました、ついでに新旧比較をしてみました、という話。

2022年1月6日、アサヒビールの事業方針説明会において、主力銘柄である「スーパードライ」が発売36年目にして初めてフルリニューアルされることが発表されました。「フルリニューアル」という言葉を私は使ったことがないのですが、プレスリリースによると「中味(製法も指すでしょう)・パッケージ・コミュニケーション」全ての同時刷新を指すようです。

日本を代表する銘柄とも言える同ビールの刷新は当初、報道等でも多く取り上げられました。一方で、あくまで個人の感想ですが、実際の流通(2月中旬製造分からの順次切替え)を迎えた現在、昨年の「ビアリー」や「アサヒ生ビール(所謂マルエフ)」発売時と比べると、盛り上がりはそれほどでもないのかな、という印象をもっています。これは、在庫の順次切替え・・・つまり一気に新商品が棚を埋める形にならない、という避けられない流通上の要素と、アサヒ社自体が、プロモーションの力点を3月17日(スーパードライが初めて発売された日)においていることがあるのだろうかと、勝手に思っています。もっと街角という街角に試飲ブースが出るくらいでいいのに。時節柄むずかしいか。

という、難癖めいた戯れ言はさておき、実際に入手できた新しいスーパードライは、結論から言うと、自分としては美味しく飲むことができました。また、タイミングが合ったので、従来のバージョンとの飲み比べもしてみました。以下、新しいスーパードライを新版、従来のそれを旧版と記載します。

液色は馴染みのイエローゴールド

パッケージですが、従来のメタリック基調や字体はそのままに、マット加工を施したり正面の文字数を減らすなど、モダンな洗練性への志向が感じられます。予期できたことですが、液色は従来と変わらぬ明るいイエローゴールド。

中味に移りましょう。アロマですが、温度が低い状態ではホップ由来か、スッとした爽やかな香りを微かに感じます。とはいえ低温では香りは弱いですね。徐々に淡色モルトのふくよかな穀物感、食パン様のイースティな香り、前述の若草のようなホップ香。一口目、スーパードライらしい炭酸の刺激。二口目以降は刺激は収まり、香ばしさと少しの甘さ

印象深いのは、口に含んだ後の風味が、喉を通すとサッと収まる感じ。この銘柄が売りとする「キレ」にあたる特徴だと思います。一方で、この感覚は完全に無味になる類いというより、余韻には仄甘さ僅かに貼り付くような麦のニュアンスがあります。

Abv. 5.0%

アロマ :★☆☆☆☆
フレーバー :★★☆☆☆
→ 穀物、食パン、若草
テイスト
→ 苦味 :★★☆☆☆
→ 甘味 :★★☆☆☆
→ 他 :-
炭酸 :★★★★☆
ボディ :★★★☆☆



折角なので、旧版との比較をしてみました。

なぜか2つあったビアフェス2016グラス

まず、香り、風味ともに低温では正直区別がつきません。温度が上がると、旧版は甘みのニュアンスを想起させる麦っぽい香りであるのに対して、新版は前述の若草、イースティというように、より複雑に香りが混ざっているようでした。炭酸については旧版のほうが少々感じやすいように思え、反面、新版のほうは液体の「潤い」を感じる仕上がりになっていると思います。いずれも、おそらく多くの飲食店で供されるよりも温度を上げた状態(多分10度程度)で、です。

さて、香り、風味、マウスフィールでは旧版のほうがソリッド、新版のほうが軽やかで風味に幅がある印象を受けました。そこから、喉を通して余韻までを観測すると、ソリッドだった旧版のほうがスムースで、新版のほうが重みを感じた点は面白かったです。特に前述の「キレの消失感が確かだが、余韻に残る貼り付きと仄甘」というのは、新版を飲むまで今まで意識したことがないタイプの感覚でした。喉越しも、あくまで比較論ですが、新版は感触に硬水めいた強さがありました。旧版のほうが仕事や運動のあとにグイグイ飲めて、新版はより「シッポリ」飲む場面に合うような印象を受けました。

想像ですが、新旧の違いは昨今のビール消費シーンの変化も反映されている可能性があると思います。多量飲酒から体験価値重視へのシフト、宅飲み需要の増大、等。ただ、この点については明確にリリース等で言及されているわけでないので、早合点は避けたいと思います。


パッケージの英文から辛口の説明が削除。同様に、裏面での辛口への言及もなくなっています。

なお、比較は同じ日時(2月26日)、同じグラスで実施し、正直自信がなかったので再度3月1日にも実施しました。27日にも新版だけ飲みました。普段はこの銘柄より重めのスタイルを飲むことが多いので、連日スーパードライを飲んだいま、正直もの凄くインペリアル・スタウトが飲みたいです。


いや、鮮度も良かっただけあり美味しかったですとも、美味しかったですけども!

そういうわけで、新スーパードライ、私は潤いを感じられるビールが好きなので、風味を穏やかに楽しみつつ液体の充足感がある点は好ましく思いました

今回はスーパーで買った缶をいただいたので、今後またお店で提供される場合、料理との組み合わせ等、楽しんでいきたいと思います。これから飲まれる方には、上記が何かしらの参考になれば幸いです。

現在、サッポロ黒ラベルのリニューアルも順次流通しているはずなので、そちらも飲みたいと思います。家人にビールは一日一本までと制限されている関係上、今回の飲み比べは視線が大変痛かったため、黒ラベルは銀座ライオン(サッポロ系列)で比べられたら良いなぁ・・・



美味しくダラダラとビールを楽しめる世界の存続を願って。

https://www.japanforunhcr.org/

以上

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