にせもののハイヤーセルフに気を付けろ

こんにちは。今回は筆者（ペンネーム「真実の剣」）が昔ヨガの先生に教わったことをシェアしたいと思います。

ヨガの瞑想法で、「原因身」と呼ばれる自らの非常に高い側面にアクセスする方法があります。

原因身とは、今風に言うとハイヤーセルフです。これは形而上学が語る「永遠の存在」である私たちの本当の姿であり、個々に存在する個性的な存在でありながら、宇宙の全てともつながっているという自分の姿です。

一般的に、精神世界に興味を持った人はこうしたハイヤーセルフにアクセスしてみたいという欲求を持ちがちでしょう。私もそうでした。

しかし、人は肉体を持っている限り、どうしてもこのハイヤーセルフとは分離する傾向にあるのも真実です。これはこの世で生きている限り、逃れられない特性と言ってよいでしょう（詳しくはMMS公認ガイドから「アデプトプログラム」をご受講ください）。

実はここがポイントで、ハイヤーセルフに興味を持った人はしばしば、「にせもののハイヤーセルフ」に騙されることがよくあります。そのため私は昔、あるヨガの先生からこの瞑想法を教わったとき、「危険な側面があるので十分に注意しろ」と言われたことがあります。

■にせもののハイヤーセルフにつながってだまされる

教わった瞑想法すべてを公開することはできませんが、ここで書いても構わなそうな、かつ多くの人が知るべき重要なポイントだけを、かいつまんで書きます。

・原因身とつながる瞑想に取り組んでいると、意識の向こう側から具体的なハイヤーセルフの姿がやってくることがある。典型的なケースは、美しい王女だったり勇敢な若者だったり、あるいは神話の神獣のような姿である。

・こうした具体的な姿が浮かんでくる場合、自分の意識が作りだした「想念形」であることがほとんどだ。

・この想念形は、いわば自分の妄想が作りだした意識内の存在である。過去の自分が果たせなかった思いや恨み・辛みなどのネガティブな感情が、それを解消したいと願って生み出されたもの。そのため、過度に美しい姿や超人的な姿をまとうことも多い。

・さらにやっかいなことに、想念形それ自体が、人格を持ったように振る舞う。そのため瞑想者は瞑想中、ハイヤーセルフと勘違いした想念形に質問をすると、人間の自分（ロウワーセルフ）にも分かりやすい、具体的な回答を出したり、意味深な言葉で回答をしたりする。

・こうした回答を信じ込むのは非常に危険だ。妄想の産物であり、しかも不安や不安、恨みや辛みの投影だからだ。回答を信じ込んで行動していった結果、ますます人生があなたの本質から外れていく可能性がある。

――こんな具合です。

瞑想は近年、各所でその心身への効果が指摘され、「瞑想スタジオ」なども登場し話題になっていますが、意識の繊細な領域を扱う手法でもあります。それだけに、危険な側面があることを知っておいても良いでしょう。ヨガの世界では理解のある先生に師事し、（身体技法も含めて）自分の状態を定期的にチェックしてもらう必要がある、と言われ続けています。

私はこれを先生から教わった頃から20年近くが経過しましたが、今になってその重要性をあらためて認識しています。

■伝統ある知識を学び、ハートの感覚を注視する

もちろん、仕事や家庭、地理的な都合でなかなか理解のある先生に師事を仰げないという方もいらっしゃるかと思います。

そこで私個人的にお勧めなのは下記の2点です。

（1）まずは、なるべく近隣で活動しているMMS公認ガイドを調べ、「アデプトプログラム」を受講し（2日間です）、形而上学の基本的な知識を頭に入れておくこと。昔から連綿と受け継がれてきた人の本質に関する知識を学ぶことは、自己統御に大いに役に立つからです。
また、アデプトプログラムでは最後にイニシエーション（「学び始める、自らの道を歩き始める」の意味）を受けられます。これにより光と伝統による保護が受けられるようになるので、その点でもお勧めです。

（2）おしなべて、瞑想と言われるものを行う際には、ハートの感覚に常に意識を向けておくことです。頭でいろいろと考え始めたら、「いま、自分の胸部全体の感覚はどうなっているかな」と自分に質問を投げかけてみると良いでしょう。
ヨガではハートチャクラは魂の入り口であり、また形而上学では魂を経由してスピリット（本来の自分の姿）につながると言われています。もし、雑念が騒がしかったり、感覚が不安に満ちるようになったりしたら、瞑想から一端抜けて、何か散歩なりスポーツなり趣味なり、日常生活を楽しめることをするのも、ひとつお勧めの手段です。というのは、人は生命の喜びに溢れているときにはハイヤーセルフとのつながりが強まるからです。
加えて言えば、頭の中で聞こえるような声はまず、ハイヤーセルフのものではありません。また、ハイヤーセルフは人間の意識レベルに降りてくることはまずありません。メッセージは意識を相当に静かにしないと受け取れないので、そのつもりで日々の瞑想に臨むべきでしょう。

精神世界に興味があり、熱心である意味純粋な人ほど、とんでもない罠にはまりやすいように思います。そして私自身も例外なく、何度も何度も危ない橋を渡ってきました。脅すつもりはまったくありませんが、今回はリスクのことをお伝えしたく記しました。

しかしリスクは、その存在を知りさえすれば恐れることはありません。

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