お金の裏側にある「見えない価値」について
私はお金に関してどちらかと言えば無頓着ですが、借金はしたことはほとんどありません。唯一、借金らしきものをした経験は学生時代に得た奨学金で、大学院に進学するために取得したものでした。
受験勉強は嫌いでしたが、大学での勉強は好きでした。成績は悪くなかったのか、この奨学金に利子は必要なく、社会人になって働いているうちに、自然と返し終えていました。
もうひとつ、私が借金と縁がなかった理由には、お金に対する言いようのない恐怖心があったことも挙げられそうです。昔から私は、お金というものの裏側にあるパワーに対して、どこかしら恐怖心を抱いていました。それゆえ、今でも大きく投資ができない面もあります。けれども、それで助かったことも多々あるように思います。
しかし、そんな私の生き様に反するように、過去の私の周囲にはなぜか、借金に縁がある人が多く存在していました。彼・彼女らから、いろいろなものを学ばされたように思っています。
前もって言いますと、私は借金すべてが完全に悪だとは思いません。例えばこれだと思う事業アイデアがあって、それを実現するためにどうしても初期投資が必要なのであれば、しかるべき投資を受けるべきでしょう。
これは正確に言えば、生活レベルで発生する借金とはまったく別次元のものです。資本主義の成り立ちを勉強すれば分かりますが、こうした志ある起業家たちが受けた“正当な借金”が、資本主義経済を実体を伴う形で発達させてきたわけですから――。
また、思わぬ形でどうしても借金が必要になるときもあるでしょう。例えば、予期せぬ逆風で事業が立ちゆかなくなれば、一時的に生活資金を借金で工面するという局面もあることでしょう。
そうした正当な種類のお金の借り方は別として、自分の身の程をわきまえない無謀なお金の使い方や投資は、とんでもないしっぺ返しを喰らうはずです。
ひるがえって、元々のお金の成り立ちは、物々交換の効率性を高めるための道具であったはずです。なのに今や、お金というツールそのものに価値があるようにも受けとめられ、さらには「お金がなければ何もできない」という「手段の目的化」、つまり、すり替えが起きています。これが様々な人生の不幸やアンバランスさを呼んでいるのは間違いなさそうです。
■お金の向こう側にある価値交換の本質とは？
私はヒーラーとして「DNAアクティベーション」というヒーリングを提供しています（本記事のタイトル画像は、その施術風景のイメージです）。
こちらは、古来から続く形而上学の知恵に基づいたヒーリングツールです。人の不可視の領域に秘められた「生命の樹」というものに、灯をともすような効果をもたらします。
DNAアクティベーションというヒーリング手法により、受ける人の内側に灯がともされるプロセスはまさに、人のDNAが活性化するさまそのものと言ってよいでしょう。
私がDNAアクティベーションを最初に学んだのは、2009年でした。初めて学んでから13年もの月日が経過しているわけですが、最近になって私は、このDNAアクティベーションの価値についてあらためて気がついたことがありました。
それは、こうした古来から伝わる形而上学的なツールには、お金による値づけだけでは計測しえない大きな価値がある、ということです。これは施術経験を通じて「なるほど」と体感的に発見した、自分の中での確たる真実です。
実際問題として、ヒーリングを提供するには事前の準備も含めてそこそこの時間を使いますし、原価もかかります。なのでDNAアクティベーションの1万5000円というフィーはいただかざるを得ません（活動を継続させるためです）。けれども実は、そういった表面上のお金のやり取り以上の、ものすごいことがDNAアクティベーションのセッションにおいては起きている――というのが、学び続けた私の体験的な理解です。
ヒーラー活動をしている私が言うと、我田引水のように受けとめられるかもしれません。しかしこれは私自身が長い時間をかけて掴んだことなので、あえて素直に、このように表現したいと思います。
施術者（ヒーラー）は、DNAアクティベーションの提供を通じて、受ける人の「自らの人生の創造主（a god）」としての可能性を拓く支援をする。
一方、それを受ける人（クライアント）は、DNAアクティベーションを受けることを通じて、自らの秘められた可能性に一気に灯がともされる。
DNAアクティベーションによって起きるこれらのアクションには、お金という価値交換ツールだけでは表現しえない大きなものがある、と思うのです。
かつての私はどうしても、表面上のお金の価値に注目しがちでした。ようやく掴んだこの真実に基づけば、過去の私は、表面上のお金の価値観だけで理解を閉じ、お金では表現しきれない猛烈なエネルギーのやりとりに目を向けていなかった狭窄的なヒーラーだったのだろうと反省しています。
もちろん、私はクライアントの方々に1万5000円以上のお金を請求することはありません（笑）。おそらく、この値付けは、老若男女問わず多くの人が頑張れば出資でき、かつ、クライアントもヒーラーもお互い“真剣勝負”になれるちょうど良いレベル感なのだと思います。
それはそれとして、このDNAアクティベーションの施術者（ヒーラー）という仕事を続ける上では、「表面上のお金のやり取り以上の、ものすごいことが起きている」という認識をもつことが重要であろうと感じている次第です。
現代社会においては、ツールでしかなかったはずの「お金」というものの存在感があまりにも強い。それがゆえに、私たちは「本来私たちはどういう価値交換をしながら豊かに暮らしたかったのか？」という肝心なことを忘れてしまっているようです。
だからこそ意識を切り替えて、「お金の裏側にある、本当に注目すべき価値や真実」に目を向けながら生きることが必要そうです。それを心がけていくと、我々はお金という表層に惑わされず、うまく使いこなしながら楽しく生きられるのだろうと思っています。
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