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世界が意識を乗っ取ろうとしてくる
変な世界になってしまった夢を見た。
おじいちゃんおばあちゃんと子供達と遠くの街(札幌の大通りみたいなところ)にいるんだけど、微妙に何かが変。
確信したのは私が地下鉄に降りる階段でリップクリーム落とした時。下を向いてる間、周りの人の足が止まってた。あんなにザワザワしてたのに。
私が見てる時だけ動いてるんだ、と思った。
顔を上げるとおばあちゃんが変、意味不明な言葉を言ってる。
もうこの世界に取り込まれてしまったかも、じゃあ手遅れだ。きっと私たちを変なところに連れていこうとするはず、放っておこう…そう思った。
自分が想像していたよりも、私はうんとドライで淡々と判断していて、自分でもびっくりした。
おじいちゃんは大丈夫。
おじいちゃんの手を引き、地下鉄の乗車券を買う。
地名がよく分からない、どこに向かうのか。
全部の文字や言葉が、分かりそうで分からない。
知ってそうで知らない。
とにかく、変なところにいるのは確実。
そして、そのことに気づいていると気づかれちゃいけないと感じた。
何食わぬ顔で券売機にお金を入れる。
南24.南52で悩む。
確か以前こんな感じのバスによく乗っていた。
母に耳にタコができるくらい言われたから分かる。
でも肝心な数字の部分を忘れてしまった。
迷って結局、南52にした。
実家まで帰りたかったが料金580円。
ボタンを押した後に料金が表示された。
券売機の上の表には名前だけが並べられていて、料金は書かれていなかった。
高いな、遠くまで行くのかもしれない…大通りから地元の駅までは290円なのに。
でも仕方ない、どうせよくわからないからこれに乗ろう。名前的に、実家の近くまで行くのかもしれない。
「高いね、遠くまで行くのかな?とりあえず乗ってみよう!」とおじいちゃんに言った。
振り返って進もうとすると、さっきまで変になっていたおばあちゃんが正気を取り戻したようで子供たちと一緒にいた。
「変になってたしょ?」
「うん、もう放っておこうかと思った。」と私は笑った。
おばあちゃんは、天然ボケをかました時みたいにちょっと困ったような顔で笑ってた。
どうやらこの世界ではネガティブなことが起きた時、世界がグッとおかしくなるみたいだった。
具体的には、私たちの知っている世界から離れてしまう。文字が読めなくなったり、知らない言葉になったりするみたいだった。
それを止めるにはネガティブな空気に傾かないように明るくするしかない。
取り込まれていかないように。
元いた世界に戻れなくなってしまうから。
おばあちゃんがポケットティッシュの裏面に入ってる広告を見せてきた。近々大きなお祭りがあるらしい。
「なんか起きるかもね。◯◯ちゃんが、やっつけちゃえ!◯◯ちゃんならできる!」
と焚き付けてきた。
「うん、変でもなんでも空気ぶっ壊してくるわ」
なんで私やねん、という気もしながら、おばあちゃんの提案に乗り、明るくエネルギッシュな気持ちで駅のホームに向かった。
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