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ある転職を迷っている…という若者と話をしていた時のこと…


「君の得意なことって何?」


そう聞いたところ、


「特に得意なことと言えることがないんですよね」

「何をやってもまあそこそこ。苦手なことならいっぱいあるんですけど」


という答えが返ってきました。


僕から見ると、彼はスポーツ万能、野球、サッカー、バスケ…もしチームをつくればどのジャンルでもエース級になれるほどの実力を持っています。

学歴もそこそこの偏差値の大学を出ていて、常識以上の知識の持ち主。

顔だちもイケメンの部類

性格はいたって温厚で優しさが溢れています。グイグイ自己主張するではなく、穏やかに人の話を聴くことができて、決して感情を出すタイプではありません。


僕から見ればすごくステキな青年なんです。



でも「得意なことがない」ので、自分に自信がない…と思っている…



「子どものころから、まわりに僕よりすごい奴がいっぱいいたんですよね。何をやっても一番にはなれなかった…」


って言うんですね。




この言葉で気づかされました。



なるほど…


僕もそうでした。

これまで「コイツよりは俺の方が上」と思えた経験があるものだけを自分の得意なこととして認定してきたなぁ…って。



つまり、「自分の得意なこと」って人に勝(まさ)っていないと、「得意」とは言えないんだと決めつけているんです。

自分の得意認定を他人との比較においてでしかできないとすると、その場合の比較対象とする相手の選定が重要になるなぁ…と思ったんです。



例えば野球がそこそこできるとします。

その時、大谷翔平に比べて「アイツにはかなわないわ」と思っていると、ほとんどのプロ野球選手が「野球が苦手」と言わなければなりません。

じゃ、比較対象が「甲子園に出たことがある奴」だとすると、地方大会1回戦負けのチームに所属していた彼は、「野球は得意じゃない」と言わなければならない。

じゃ、同級生の野球なんかやったことがない奴と比べたら?

その時初めて、「俺は野球が得意」という自己認定をするかもしれない。

でも、野球部に所属していないのに俺より上手い奴がいた…となると、自分は野球なんてそこそこしかできない…「得意」といえるほどじゃない…ってなるわけですよね。



じゃ、こう考えたらどうでしょう。

得意な教科はなんですか?

と質問されたら?


このとき、頭に浮かぶのは「国語、数学、化学、物理、生物、英語、歴史、地理…」いくつかあるうちの中で、優先順位を決めませんか?

高い点数を平均的に取る自信の順に。



それがあなたの得意科目なんです。


たとえ、日本史の知識が東大生や京大生に劣っていようと、あなたの中での得意なものは日本史なんです。



それでいいじゃん!って思いました。



得意なものは自分の中のジャンルで優先順位をつければいいんです。


でも「得意なものって何?」って聞かれると、ジャンルが広すぎて多すぎて自分の中で優先順位のジャッジがつけられない。そこで他人と比較して優れているものを探す方が簡単で分かりやすいので、安直な検索方法を取っちゃっているんです。




そう考えると、得意なものがない人間なんていない!ということに気づきます。



比較対象は、他人ではなく自分の中にあるんです。

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