見出し画像


僕の住む徳島県には、海陽町という超田舎の漁師町があります。

そこは、あることで日本一という称号を得ている町なんですが、それは何かというと…

日本一自殺で亡くなる人の少ない地域 なんです。

ま、こんな人口1万人にも満たない田舎町でそんなに驚きはしないんですが、それでも「日本一」となると、それはそれで「へぇー‼」ってなりました。

で、その自殺予防因子は何かというと、

この町には、こんな言葉があるそうなんです。

「病は市(イチ)に出せ」

悩みがあったら一人で抱え込まず、すぐみんなに知らせる、そうすれば誰かが助けてくれるだろうということで、この地域では昔から大事にされている言葉なんだそうです。

当然、田舎ですから結構な確率で住んでいる人はみんな顔見知りです。

そして、この町の人たちの特徴は、ゆるやかにつながっているんだそうです。

「え?〇〇さんが困ってるんだって?じゃ、なんとかしてあげなくっちゃ」

そんな重たい深い関係じゃなくて、ほどほどに放任しつつも顔を見たら、「どう?大丈夫?」と声をかけあう関係。

そして、その関係性の範囲が無茶苦茶広くて、いろんなコミュニティがあって、いろんな集まりと出会うことができるんだそうです。

本当に助けがほしい時には、助けがほしいと遠慮なく言える。

でも、あまりまわりが無理強いはせず、ほどほどのつきあいをしている

なるほどなぁ…

と僕は思ったんです。

つながりが濃い集まりというのは人間関係が固定されて、その中で上下関係ができてしまいがちになったりします。

すると共通の価値観に支配されて、異なる考え方を持つ人を排除する可能性もでてきます。

この海陽町では、他の県や地域から移住してきた人たちが、非常に馴染みやすい関係性なんだそうです。

つまり、ゆるく広くつながることで、いろんな人の価値観に触れることで、悩みを独りで抱えているときよりもより選択肢の多い解決策と出合えるようになるんだろうな…なんて思うわけです。

暑苦しい「助け合うよ、支えあうよ」というゴリゴリの人間関係が時には負担に感じる人もいるんですよね。

まさにアドラー心理学でいう「課題の分離」「他者貢献」が自然にできているコミュニティが、低自殺率日本一を生み出しているんですね。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?