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2021年1月1日〜1月8日のプロモトレンドを分析してみた

以前の記事では、「2020年365日分のプロモトレンドを分析してみた」と題し、マクロな視点で2020年のトレンド分析をしてみました。

今年は、分析期間を区切り、プロモトレンドの内容を詳細に見ていきたいと思います。

1. 2021年1月1日〜1月8日のプロモトレンド

下記、2021年1月1日〜1月8日のプロモトレンドです。

1/1金 #この闘いに心を燃やせ #アベマで鬼滅初め #アベマからの二大運だめし|ABEMA(アベマ)@今日の番組表
1/2土 #乃木坂46LIVEIN荒野|荒野行動-『KNIVES OUT』公式
1/3日 #全裸監督|Netflix Japan
1/4月 -
1/5火 #あなたがめちゃ漫画読みたい瞬間|めちゃコミック(めちゃコミ)
1/6水 #BlackToneEdition|マツダ株式会社
1/7木 #ワンピースキャラ世界人気投票|ONE PIECEスタッフ【公式】
1/8金 #ボートレースCM|公式 DYNAMITE BOATRACE|ボートレース

各ハッシュタグのハッシュタグ数をYahoo!リアルタイム検索で調べ、その推移(※1)をグラフ化したのが以下の折れ線グラフになる。

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※1 グラフの期間:2020年12月19日〜2021年1月9日

1-1. #乃木坂46LIVEIN荒野 について分析

当該期間(※1)、最もツイートされていたハッシュタグは、1月2日の「#乃木坂46LIVEIN荒野」であった。これは、乃木坂46がバトルロワイヤルゲーム「荒野行動」内でライブを行うといったコラボキャンペーンによるものでした。

このキャンペーンにおいて、
12月20日:コラボキャンペーン開始
12月22日:CM放送開始
とプレスリリースを打ち、1月2日のコラボイベント(プロモトレンド)に向かってティザー期を作っていました。

本施策を実施するために、荒野行動のマーケティング部と代理店がどのような会議を行っていたか想像するしかないですが、おそらく乃木坂46を起用するくらいなので、女性アイドルオタクとゲームユーザーの相性がいいと読み、新規ユーザー獲得や休眠ユーザーの再アクティブ化を狙ったと思われます。
(もしかしたら、乃木坂メンバーの中に熱狂的な荒野行動プレイヤーがいたのもコラボの決め手かもしれません。もしくは荒野行動のマーケティング部内にガチな乃木坂ファンがいたのか。)

ジャニーズオタクが代表的ですが、オタクはTVを見ながら、リアルに起きたことをTwitterで呟くことが多いです。その座組みを活かすために、プロモトレンド実施日に、荒野行動内でライブを開き、また上記ツイートにも記載のように披露する楽曲を予想するといった仕掛けがあったことでハッシュタグの瞬間風速を最大化したように思われます。

1-2. #ボートレースCM について分析

次にハッシュタグ数が多かったのが、1月8日の「#ボートレースCM」でした。こちらも年始に入って、#乃木坂46LIVEIN荒野同様に、プロモトレンド前にティザー期を実施していました。

1月1日に、カンバセーショナルカードで回答を選べるクイズ形式のツイートを実施しています。
上記クイズは、これまで田中圭や武田玲奈、飯尾和樹らが出演していたボートレースCMの延長線上にあり、その結末を皆さん楽しんでいました。

実際に、イイオとレナの結婚を祝福するようなツイートもありました。

そして、新CMが始まる1月8日に「#ボートレースCM」のプロモトレンドを実施。新しいCMは、これまでと変わり、若者がボートレーサーを目指す内容になっています。

ボートレーサーを目指す若者を増やすために、親の層が見るであろうCMを実施。CMは、ストーリー仕立てで、親と子の絆を描いていくようなシチュエーションを描く。今後のCM続編では、「どのような教習内容があるのか」など実際に子どもを養成所に入れた時の様子を想起させる内容を展開していくと推測されます。

そして、若者に届けるためにこのようにTwitterを使ってプロモーション展開しているのかなと。今後は、InstagramやTikTok、YouTube等にも力を入れていくと予想されます。

2. ハッシュタグ数とRT/引用RT数&いいね数との相関

次に、当該期間(※1)におけるハッシュタグ数とRT/引用RT数&いいね数に相関がないか見るために、それぞれを比較してみました(以下、横棒グラフ)。

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合計ハッシュタグ数
2020年12月19日〜2021年1月9日の間に、該当ハッシュタグがツイートされた数
RT数(※2)
プロモトレンドに使用された元ツイートのRT数
引用RT数(※2)
プロモトレンドに使用された元ツイートの引用RT数
いいね数(※2)
プロモトレンドに使用された元ツイートのいいね数
※2 RT/引用RT数&いいね数は、プロモトレンドが実施された日から2〜3日後に測定。
※3 1月1日は同日に複数プロモトレンドがあるため、上記RT/引用RT数&いいね数は見ないことにした。
※4 いいねやRTが1万を超えると数値表記が飽和するため、1.2万は12,000とした。

ハッシュタグとRT/引用RT数&いいね数の相関を以下のように分類した。

① ハッシュタグ数も多い、RT/引用RT数&いいね数も多い
#乃木坂46LIVEIN荒野
#ボートレースCM

上記は、1で解説した通り。事前のティザー期からプロモトレンド当日にかけて施策を展開。また今後を見据えた仕掛けも実施している。

② ハッシュタグ数は少ないが、RT/引用RT数&いいね数どちらも多い
#全裸監督 、#ワンピースキャラ世界人気投票

全裸監督は、全裸監督お馴染みのセリフをツイート内容に含め、第2シーズンが放送されることをプロモトレンドで告知した。

コアなファンの喜ぶ声もあったり、性的なコンテンツのため否定的な意見もあったり。キャンペーンではないにも関わらず、多くのRTといいねが押されていた。

週刊少年ジャンプ掲載のONE PIEACE(1月4日発売)が、1,000話を達成したことを記念し、プロモーションの一環としてプロモトレンドが展開された。

個人的には、1月4日のプロモトレンドが空いていたので、ジャンプの発売日と合わせて1月4日にプロモトレンドを仕掛けてもよかったのかなと。

ただ、1,000話記念コンテンツを色々と展開しており、いらすとやとのコラボであったり、

自分の年齢とともにONE PIEACEの歴史を振り返るMyログジェネレーターであったり、

1,000話を記念した全体プロモーションは大きく盛り上がっていた。

このハッシュタグがより広がるアイデアとして、1,000話を目指して、「#ワンピースキャラ世界人気投票」のハッシュタグを先出しし、ジャンプ掲載時の話数のカウントダウンをするティザー期を作ってもよかったかもしれない。

ジャンプ連載作家に協力してもらい、連載作家の皆さんにもカウントダウンとともに一足早く人気投票してもらってもよかったかもしれない。

③ ハッシュタグ数は少ないが、RT/引用RT数は多い
#あなたがめちゃ漫画読みたい瞬間

RT数が1.2万と多い理由として、フォローRTキャンペーンを主としたプロモトレンドだったため。

アカウントフォロワー数を増やして、お得な情報を訴求したり、サービスユーザー数を増やすことが本プロモトレンドの目的だと推測される。

「#ボートレースCM」同様、また2020年のプロモトレンドでも見かけたが、新CMの公開と一緒にTwitterでプロモトレンドを実施するのが一種のトレンドのように感じた。

単純な多重接触ということもあるし、TV番組のCM中に、ふとTwitterを見ていたら、このプロモトレンドに接触して、そのタイミングでTVでも同様のCMが流れているのを耳にしたら、「あ、これのことか、、へ〜キャンペーンやってる。」みたいなことになるのかなと。

④ ハッシュタグ数は少ないが、いいね数は多い
#BlackToneEdition

主に、車好きがこのプロモトレンドに反応。新年なので、車を買い換えるチャンスと思い、こうした認知広告をしているのかなと。
本施策の目的は、完全に認知に振り切っているということでしょうか。

いずれにしても、車は関与度が高い商品なので、Twitterの施策1つで車がめちゃ売れるということはないと思います。上記ツイートも公式サイトに促していると思うので、サイトをまずは見てもらうことが大事なのかなと思いました。

もしかしたら、新年に向けてサイトを新しくしたのかなと。その意味で、新しいサイトに訪れてもらうためのプロモトレンドだったかもしれません。

3. まとめ

プロモトレンドを詳細に見ていくと、いつからそのプロモトレンドを準備していたのか、どういった施策の傘の中で使用されているのかといったことがわかりました。

プロモトレンドがキャンペーンになっていなくても、熱狂的(コア)なファンがついているコンテンツであれば、RT数やいいね数が多いことも新たな発見です(#全裸監督、#BlackToneEdition)。

ま今年はハッシュタグ数とRT&いいね数の相関も追いかけていくことで、目的に応じた施策のフレームを確立できるのかなと思っています。

もちろん、ハッシュタグ数やいいね数を増やすことが目的ではなく、そのサービス認知や購買に繋がることが本質的なわけで。
いずれにしてもプロモトレンドはプロモーションの打ち手の1つでしかないので、全体のそもそもの目的を達成するためにプロモトレンドがどう寄与するかが大事だと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!


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