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妄想随筆集

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その名の通り時々妄想が入る随筆集
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2023年3月の記事一覧

回転扉とロッキー。

先日、あるお店の退出時の出来事。 お会計を済ませてお店を出ようとすると、前にいたおばあさんがお店の回転扉の前で立往生していた。 シックで若干年季の入った感じがするが、しっかりと自動で回る回転扉。 店員がすぐに駆け寄り回転扉の速度を落としておばあさんをエスコートしていたが、おばあさんは扉に入ったもののそこから上手く外に出られずそのまま1周して戻ってきた上、急に立ち止まってしまい後ろに迫りくる扉にぶつかってしまった。 慌てた店員の気遣いをよそに、「年寄りには難しい作りねぇ

結露を拭くと。〜貨物列車の記憶〜

貨物列車が好きだ。 駅の待ち合わせなどで時折あれを見ると里帰りの旅路の記憶が蘇る。 生まれは東京だが幼稚園に上る前まで青森にいた。 その後、8月のねぶた祭りに合わせて母親に連れられ里帰りをしていた。 確かそれは高校受験が始まる前まで毎年欠かさず帰っていたと思う。 鉄道少年ではなかったが、列車に乗るのはとても楽しかった。 そして、毎度の里帰りで乗っていた列車がまた良かった。 ブルートレイン、いわゆる寝台特急である。 今は無き上野発の夜行列車。12時間かけて青森を目指し