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アート

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アート散策の記録。
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上野の印象派展へ。好きな写実画を前に不意にうなずき、ため息。作品数は少ないもののウスター美術館はとても質が高い。リフレッシュ。

ゴッホ展へ。

ゴッホ展に行ってきました。 上野の東京都美術館。 予約が取れたのは土曜の夕方最終枠である16時30分。 観覧できたのはショップのお買い物時間を含め1時間。 若干駆け足での周回となりました。 オランダのクレラー・ミュラー美術館所蔵の作品を中心に、 あとはファン・ゴッホ美術館の収蔵品も出展されている今回の展覧会。 ゴッホ展自体は定期的に開催されていることから、人気は未だ続いていることを改めて実感できます。 糸杉で有名な「夜のプロヴァンスの田舎道」や太陽の黄色が眩しい「種

美術屋の頃の話。

先日、午前中に仕事を済ませるとそのまま午後休を取り喫茶店で一服していた。 平日の五反田の喫茶店は自分と同じようなサラリーマンのサボり処か、奥様方の座談会でだいたい席が埋まる。 家庭内別居の話題で盛り上がる奥様方の席上には、牧草地帯の風景画の複製が飾られている。 ふと、美術の仕事に携わっていた時代の頃を思い出す。 20代の半ばから30の手前まで、いわゆる美術品仲介業の会社で働いていた。 顧客から預かった作品を競売に掛け、落札手数料・保険代で収益を出す。 最初は設営スタ

真夏のアート散策。~松岡美術館・東京都現代美術館~

「ごきげんよう。」 一昔前の市井のあいさつは、こんな暑さでも上品なものだったのだろうか。小津安二郎作品に出てくる日傘を差したお嬢さんはもう何処にもいないのか…。 連日の酷暑で30度でも涼しいと感じてしまう肌感覚が異常だとだんだん気付かなくなる。 ある朝。 窓を開けると既に夏蝉が満を持してシーシーと鳴いている。 銀行に行く以外に特に予定のなかった1日。 温度計を見ると既に32度。 「このままでは脳が暑さで思考停止してしまう…!」と危機感を感じた私は、うだるような暑さか

真冬のアート探訪~森アーツセンターギャラリー・麻布台ヒルズ~

のらりくらりと日々をこなしていたらあっという間に年末を迎えてしまった。 このまま寝正月に突入してはいけないと思い、 年末調整もやり遂げたご褒美に冬のアート探訪を行うことを決意。 今年の美術展巡りの総決算の意味合いを込めて回った。 雑踏を掻き分け東京の繁華街に降り立つわけだが、クリスマスムードをこれでもかと押し付けていたコロナ渦以前の同時期に比べたら比較的落ち着いているように思える街並み。 現在開催中のキース・へリング展へ足を運んだ。 キース・ヘリング展 アートをストリ