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20220420


 小川洋子さんの『琥珀のまたたき』を読み返す。
 どうして誰も、このお母さんを救えなかったんだろうか。魔犬の物語を生み出すしかなかった母親が何よりかなしすぎて、うなだれてしまう。小川さんの物語は美しいけれど、深いかなしみがじくじくと広がっていく。指の隙間からこぼれ落ちてしまった人や物が閉じ込められている。
 ニュースを見ていると、世の中にはいろいろな仕組みとか制度があって、新しくつくられたりもして、でも本当に救わなくてはいけない存在というのは、そこからするりと抜け落ちてしまうものなんだよなあ、ということをよく考える。

 買い物の帰り、つばめが八の字のように飛んでいた。きゅっと低くなって少しだけ水をすくって上昇する。また低くなって……を何度も繰り返していた。水浴びをしているんだろうか。
 買ってきた野菜の下処理や明日の弁当の準備など、やりすぎてしまわないように、ほどほどになるように予定を組んでいたのに、結局少し前倒しにして疲弊している。愚か。
 最近は毎日洗濯機を二回まわしている。夏物を出したり、冬物をしまったり。今日はとても乾燥している。晩ごはんには鮭を焼く。

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