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20220216 私を安らかにしてくれる言葉


 最近金縛りに遭いすぎる。気怠い。今朝はいつもより一時間ほどゆっくり起きる。朝ごはんも夫に自分で用意して食べてくれーと頼む。夫を見送って、洗濯を干して、自分一人分の朝ごはんを用意するのは面倒くさくて、おにぎりを一個作って食べた。昼も食べる気になれなくて、カフェオレとチョコチップクッキー。その前に野菜の下ごしらえなどを済ませる。晩ごはんはちゃんと食べられるように。ピーマンと人参の金平が美味しそうにできる。

 小川洋子『凍りついた香り』を読む。これは二度目。はじめて読んだのは去年か一昨年か。久しぶりに読むと、前よりずっとずっと好きだ! と思う。昔は同じ本を何度も読むなんてことはなかったけれど、今は好きな本は何度も読みたい。何度読んでも前は気がつかなかったことに気がつくし、前は感じなかったことを感じる。

「すべてはあらかじめ、決められているんです。あなたが何かを為したとしても、為さなかったとしても、その決定を覆すことはできません」

 この台詞が胸に響いた。「未来は変えることができる」とか「自分次第で何とでもなる」みたいな言葉と比べると、ネガティブで絶望すら感じる言葉のようなのに、私にはとても安らかに沁み入った。
 小川さんはよく、辛いことがあった時、人には物語が必要、というようなことをおっしゃっているのだけれど、この作品にはそれが色濃く出ているように(勝手に)思う。何が真実なのか虚構なのか、現実と過去が曖昧に混ざり合っているような世界が、私を安らかにしてくれる。

 今日は寒い。空気を吸うと、体の中がひんやり透き通るみたい。

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