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無題
女優の松原千明さんの訃報を知った
その昔、彼女が娘さんを連れてハワイに移住するというニュースをリアルタイムで見たことも憶えている。
ある記事にこう書かれていた。
『元夫は再婚し、子供にも恵まれ新しい家庭を築いている。娘さんも合流して家族団欒の写真を見るのは寂しかったと漏らされていた』と。
なんだか痛いほどその気持ちが理解できて泣いた。
同じく外国に住む身の上で、
彼女は望んでハワイに行ったと見られていたけど、決して幸せな出来事で移住した訳ではない。
長い年月の中で異国に住む諸々の辛さが有っただろう。
祖国以外の暮らしはシンドイ
言葉や文化、風習の壁。
自分のルーツから離れ、血の繋がりや昔からの交友関係から遠い場所で生きること。
カップル社会が当たり前で、パートナーがいて幸せそうに手を繋いでいる人が多い。
そういう環境で、独りで在ることのジワリとするしんどさ。
飛行機で何処にだって行ける時代、自由に行き来できるわよ!と思っていたら、世界中が暗転した様な騒ぎになってしまったこの数年間。
いろいろなことが降り積もって当たり前なのかも知れない
◇
最近ずっとモヤモヤしてることがあって、でも記事にも書けないでいたことが有る。
友人から言われたことが、小骨の様に引っかかっている。
共通の知り合い(Yさん)が今離婚調停中なんだけど、酷い男で妻だったYさんに全ての非が有ると訴え、子供達にもとても悪影響を与えている。養育費も払っていないらしい...
「そんな男もいると思えば、Dさん(私の元夫)はまだマシっていうか...じゃない?」
Dは私の悪口を子供達に言ったりはしないし、養育費もちゃんと支払っている。
彼の収入に応じて相場よりもちゃんと払っていると思う。だから私が経済的にドイツで困ることはない。
私達は争っている訳ではないし、困ったことが有れば手を貸してくれる。
きっとずっとYさんより恵まれてる。
松原さんは元夫から高額な養育費と慰謝料を得て、ハワイで経済的には何不自由なく暮らしておられただろう。
“夫がスキャンダルを起こしたからって、ハワイに逃げれてイイわよね”
って当時からそんな口さが無い意見が有ったことも覚えている。
その友人に悪気なく、どちらかと言えば私を励ますために言ってくれたのだろうって、気がついている。
でも....
以来、ヤルセナイ気持ちになる。
こんな風に書くのは不適切だって知ってるけど、
それって、
焼死と水死とどっちが酷いか
くらい、的外れに聞こえる。
一生懸命愛したひとがなぜ自分を裏切り傷つけるのか?
っていうところが私にとって苦しさの大部分だった。
円満に子育てに協力すればするほど、手助けしてくれればくれるほど、
“でもなんでこんな事になちゃったんだろう?”
と感じてしまう。
自分の何かが悪かったからか?
あの事が、こういう事が原因だったかも?
もし鬱になってなかったら?
同じ船に乗ってると思っていたのに気がついたら、向こうはとっくに下船して違う船に乗っている...そんな感じ。
愛していたからこそ辛い
愛の残骸を見続けること
亡霊のような相手と関係が切れないこと
子供達がそばにいる時は自分ひとりで大変で、疲れる。
向こうの家に行ってる間、自由なんだけど “一体私はここで何をしているのか?” という自問の声でしんどくなる。
もちろんずっとそんなんでは無いけれど。
伸び伸び羽を伸ばすこともある。
子供達がいなくても、簡素だけどバランスを考えた食事を作り、猫たちの世話をして、掃除をして、運動もする。
ドイツ語の勉強もする。
そうやってルーティンを作ることで保てているけど、それが難しくなる時もやっぱりある。
こんなnoteを読んで頂くのは心苦しい。
特になんの帰結も無い話だ。
「足りない所を見るのでは無くって、足りている所、既に手にしているものに感謝しよう」
そう言うし、そうなんだって思うけど、それじゃあなぜ日本のように恵まれた国で、こんなにも自死が多いのかな?
って、いつも考えていた。
特に何十年も内戦をし国がズタズタになったリベリア(西アフリカ)みたいな国に、終戦後直ぐに行ってより強く思った。
なぜ?
アッチが良い
こっちの人は恵まれて
貴方は幸せだ
貴方は不幸でしょう?
って簡単に言っちゃいけない、って事しか解らない。
せめて想像することをワタシは忘れたくない
そう思って今夜は眠ろう
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追記
娘さんが自責の念に駆られていなければいいなと、強く思う。お父さんに会うのは当たり前の事だから。
父娘の交流を絶たなかった千明さんは、人としての器が大きく愛情も深くって、だからこそ傷ついてこられたのだろう...
ご冥福を心からお祈りいたします。
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