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Seven Questions#10 デヴィッド・ベレス(Nubank)

原文はこちら ※原文は2018/8/15のものです
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デヴィッド・ベレスはブラジルを代表するデジタルファイナンス企業であるNubankの創業者兼CEOであり、セコイア・キャピタルの元パートナーでもあります。彼が初めて投資をしたのは彼が12歳の時で、誕生日のお金と夏の仕事で貯めたお金で牛を買ったことでした。その牛は最終的に6頭になり、スタンフォード大学に行くために売却しました。


Q1. あなたがこれまで学んできたことの中で、日々大事にしていることはなんですか?

私は毎日カレンダーに考える時間を入れるようにしています。1日が終わりのないアポイントメントとミーティングでいっぱいの時は、積極的ではなく受動的になってしまいがちです。自分のスケジュールに人質にされているようなものです。1日の終わりには完全に燃え尽きてしまうこともありました。来週のことや来月のこと、次の四半期のことを考える十分な時間を過ごすことができていませんでした。

今は朝に1時間、午後にもう1時間ブロックするようにしていて、その間はSlackをオフにし、メールもチェックしません。本を読んだり、日記を書いたり、散歩に出かけたりします。今となっては1日の中で最も重要な時間になっています。私が最もクリエイティブであり、会社の新しい方向性を考えついたりするような時間です。例えば、今年の初めに中国の金融サービス業界についての資料を色々と読んでいた時、いくつかのチームを率いて実際に現地を訪れてみることを決めました。その旅は結果的に革新的なものとなりました。その旅で学んだことの一部に基づいて、Nubankは今全く違った戦略を掲げています。


Q2. 起業する人に何か一つアドバイスをするとしたら、どんなアドバイスをしますか?

大抵の人が大変だと思うことをしなさい。あなたが始めたことを誰かに伝えた時、彼らが「本気でそれやろうとしているの?大変すぎるよ」とリアクションするようなことです。

私がNubankを始めた時もちょうど同じようなことを言われましたが、それは良いことだと思います。もし簡単なことをしようとすれば、2ヶ月後には5つの企業が同じことを始めるでしょう。しかし、もしあなたが最初のうちは難しいことを始めれば、その最初の挑戦を乗り越えればすぐにあらゆることが楽になります。他の誰もが難しすぎると感じているので、競合の数も減るでしょう。優秀な人の採用も楽になるでしょう。なぜなら優秀な人というのは難しいことをするのがするのが好きだからです。そして少ない競合の中より優秀な人を得れば、資金を得るのもより楽になります。


Q3. どんな小さな変化が、あなたの人生に大きな違いを生みましたか?

仕事場の近くに引っ越したことです。私はブラジルのサンパウロに住んでおり、以前は毎日1時間かそれ以上、ただ車に座ってイライラを感じながら通勤していました。時間の無駄でした。

今では私の通勤時間は徒歩で6分です。それ以来私は、家族と過ごしたり仕事に費やせる時間を取り戻しているし、それは私の精神状態に非常に良い影響を与えています。歩いている時間もとても良い時間です。たまにもっと長ければ良いのにとすら思います。


Q4. あなたが知らないことで、知りたいと思うことは何ですか?

Nubankで私が一番使っているプログラミング言語であるClojureについてもっと知りたいです。もしそれができれば、私たちが解決しようとしているより複雑な課題についてもっと理解できるし、優先順位をつける際ももっと良い問を立てることができるようになると思います。私は会社の開発サイドの人たちとそれくらいのレベルのコミュニケーションが取れるようになりたいですし、彼らもそれを喜んでくれるのではないかと思います。

いくつかのオンライン授業を受講したり、少し前に実際にClojureで少しプログラミングをしましたがそれでは不十分です。いつかのタイミングで、また深く学びたいです。


Q5. 今あなたの枕元にある本はなんですか?

とてもたくさんあります。私は読みたい本のリストを作っていますが、それは増え続けています。今はレイ・ダリオの『Principles: Life and Work』や、ウォルト・ディズニーの伝記、アンドレ・アガシの『Open』、ナシーム・ニコラス・タレブの『Antifragile』を読んでいます。

『Antifragile』は読み始めたばかりです。反脆弱性のコアとなる考え方は、脆弱性の対義語は壊れないことではないということであり、それはストレスや失敗が実際にはあなたをより強くしてくれる状態のことです。自然界にはそのような例がたくさんありますが、私はそれが何か困難なことをすることに結びついているのが好きです。私たちのチームは、”No”という言葉を聞くとより物事を推進したくなるようなチームです。

それから、ユヴァル・ノア・ハラリの『Sapiens』と『Homo Deus』も読み終えました。『Sapiens』は人類が今に至るまでどのように進化してきたかを追体験することができ、『Homo Deus』はそのさらに先を見ることができます。それらの本には興味深い詳細がたくさんあります。例えば、人類は過去1万年間、夜通し眠り、昼に起きていたわけではないという事実などです。彼らは3時間眠り、3時間起きるのを繰り返していたというのです。当たり前とみなしていた小さなことの歴史について考えるのは面白いです。


Q6. あなたが、自分が何かについて間違っていると気づいたのはいつですか?

会社を作ってからの最初の数ヶ月、私は社員全員に朝の8:00までに出社するように言っていました。私はそれを皆のコミットメントを試すテストとみなしており、そのルールに対して非常に厳格でした。

しかし、それはチームにとって負担になっていました。人は皆違ったスケジュールで行動しており、社員の何人かは2時間以上かけて通勤していました。最終的に、共同創業者のうちの1人が私のもとにやってきて精度を考え直すように促しました。私は自分で優秀な人を雇っていながら、初日から彼らを信用していなかったのだということに気づきました。

たとえ制度を守ることに非常にエネルギーを割いていたとしても、その制度を変える時は、私は成り行きに任せてしまいます。自分でも、考えを変えることに対して全く抵抗がない人間だと思います。気軽に考え直すためにも、そういった柔軟さを持つことは重要です。それも学習の一部です。

あなたがNubankの社内を歩き回ることがあったら、居眠りをしている人や映画を見ている人がいるのに気づくかもしれません。会社には自由時間を過ごすことを伝える基準とプロセスがあり、私が作った恣意的なスケジュールではなく各自の自主性にフォーカスしています。


Q7. あなたにとって最も重要な時間の単位は何ですか?またそれはなぜですか?

私にとって重要な時間の単位は「週」です。進捗を測る時は週単位で行うことが多いです。1週間は何か重要な仕事を終わらせるには十分な期間です。私は会社が目指す重要なゴールのリストとそこにたどり着くまでに起こさなければならないアクションのリストを持っており、毎週何度かそのリストに目を通しています。毎週金曜日に家に帰る時、私はそのリストを消化し、針を進められているかを確認します。大抵それは達成できているので、いつも月曜日がきて次に何をするのか確認するのが待ち切れないほどです。


Hard-won advice(努力して得た教訓)

1. Do something hard(困難なことをしろ)
2. Trust your team(チームを信じろ)
3. Set aside time to think(考えるための時間を確保しろ)


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