Seven Questions#14 ステファニー・ジャン(Sequoia)
原文はこちら ※原文は2018/9/12のものです
セコイアにおけるアーリーステージ企業のパートナーの1人として、ステファニー・ジャンは人工知能、輸送、ソーシャル・メディア、エンターテインメント、ゲーム事業、D2Cブランド、小売など、多くのカスタマーや新技術にフォーカスしています。香港、北京を行き来しながら育ち、スタンフォード大学でコンピューター・サイエンスを学んだ彼女は、常にテクノロジーと文化が交わる点に興味を持ってきました。
Q1. あなたがこれまで学んできたことの中で、日々大事にしていることはなんですか?
夢想家であることです。私はミーティングに参加する時は、会社がどのように成長しうるのかということについて常に前向きであるようにしています。このチームはどんな未来を作り出すのか?私はどんな未来に生きたいのか?私はセコイアの一員として、どんな未来の創造に貢献したいのか?会社がダメになるきっかけなどいくらでもあります。なので疲れたり、悲観的になることは簡単です。しかし、最も重要なことは変化に対して常に受容的であり、リスクを認識しながらも会社の精一杯の可能性を想像することです。
Q2. 起業する人に何か一つアドバイスをするとしたら、どんなアドバイスをしますか?
「なぜ今なのか?」「市場やエコシステムの中で何が変化したことで、このユニークな機会を可能にしたのか?」「なぜ3年前や3年後ではこれを生み出すことができないのか?」と言ったことを自分に問いかけてください。もしあなたが、テクノロジー領域で今現在成功している大企業の真似をしているなら、そういった企業は既に重要な成功要因において大きなアドバンテージを持っています。それは技術優位や消費者行動における社会的、文化的な変化、しばしばそのどちらもです。UberはモバイルとGPSを成功要因として利用しました。そしてインスタグラムも、スマートフォンのカメラと帯域幅の増加、そして消費者が彼ら自身や彼らの生活について共有することへの心理的障壁の低下をうまく利用しました。
今日では、数多くの「なぜ今なのか」が新しい機会を可能にしています。
コンピューター映像の進歩やNLP、そしてロボティクス。また、特別なAIハードウェアへの需要の高まり、インフルエンサーの増加、新しいプラットフォームとしてのARやVR、簡易動画の台頭、仮想通貨、eスポーツやゲーム人口の増加、テレビを解約し人々がソーシャルビデオプラットフォーム上で過ごす時間の増加などです。
Q3. どんな小さな変化が、あなたの人生に大きな違いを生みましたか?
自分の時間の完璧な主導権を握り、それが私の持つ最も貴重な資源であると気づいたことです。以前は全てのことに対してYesと言っていました。私は全てのことをやり切って、あらゆる場所に顔を出そうとしていたのです。しかし最近になって、私が会いたい人や学びたい新たな分野など、自分の時間を投下すべき適切な物事を見極めることを学びました。
これはFOMO(Fear of missing out)、すなわち「見逃すことへの恐怖」とは対極にあります。それよりかはJOMO(Joy of missing out)、つまり「見逃すことを楽しむ」という方が合っています。私はようやくその意味が理解できたのです。私は日々の生活にもっと余白を作り、一歩引いて内省し、より思慮深い人間で荒れるようにしています。「JOMOを楽しもう!」というのが私の新しいスローガンだと言えるでしょう。
Q4. あなたが知らないことで、知りたいと思うことは何ですか?
インターネットの黎明期やドットコム・バブルの最中を生きたかったなと思います。歴史を通して知ることも一つですが、実際にその浮き沈みを体験するのとは全く違うと思います。もちろん、その代わりに私は、より自由で、大胆不敵で、想像的に未来を夢見ることができていると思います。
Q5. 今あなたの枕元にある本はなんですか?
最近ちょうど『Hitmakers: The science of popularity in an age of distraction』という本を読み終えました。この本は、「人々に愛されるプロダクトを作る秘訣とは何か?」「なぜ似たようなアイデアでも一部は失敗し、一部は大ヒットするのか?」という2つの問いに対する興味深い探究について書かれた本です。これは大きな文化的ヒットを生み出すことに興味がある人は誰でも、必読の一冊です。
1つの示唆は、大抵の消費者は、新しい物好きであると同時に新しすぎるものを嫌うということです。ベストヒットを生み出す人は、新しいものと古いもの、不安と理解を融合させることで、新しい概念を生み出す才能を授かっているのです。要するに、彼らは親しみの持てる驚きを生み出す建築家のようなものなのです。
もう1つの優れた示唆は、多くの文化的成果において、芸術そのものが消費に値する唯一のものだったわけではないということです。つまり、あなたが見聞きしてきた芸術について語れるようになることは、それ自体が報酬なのです。このような消費者はただ商品を買うわけではありません。本当のところ、彼らは流行の会話に参加する機会を買っているのです。流行とは商品なのです。
Q6. あなたが、自分が何かについて間違っていると気づいたのはいつですか?
私は以前、人生のあらゆる瞬間に対して計画を立てることが好きでした。次の5年や20年がどのようになるのかを知ることがとても好きだったのです。しかし、香港と北京で育ち、スタンフォード大学に通い、もしくはGoogle MapやGoogle Nestの開発をする中で、私は一度たりとも自分が今セコイアにいるだろうとは考えもしませんでした。今では、人生で最良の出来事はしばしば予測不可能であるということを学びました。だからこそ、新しい出会いや機会に対して積極的であり続けることが大切なのです。未来に何が待ち受けているかは、決して知ることができません。
Q7. あなたにとって最も重要な時間の単位は何ですか?またそれはなぜですか?
私にとって最も重要な時間の単位は「1日」です。新しいことを学ぶにしろ、手法を生み出したり構築するにしろ、人間関係を作ったり強めたりするにしろ、毎日は私たちが自らの時間を投資する新しい機会なのです。誰しも良い日もあれば悪い日もあります。幸運なことに、毎日が心機一転です。一日一日を大切にすることが、私たちの仕事なのです。
Hard-won advice(努力して得た教訓)
1. Embrace the unexpected(不確実性を楽しめ)
2. Spend time thoughtfully(思慮深く時間を過ごせ)
3. Ask, "Why now?"(「なぜ今なのか」を問え)
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