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Seven Questions#8 アルフレッド・リン(Sequoia)

原文はこちら ※原文は2018/8/1に公開されたものです

アルフレッド・リンは、パートナーとしてセコイアにやってくる前はZapposのCOO兼CFOとして会社の売り上げを3億ドルから16億ドルまで成長させました。彼は一度少しだけビジネススクールに通うことを考えましたが、代わりに「スタートアップで3か月間働いて、より多くを学ぶのが良い」というマイケル・モリッツのアドバイスを聞いて、それ以来スタートアップと働き続けています。会社のサポートをしていない時、彼は現在までに22の州で32のレースが行われているマラソン大会で、全ての州のマラソンに参加する挑戦をしています。


Q1. あなたがこれまで学んできたことの中で、日々大事にしていることはなんですか?

ジェフ・ベゾスは意思決定をタイプ1とタイプ2に分けるというフレームワークを使っており、私も良くそれを使っています。タイプ2の意思決定は、道に合わせて調整し、コースを修正しできる意思決定なので、素早く行動したいときに用いられます。一方タイプ1の意思決定は、一度ドアを選んでくぐってしまったらもう後戻りはできない意思決定です。多くの人は未だにタイプ1の意思決定を早く下そうとしてしまいますが、同様に自身の選択がどのタイプなのかを深く考える必要があります。

会社とパートナーシップを結ぶのはタイプ1の意思決定です。もしうまくいけば10年かそれ以上の付き合いになりますが、うまくいかなかったときは最低でも数年しか続きません。私は、素早く動こうとするだけでなく、タイプ1の意思決定に対してしっかり思慮を重ねるようにしています。


Q2. 起業する人に何か一つアドバイスをするとしたら、どんなアドバイスをしますか?

炎のような情熱と氷のような冷静さをどちらも持っている必要があります。個人としてであればどちらか一つは持っているかもしれませんが、チームとしてはどちらも必要です。あなたは他のすべての人が間違えている重要な問題を解決したいという燃えるような欲求を持ちたいと思いつつも、冷静に、落ち着いてうまく実行したいとも思っています。もしあなたの会社が常に次の新しいことに対して燃えているが、実際には何一つとして完遂できていない場合、炎は持っているが氷は持っていないということです。

競合優位性を育て、実行し、勝利するためには、現実に対する冷静な思考と、最も重要ないくつかのことに集中して洗練されたアプローチをする必要があります。それこそがアマチュアとプロの違いです。どちらもスポーツを愛していますが、アマチュアは勝敗を分ける特定の珍しいプレイの習得に執心します。一方プロは、そういった珍しいプレイから学びつつも、核となるスキルや残りのキャリアで一貫してパフォーマンスを出し続ける方法にフォーカスします。


Q3. どんな小さな変化が、あなたの人生に大きな違いを生みましたか?

Zapposでは、私たちは毎日1%でも改善し続ける力を説いていました。正確には、日々の小さな改善を組み合わせる力です。大きな変化を生み出すのは気が遠くなるほど大変ですが、小さな変化は誰でも起こすことができます。そのような小さな変化を、もし全て合わせることができれば、いずれは大きな変化を生み出すことができます。簡単な算数です。もし1年の初めに1ドルからスタートして、毎日1%ずつ積み重ねることができれば、1年の終わりには37ドル以上手にすることになります。同じ原理は、Zapposの配送センターの処理の改善から事業の改善、健康の管理、学習方法まで、他のあらゆる小さな変化にも当てはまるのです。

あなたは、この積み重ねの力を、子どもたちがどのように素早く学び、またそうした学びをどのように次に生かしているかに見ることができます。私は息子が生まれてからのそのプロセスにすっかり魅了されました。彼はあらゆる物事をランダムに結びつけます。最近、私は彼に「完璧は練習から生まれる」ということを教えましたが、彼はそれに対して「完璧な人なんていないよ。それを言うなら『成長は練習から生まれる』だよ。」と返しました。もっと言えば、「成長は考え抜かれた練習から生まれる」と言えるでしょう。


Q4. あなたが知らないことで、知りたいと思うことは何ですか?

世界には興味深いものであふれており、それらについてもっと知りたいです。私は常に数学と科学に対する好奇心を持ってきましたが、私たちがここ最近投資しているような、AIやディープラーニングといった特定の領域について強いバックグラウンドを持っているわけではありません。私は生物学や遺伝子操作のワクワクするような進歩、もしくは量子コンピューターの仕組みについてもっと知りたいです。他にも、AIやクラウドを動かす半導体や、気候についても知りたいです。いくらでも言えます。

アートやクリエイティブ領域の全く異なるカテゴリーの物事も学びたいと思っています。妻のレベッカは物理学者で、アニメーターでもあります。以前はディズニーTVでストーリーボードの作成をしていました。彼女が両方の脳を使っていることに私はいつも嫉妬しています。私はたいてい片方の脳しか使っていませんから。とはいえ、何かを学ぶことに足りないことなどありません。なので、私は毎日新しい何かを学ぼうとしています。


Q5. 今あなたの枕元にある本はなんですか?

私は枕元に本は置きません。あるのはKindleだけです。最近はウォルター・アイザックソンの『Ben Franklin: An American Life』を読んでいます。レイ・ダリオの『Principles: Life and Work』も読んでいます。ブライアン・クリスチャンとトム・グリフィスの『Algorithms to Live By』、クリス・ヴォスとタール・ラズの『Never Split the Difference』、アダム・ラシンスキーの『Wild Ride』は最近読み終えました。仮想通貨については学ぶべきことがたくさんあるので、ジャック・ウェザーフォードの『The History of Money』も読んでいます。私は、今現在我々が目にしているもののどれほどが真のイノベーションと呼べるのか、また仮想通貨やブロックチェーンが受け入れられるためにどれくらい進化する必要があるのかを理解したいと思っています。気晴らしに、ジョン・カレイロウの『Bad Blood』もパラパラ読んでいます。今後はエルネスト・フリーバーグの『The Age of Edison』、ウォルター・アイザックソンの『Einstein: His Life and Universe』を読むつもりです。


Q6. あなたが、自分が何かについて間違っていると気づいたのはいつですか?

セコイアでは、私たちはあらゆる種類の失敗をしています。時には私たちが投資した会社がうまくいかないこともありますが、それは素晴らしいな会社へと変化していく上では大した問題ではありません。Squareと Front、そしてDoorDashには他の会社の中でももっと早く投資しておくべきでした。AirbnbとDropboxのシード期への投資は正しい判断だったと思います。壮大な機会を逃してしまうコストは、うまくいかなかった投資で金銭的に損をするコストよりもはるかに大きいです。計算されたスイングをたくさん振れるようにバッターボックスに立ちたいものですが、バットを振ることとミスをすることはそこから学べているうちは失敗ではありません。

自分たちが失敗をしたと悟ったときは、できる限り早く修正するようにしています。私はセコイアに入社する前にそのことを身をもって体験しました。

ビジネスの世界というのは謙虚なもので、いくつかの鉄則しかありません。正しいことをしてお金を失うこともあれば、間違ったことでお金を稼ぐこともできます。日々間違いは起こります。間違えたことを受け入れず、直そうとしなければ大成はできないでしょう。失敗することは罪ではありません。本当に罪なのは、失敗を受け入れ、直そうとしないことです。


Q7. あなたにとって最も重要な時間の単位は何ですか?またそれはなぜですか?

その質問には3通りの答えがあるかもしれません。一瞬と、章のような長さの期間と、一冊の本のような長さの期間です。息子が生まれたとき、友人が「日々は長く、年月は短い」という古い格言を教えてくれました。ある程度までは、一瞬一瞬に価値があります。なぜならその一瞬は決して取り戻せないからです。時の流れに身を任せてはいけません。

その後は、もう少し漠然とした時間が重要になります。それは1年かもしれないし、10年かもしれません。完成した章のように感じられる期間、つまり大きな節目として振り返ることができる期間であれば、どのような期間でもよいのです。うまくいけば、その節目に達成感を感じたり、少なくとも、学んだことを今後の章に生かすことができると感じられるでしょう。

そして、人生の終わりには、あなたの本はやりがいのある旅路を懸命に戦った人の物語を伝えてくれるでしょうか?あなたの人生は、誇りをもって共有できるような、目標を達成した意義のある物語だったでしょうか?


Hard-won advice(努力して得た教訓)

1. Improve one percent every day(毎日1%の改善を積み重ねろ)
2. Take the swing(バットを振れ)
3. Admint and correct your mistakes(失敗を受け入れ、修正しろ)


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