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Seven Questions#15 スタンリー・マクリスタル(McChrystal Group)

原文はこちら ※原文は2018/9/19のものです

スタンリー・マクリスタルは、アメリカ軍隊の元大将であり、マクリスタル・グループの創設者でもあります。アメリカ軍隊とアフガニスタンの国際部隊の元司令官であり、現在は複雑なビジネス環境で競争するためのリーダー育成を行っています。


Q1. あなたがこれまで学んできたことの中で、日々大事にしていることはなんですか?

人間関係の強力な効果です。キャリアをスタートさせると、たいていの人は熟練の、効率的な人間であろうとするので、ほとんどの力を結果を出すことに注ぎます。「人」という存在を容易に忘れ去ってしまうのです。しかし、私は何年もかかってようやく、人間関係を構築し、維持することこそが私に最も大きな影響を与えてくれたことに気が付きました。最近では、その教訓が私に会社を設立するという道を教えてくれました。私のビジネスパートナーの多くは古い友人であり、私は彼ら全員が好きだし、信頼しています。正しい人間関係を築くことができれば、たいていの場合良い結果が得られることを学んだのです。


Q2. 起業する人に何か一つアドバイスをするとしたら、どんなアドバイスをしますか?

なるべく早くにコンセプトや考えを注意深く吟味することです。一歩引いて、起こりうる最も困難な状況を想像して、自分に「それでもなおこれは機能するか?」と問うのです。それが持ちこたえられないようなポイントを見つけ出してみるのです。どこにギャップがあるのでしょうか?事業を始める前に、その事業の潜在的な脆弱性を見つけ出すのです。そしてたとえ今の状態で安定していたとしても、それは永遠には続かないということを忘れてはいけません。事業は変わり、あなたは新しい要求のもと、また同じことをしなければならないでしょう。これは継続的なプロセスです。


Q3. どんな小さな変化が、あなたの人生に大きな違いを生みましたか?

私には2人の孫娘がいますが、彼女たちは言葉では言い表せないほどに私の人生を変えてくれました。一人は3歳で、もう一人は今9カ月です。彼女たちは私の家の近くに住んでおり、3歳の方の娘はすっかり私のバディになっています。彼女たちは、私が自由時間にすることに大きな変化を生み出し、さらに未来に対して全く新しい展望を生み出しました。これは絶対に予想できなかったでしょう。


Q4. あなたが知らないことで、知りたいと思うことは何ですか?

他の多くの人と同じように、未来のことを知りたいです。しかしまじめな話、私はファイナンスに関することは全然知りませんし、ビジネスに関しては致命的です。使う以上に稼がなければ、大変なことになります。軍隊においては、自分の使う武器の性能を知っておかなければなりません。砲兵がどのように弾を撃つのか、それはどのくらい正確なのか、また自分はどんな軍需品を持っているのか、これらのことを細部にわたって知っておく必要があります。これらは即断即決していくためにあなたが理解し、用いるシンプルな道具なのです。ビジネスにおいて、ファイナンスはこれらの道具と同等の価値があります。もしあなたがこれらの道具の使い方を直観的に知れていなかったり、それらの性能を深く理解できていなければ、こうした道具の効果を最大限発揮することができないのです。


Q5. 今あなたの枕元にある本はなんですか?

そこまで多くはありませんね。なぜなら、私は今リーダーシップについて自分で本を書いている途中だからです。私たちはこの本を一般的な経営書とは異なるものに仕上げたいと思っています。なので私は、本の中で12人からなる6組のリーダーたちを紹介しています。1組目は、フランス革命の先導者の一人であるマクシミリアン・ロベスピエールと、アルカイダの元リーダーであるアブ・ムスアブ・アッ=ザルカーウィーです。私はこの本を経営の戦略的な議論から引き離し、キャラクターやモチベーション、何が人のやる気をより引き出すのかという話にフォーカスするように作ろうとしています。

私はこの本を、『Pultarch's Lives』というドイツ人とローマ人の有名な伝記をモデルに書いているので、今はこれを読んでいます。私が趣味で読んでいるのは、ヒラリー・クリントンの新書『What Happened?』です。彼女は少々保守的なように思いますが、私が同じ状況だったら自分もそうなっていただろうと思います。


Q6. あなたが、自分が何かについて間違っていると気づいたのはいつですか?

私はこれまでに何度も失敗してきました。私が軍に入ってから10年目の31歳の時、私は中隊を指揮していましたが、当時の私は酷いマイクロマネージャーでした。例えるなら独裁者です。幸運なことに、周囲にいた人が私を矯正してくれました。彼らは私に向かって、「あなたのやり方では最高の組織なんて作れません」と言ってくれたのです。

そこから、私はより非中央集権的で、参加型のリーダーシップ構想に向けて考え始めました。私は、自分が指揮する人は自ら動ける人間でなければならないと悟りました。彼らがあなたがサポートしてくれると自信を持てば、組織の生産性は向上します。そのためには自分のエゴから身を引かなければなりませんが、私はそれでも自分はまだ指揮官なのだということに気づきました。それは、こまごまとしたことを全てこなすのではなく、環境を作るということです。私たちはそれを「目線を合わせ、背中を合わせる」と呼んでいました。


Q7. あなたにとって最も重要な時間の単位は何ですか?またそれはなぜですか?

私は1日という単位で物事考えるのが好きです。毎日がそれぞれ新しいチャンスです。毎日が、より組織化され、より生産的になり、優れたリーダーになるために、やるべきことをすべてやることができるチャンスなのです。

私がイラクにいたとき、私たちは合同特殊実働部隊で、ある政府機関出身の男と働いていました。彼がワシントンD.C.の本部に戻った時に言ったことが、ここでの話に関連しています。彼は我々の要求に対する本部の反応の遅さに苛立っており、こう言ったのです。「向こうのやつらが君たちに何かを頼んできたとき、君たちはカレンダーを見ている。だがマクリスタル将軍が現場で何かを要求した時、全ての人が時計を見ている。」


Hard-won advice(努力して得た教訓)

1. Get relationships right(正しい人間関係を築け)
2. Eyes on, hands off(目線を合わせ、背中を合わせろ)
3. Pressure-test early(早いうちに注意深く検討しろ)


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