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Seven Questions#5 ロエロフ・ボサ(Sequoia)

原文はこちら ※原文は2018/7/11のものです。

ロエロフ・ボサは2003年にセコイアに入社し、Eventbrite、Evernote、Instagram、Square、Tumblr、YouTube、Unityといった企業とのパートナーシップを主導してきました。彼はスタンフォード大学でMBAを取得している途中に、直感と会社への興味、そして家賃を払わなければならないという切実な思いから当時まだ新しかったPayPalのCFOとしてキャリアをスタートさせました。


Q1. あなたがこれまで学んできたことの中で、日々大事にしていることはなんですか?

「友人は増えたり減ったりするが、敵は増えるだけで減ることはない」ということです。セコイアでは、15~20人のメンバーだけで毎年数千もの会社とミーティングをしています。それはすなわち、自分たちへのネガティブな印象を生んでしまうリスクを犯しながら、数千の関係性を結んでいると言えます。彼らとパートナーシップが結べるかどうかに関わらず、私たちは常に、起業家に対して私たちが彼らと彼らのアイデアを尊敬しているということを知ってほしいのです。私は人とどう接するかに敏感で、人間関係がもたらす長期的な結果について考えています。私たちと出会った人は、良い経験であれ悪い経験であれ、自分たちの経験を他の人に伝えるのです。


Q2. 起業する人に一つだけアドバイスをするとしたら、どんなアドバイスをしますか?

市場にチャンスがあるからと言ってアイデアを作り出すのではなく、本物の、一人ひとりの問題に向き合う必要があります。

Squareは良い例です。創業者の一人であるジム・マッケルビーは、エンジニアであり同時にガラス器を作るガラス吹き工でもありました。彼はある日、アトリエで取引の処理がうまくできず売り上げを無くしてしまいました。それがSquareを思いついたきっかけでした。

あなたが個人的に解決したがっている問題に直面し、それを直観的なレベルで理解しているとき、あなたは起業するにあたっての具体的な課題に向き合う絶好の準備が整っているのです。


Q3. どんな小さな変化が、あなたの人生に大きな違いを生みましたか?

それは一つの小さな変化ではなく、変化のためのシステムのようなものですが、習慣の危険性と向き合うことが重要だと思います。習慣化を徹底的にに避けるべきだと言っているわけではありません。ルーティンは時に非常に効果的なこともあります。しかし、私たちは習慣によって最適ではない道にはまってしまうこともあるのです。

私は頻繁に自分のルーティンを見直し、「自分が達成したいことを達成できているか?」と自問しています。それは、私を本当に幸せにしてくれるものは何なのかを考える時間を取り、具体的なゴールを設定するということです。

高校生の時、私は自分の目標を部屋の壁とドアの内側の二か所に分かるように貼っていました。勉強につかれて顔を上げると、壁に貼った目標が目に入り、再び机に向かって勉強を続けるのです。それでも諦めて席を立ってしまった時は、ドアに貼ってある目標が目に入り再び机に戻ります。それは常に効果はを発揮するわけではなく、時には休憩も必要です。しかし、そのシステムは私に何に向かって努力しているのかを思い出させてくれました。


Q4. あなたが知らなかったことで、知っておければ良かったことはなんですか?

全てです!私の空想は全知全能で、以前『Groundhog Day(恋はデジャ・ブ)』を見ながらもし自分がタイムループにはまってしまったらと想像しましたが、もしそうなったら私は大学に戻って図書館にある全ての本を読むでしょう。

それはただ単に知識を得るということではなく、物事を深く理解するということです。真のインサイトを得るために、あなたは物事のベールを一枚ずつはがしながら、その核心に至るまで本質を理解しなければなりません。


Q5. 今あなたの枕元にある本はなんですか?

The Best American Science and Nature Writing』の2017年版がちょうど出版されましたが、私はそれを毎年読んでいます。全ての論文の重要だと思う点を書き留めてEvernoteに保存しているので、いつでも読み返すことができます。

もう一冊は、エリザベス・コルバートの『The Six Extinction』です。彼女は、この惑星が常に人間による絶滅の危険にさらされていると主張します。世界人口は増加し続けている中、地球の気温が人間が耐えられないほどまで上昇することはないとは思えません。読んでいると不安になるような本ではありますが、先ほども言ったようにこれは知識を得るということであり、我々の意思決定が長期的にどんな結果をもたらすのかについて考えることです。

ロアルド・ダールの大人向け短編物語集『The Best of Roald Dahl』も読んでいます。ひねくれていてとても面白いです。彼は、読者が失敗してほしいと思うほど卑劣な主人公の作り方を知っていますが、なかなかどうして、彼らを応援せずにはいられないのです。


Q6. あなたが、自分が何かについて間違っていると気づいたのはいつですか?

私はいつも間違えます。『スターウォーズ 最後のジェダイ』でヨーダが言っているように、「失敗こそが最も素晴らしい師」なのです。例えば、私がある投資判断において間違いを犯した時、私はその時自分がしたミスからはもちろん、私が予想できていなかったことからも学ぼうと努力します。私が予想できていなかった結果は何だったのか?一度心を決めてしまったら、以前検討していた考えに再び立ち戻ることは難しいです。しかしそれこそが、同じ過ちを繰り返さないための方法なのです。


Q7. あなたにとって最も重要な時間の単位は何ですか?またそれはなぜですか?

この質問の答えは、その人の年齢によって変わると思います。私が20代の頃、向こうの5年の計画など全く持ち合わせていませんでした。自分が何かやり終えているところを想像するよりも、新しい機会を追い求め続けることの方が優先順位が高かったのです。もしあなたが若いのならば、何か長期の思考をするなら3年スパンで考えるのが良いと思います。現実感が持てる程度の短さであり、かつ十分に意味のある進歩や大きな変化を生み出すことができる長さの期間です。もっと歳をとってきて初めて、5年や10年といった期間で考え始めることが意味を持つようになります。


Hard-won advice(努力して得た教訓)

1. Set specific goals(具体的なゴールを設定せよ)
2. Learn from what you fail to imagine(自分が予想できなかったことから学べ)
3. Avoid accumulating enemies(敵を増やさないようにせよ)


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