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Seven Questions#3 ダグ・レオーネ(Sequoia)

原文はこちら ※原文は2018/6/20のものです。

セコイアのグローバル・マネージング・パートナーとして、ダグ・レオーネはRingCentralやServiceNowなどの企業と提携し、中国やインド進出を主導してきました。彼はSun Microsystems、Hewlett-Packard、Prime Computerで技術職としてのキャリアをスタートさせ、1988年にセコイアに入社しました。


Q1. あなたがこれまで学んできたことの中で、日々大事にしていることはなんですか?

残酷なまでに自分に正直でいることです。
あらゆることは内面、すなわち「心の平穏」「成功への貪欲さ」「自律心」の3つから始まります。しかしそれには、自分が何者であり、そして何者でないのかを受け入れる勇気が必要です。私は私の限界、自分に何ができて、何ができないのかを理解しています。あなたが自分の弱さを受け入れれば、あなたの周囲にはあなたよりも優秀な人が集まってくれるようになり、より多くの人の利益が増していくことでしょう。

残酷なまでに自分に正直でいるという目標は、子どもの頃に培われました。私はイタリアで生まれ、一人っ子として甘やかされてきました。1968年に家族でアメリカに移住しましたが、それは信じられないほどの衝撃でした。言葉も習慣も何もかも学ばなければなりませんでした。つまり、最愛の子どもを連れて行って、その子がいつも叩きのめされてあらゆる侮辱を受けるような環境に置いたのです。
10歳の可愛い少年は15歳までの間社会的に大変な経験をしますが、それによって内なる心を持ちながら、外側は非常に鋭い人間になったのです。私は勝つための強い原動力を持っていましたが、同時に自分の限界も知っていました。


Q2. 起業する人に一つだけアドバイスをするとしたら、どんなアドバイスをしますか?

正しい理由のもとでそれをしなさい。すなわちあなたはそれによってインパクトを生み出したいのであり、世界を変えたいのであり、何百万という人に使われるようなプロダクトを作りたいのです。お金や自分のエゴを満たすためにしてはいけません。あなたはその第一歩目が見えたから起業するのであり、その一歩目を追いかけるまでただ夜も眠れなくなるだけです。
起業家には証明したい何かがあり、それを追求することに執念を燃やします。誰もあなたに成功を手渡してはくれません。私は自分の子どもたちに、世界は平等ではないと毎日言い聞かせていますが、それは彼らに世界が何かしら自分たちに責任を持ってくれると思って欲しくないからです。結局のところ、あなたのアイデアがどれだけ素晴らしかろうとそれを形にしなければ意味がないのです。


Q3. どんな小さな変化が、あなたの人生に大きな違いを生みましたか?

傾聴力が大事だということを学びました。私は、以前よりはマシになりましたが、今でも人の話を聞くのがひどく苦手です。ただ、それでも前より良くなった理由は「人としての成熟」ということに尽きると思います。成功は私を怠惰にするのではなく、平穏をもたらしてくれました。私は自分の内面と自分以外の世界との関わり合いにおいて、より平穏でいられるようになったのです。

また、健康を保つことも非常に重要です。私は朝4:30に起きて運動をしています。これは、その日1日の問題に取り掛かる準備をするために、体と心をできる限り健康に保つということへのコミットメントです。


Q4. あなたが知らなかったことで、知っておければ良かったことはなんですか?

もっとクリエイティブな遺伝子を持っていたかったと思います。私は直線的な思考しかできないのです。私が何か質問をする瞬間、私の脳内には自動的に木のような構造が出来上がります。全ての枝や根まで見渡すことができますが、それらから外れた場所に、私には見えていない何かがあるかもしれません。

そのため私はしばしば、無理やりにでも自分が生まれつき得意でないことをして、自分の脳内で普段使ってない部分を動かそうとしているのです。ピアノの前に座ってコードをいじったりします。自分とは異なる考えを持った人たちと時間を過ごしながら、ただその人たちが考えたことを聞くというのも好きです。そうすることで、より視野や考え方の幅を広げることができます。


Q5. 今あなたの枕元にある本はなんですか?

ロシアについてのビル・ブラウダーの本、『Red Notice』を読み終えました。ブラウダーの父親はアメリカ共産党の党首でした。私たまにこのようなスパイフィクションを読みます。その度に私はスパイのような考え方の訓練をされるので、読み終えた翌月はあらゆる世界が違って見えるようになります。もう一つ私にとって重要な本は、ナシーム・ニコラス・タレブの『Antifragile』です。この本は、私が感覚的に理解していたが明確にできていなかった多くのことを文字に起こしてくれています。非常に勉強になる一冊です。


Q6. あなたが、自分が何かについて間違っていると気づいたのはいつですか?

常に、ですね。間違えることに関して私は世界記録を持っていると思います。ただそれでいいのです。間違い、誤りを犯しますが、そこから学んでいますから。私は常に新しいデータに基づいて考えを変えるようにしています。感情には決して任せません。データです。パートナーとのミーティングで私が自分の意見を伝えることは珍しくありませんが、それに対して若手の同僚から反論をもらった時は「ちょっと待ってください。私は自分の主張よりあなたの主張の方が好きです。」と言うことはも多いです。私は自分がその部屋の中で最も賢い人間であることを証明する必要性など全く感じていません。
より優秀になって、一人で多くの正しいことをしてもいいし、自分が間違えることを受け入れ、その代わり自分の周囲に優秀な人の尻を蹴ってくれるような賢い人を、チームとして置いてもいいのです。「勝つのは常にチーム」私はこのことを確信しています。


Q7. あなたにとって最も重要な時間の単位は何ですか?またそれはなぜですか?

12ヶ月でしょうか。私は毎秒ベストを尽くすことはできませんが(逆にそんなことできる人がいるのでしょうか?)、毎日ベストを尽くすようにはしています。たとえそう心がけていても、ベストを尽くせない日や週はあるでしょう。なので私はより大局を見るようにしています。その1分や1時間そのものが重要なのではなく、より戦略的であることが必要なのです。1年となれば、その1年をどのように過ごしたいかという大まかな方向性は持っているはずです。それこそが戦略の要素、目的と目標です。あとは実行するのみ。成功し、また失敗するのに十分な時間があります。


Hard-won advice(努力して得た教訓)

1. Teams always win(勝つのは常にチームである)
2. Know your limits(己の限界を知れ)
3. Listening is key(傾聴力が重要である)

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