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私が目指す人。

 私には、目指す目標とする人がいる。
ありきたりなんだけれどもそれは「おばあちゃん」と「お母さん」。
二人とも、すごいパワフルで、優しくて、時に厳しくて、たまに寂しがり屋。いつもいつも、私を見守ってくれて、心配してくれた人。

私は幼き頃は病気ばかり。病院に入院しては退院、入院しては退院…ということを繰り返していた。たぶん二人にはとんでもない心配をさせて迷惑をかけたことだろう。
この歳になり、今の職に就いてやっと親の愛だとかおばあちゃんの素朴で力強い優しさに気づき始めている。もどかしく思う反面、気づけたことをうれしくも思っている。自分が尊敬する二人の女性にやっと一歩、近づけた気がしているのだ。

 こんな時、こんな状況ならおばあちゃんは、お母さんはどうするんだろう、どんな言葉をかけるんだろう、どんな行動をするのだろう…最近そんなことばかり考えている。たぶんこの考え方があるから私は心折れることなく今の仕事ができている。二人の存在がなければ今頃電車にでも跳ね飛ばされてミンチになっていたこと請け合いである。
 二人が持っているもの、それは「無償の愛」というものに他ならないのではと最近考えるようになった。いくら自分の身を投げ捨てることになろうとも孫のために子供のために。そうでなかったら鬱になりかけている娘を見かねて職場の上司にわざわざ電話をかけてみたり、孫が取り残されてい居るかもしれない津波に飲まれた街へ急いで向かうこともないだろう。そんなすごいことをやってのけるのが私の祖母と母なのだ。本当に自分にはできないこと過ぎて尊敬してしまう。

 こんなに心配させて迷惑をかけてきた私だから二人には少しずつ恩返しをしたいと考えている。一緒に温泉へ行こうか、少しずつお金をためて一緒に暮らせる素敵な気の家を建てたいとか。(野望のような気もしないではない。)
いつか恩返しができる日を願って。良き孫、良き娘でいれますよう願いを込めて。