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27歳では死にきれない。

 あと2ヶ月で、27歳が終わる。その日まで、生きていられる保証は何処にも無いが、きっと今日のような普通の日々をあと2ヶ月繰り返すのだろう。

 27歳でこの世を去った天才的アーティストやミュージシャンたちを「27クラブ」と呼ぶ。それを知ったあの日から「わたしは27で死ぬ予定」だった。そんなただの痛い若者は10年経った今も、その予定は無い。昔はあれ程死にたがりだった奴も平穏にここまで生きてりゃ、そんな気も起こらなくなるもんで。あの頃は若かったなぁ、なんて言える余裕ができる。これが大人。

 歳を重ねる度、言いたい事が無くなり、考える事も少なくなった。表現者で在りたい以上、飲み込み、噛み砕き、吐く作業が必須なのに、当たり前の事を呟く度に、何かから逃げたくて仕方ない気持ちになる。そんな日々の繰り返しに、あの日の自分に、中指立てて叫ばねば。中途半端で死ねるかよ!って。

 27歳までに有名にはなれない運命だった。天才では無かった。それでも好きなことを続けた結果、出会えた言葉がこれ。「I cannot die at age 27.」でも時が来れば人は死ぬ。それも運命。

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