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『マイティ・ソー バトルロイヤル』

これまでの『マイティ・ソー』シリーズと並べると世界観が違っていたりやコメディタッチが増えて雰囲気が一気に変わって驚きました。しかしハルクの登場もあってバトルアクションの派手さやパワフル感は一気に増したと感じました。


一気にスペースオペラへ

今作は、王オーディンがいなくなったことによるアスガルドの滅亡(ラグナロク)とヘラによる侵略を阻止するためにソーとロキ兄弟が奮闘する物語。ヘラとの戦いの最中に飛ばされた惑星サカールでのバトルロイヤルに参加させられることになり、あのハルクと戦うことになります。

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これまでのシリーズではアスガルドの伝説を下地に物語が進んでいたので、全く違う世界観と技術力の惑星の登場には戸惑いました。スペースオペラっぽい雰囲気は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』にも近いですが、どうしても他の星に迷い込んだソーとロキという印象が強かったです。しかも物語の本筋とは違うので若干戸惑いました。

宇宙の辺境にあるという惑星サカールは「絶対的な独裁者がいる」「宇宙ゴミが流れついてくる」「バトルロイヤルが娯楽」さらには高層の建物やホログラムで映像が流れている様子はサイバーパンク的な印象も受けました。かなり面白い惑星だっただけに、物語の本筋から外れたところにあるのはもったいない気がしました。

主要キャラクターが一気に退場

これまで王を務めていたオーディンだけでなく、ソーの家臣たちまでヘラの侵略によって一気に、それも一瞬で退場。アスガルドの滅亡を演出するためにはあっさりしすぎていましたし、ソーの感情を動かすような演出もなかったのは可哀そうでした。特にオーディンに関しては、詳細はわからないですが地球に追放させられていて、寿命?での退場。

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ソーがハンマーと片目を失ったりと、シリーズとして新しいフェイズに移るということなのでしょうが、一気に切り捨てたような印象を受けました。

「アスガルドとは場所でなく民だ」とオーディンは言うものの、やはりアスガルドの世界観はソーというキャラクターにとってかなり重要な意味を持っていたと思います。

『バトルロイヤル』という邦題はどうなの?

原題は『Thor: Ragnarok』。邦題の「マイティ・ソー バトルロイヤル」とは方向性が全く違っていますね。MCU作品を見ていて日本語字幕の翻訳もたまに気になることがありますが、今回は作品全体の印象が変わってくるような気がします。自分も見る前まではバトルロイヤルでヘラと戦うのだと思っていました。

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とはいえそういう作品だと思って見れば楽しめる…?

個人的には神話の世界観や荘厳なアスガルドが印象深かったため、方向転換には戸惑っています。ただこれまでのマイティ・ソーシリーズの2作品以上のスケールの大きさはわくわくしました。


アベンジャーズシリーズでハルクはいつも建物を壊していたりチームの分裂のきっかけになったりと、ソーからも”地球の嫌われ者”とも言われてしまう始末でした。そんなハルクが地球を離れて生き生きしていたのはよかったですね。CGでしか描けないソーとハルクの肉弾戦はとても楽しかったです。なによりハルクを受け入れるだけのスケールの大きさはソーの世界観でしかありえないとも思いました。

これまでほとんどしゃべっていなかったハルクがペラペラしゃべりだすのには戸惑いましたが、アメコミだと思えばすごくしっくりくるクロスオーバーでした。

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追記:『マイティ・ソー』からヘイムダルが活躍しかしていない。千里眼を持つ、大剣で戦うアスガルドの番人ってかっこよすぎる。スカージの小物感もよかった。『THE BOYS』との高低差もあって好き。

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