見出し画像

2か月かけてMCU23作品見てきた感想『アベンジャーズ/エンドゲーム 』

ついに23作品目の『エンドゲーム』です。MCU作品を見始めたのは3月末からなので2か月ほどで23作品を見ました。

一応断っておきますがネタバレありです。

時間をかけた演出

まず『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』での敗北から『エンドゲーム』での反撃に転じるまでのシナリオに驚きました。

『エンドゲーム』での作戦は、タイムトラベルの方法を見つけ出し、過去からインフィニティストーンを持ってきて「指パッチン」で消された人々を元に戻す、という作戦。言ってしまえば簡単に見えますが『インフィニティ・ウォー』での敗北の絶望感を感じさせつつ、決定的な結末を見せなかったことと、あえて反撃やタイムトラベルの鍵になるアントマンとキャプテン・マーベルの存在を出さず、『インフィニティ・ウォー』と『エンドゲーム』の間に作品を公開したことで、カタルシスが倍増されていました。

さらに『アントマン&ワスプ』と『キャプテン・マーベル』はどちらも時系列的に『インフィニティ・ウォー』以前の話で、「指パッチン」にも関連する話ではなく、あくまで繋がっていたのは本編後のおまけパート。焦らされながら時間をかけたことで『エンドゲーム』の盛り上がりは最高潮でした。明らかに単体の作品の枠を超えた演出によるもので、MCUの戦略的な制作にはあらためて驚かされました。

過去作品が繋がる

過去のインフィニティストーンが登場する作品の場面に戻ることで、それぞれの作品の印象的なシーンをそのまま使用していたり、過去のシーンをオマージュしたりしていました。これも素晴らしい演出で、実際に過去作品のシーンがシナリオの鍵になることで、過去の作品すべてがつながっているように見えました。

『アベンジャーズ』で6人が集合したシーンや『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の冒頭のクイルのダンスシーンのような象徴的なシーンは何度見ても興奮します。

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』で印象的だった、エレベーター内でキャプテンが特殊部隊を相手に戦闘するシーンのオマージュもありました。またキャプテンが10人近くをボコボコにするシーンを見れるのかと期待しましたが今回は戦闘にはならず残念…

現在のキャプテンvs過去のキャプテンのようなファンサービスもありつつ、過去の作品を見ているとさらに楽しめる構造になっていたのは嬉しかったです。

キャラクター愛溢れるラスト

画像3

今回スタークとキャプテンが離脱しました。しかしどちらも幸せと呼べるシーンが用意されていて、すごくキャラクター愛を感じました。

スタークは父ハワードと最後にまともな会話ができなかったことを後悔していました。(『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』ではAR技術で最後に会った場面を再現しており、それがアベンジャーズの活動で家族を失った遺族の気持ちを知るきっかけにもなりました。)そのスタークに直接父親に会わせ、ありがとうと伝える機会がありました。

キャプテンは自分の人生について『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』あたりからたびたび口にしていました。目覚めたら70年経っており想いを寄せていたペギーと人生を歩むことはできず、友達もみんな死んでいたキャプテンにとっては、過去に戻り自分の人生をやり直す機会を得られたのは心からの幸せだったでしょう。ロマンチックなダンスの約束を叶えられたのは本当に良かった。


アベンジャーズシリーズらしさ

画像2

別シリーズのキャラクター同士の絡みはアベンジャーズシリーズならでは。ネビュラがスタークと紙サッカーをしたり、最後の食料を譲ったりとかなり打ち解けた様子が見れたり、ロケットがアベンジャーズメンバーと意外と仲良くなっている様子も可愛らしかったです。ロケットはスターク、ブルースとの発明家同士の絡み、ソーに平手打ちをして檄を飛ばすシーン、ローディの肩に乗って戦う様子などがよかったですね。種族を超えて交友しているところを見るとユニバースの広がりを感じました。

もう少し見たかった部分も

画像1

もう少し見たかった部分を挙げるとすればサノスに関して。『インフィニティ・ウォー』ではサノスの過去に関する回想シーンやサノスの内面、娘を失って涙する描写もありました。しかし『エンドゲーム』でそれ以上深堀されることがなかったのが残念でした。どこか哀愁があり、単純に「最凶の悪」と呼ぶにはもったいない魅力を感じていたのですが…

「指パッチン」後の燃え尽きたように農業をする姿と、自分の敗北が決定した際の諦めと疲れのような表情も印象的でした。

MCU23作品を見てきた感想

画像4

23作品もあれば当然と言えば当然ですが、同じ世界を共有していながら作品ごとにかなりテイストが違うというのが印象的でした。MCU全体として見たときにメリハリを感じるので飽きがくることもなく作品の特色もわかりやすかったです。

特に『アベンジャーズ』までのフェーズ1と比べるとそれ以降の作品はかなり毛色が違います。フェーズ1までは主人公自身のキャラクター性からすでにヒーロー然としたものが多く、『アベンジャーズ』での合流も今となっては違和感も少なく自然な気がしますね。

しかしそれ以降に登場したヒーローはかなりバラエティに富んでいます。『ガーディアンズ』のような負け組の集まったヒーローチームや、『アントマン』は普通の(ダメな)お父さん、スパイダーマンは高校生です。(スパイダーマンに至っては他のスパイダーマン作品よりも普通の高校生に近づけるようなデザイン)さらにポップな方面だけでなく『ウィンターソルジャー』『シビルウォー』のようなシリアスな路線に手を伸ばすことにも成功している。かなり挑戦的だったことが伺えます。

そうした作品やヒーローとしてのふり幅を受容しながらパワーアップしていったのがMCUのすごさだと感じますし、『アントマン&ワスプ』『キャプテンマーベル』の公開順を考えてもかなり戦略的に作られていることがわかります。

結局コラボって楽しい

作品の最後のおまけパートで少しずつコラボやそれ以降の伏線を見せつつ、アベンジャーズシリーズで爆発させるというやり方は非常に上手いと思いました。言ってしまえば一種のファンサービスではありますが、まんまと23作品見てしまいました。

一応「インフィニティサーガ」は終わりましたが、これからもMCUは続いていくので『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』とドラマシリーズも見たいと思います。

もちろん視聴する順番は自由ですし、とても長い作品群なのでかいつまんで視聴するだけでも十分楽しめますが、僕はMCUとしての演出を楽しめる公開順に視聴するのをお勧めしたいと思いました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?