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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』

今作は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の続編です。1作目のオフビート感はそのままにそれぞれキャラクターの新たな魅力が見られました。

今回もノリノリ

相変わらず挿入歌が素晴らしい。まず冒頭の「Mr.Blue Sky」に乗せて踊りだすグルートの姿で一気に心を掴まれます。

特に今回は物語の重要なキーとして「Brandy (You’re A Fine Girl)」の歌詞が良く出て来ます。物語の冒頭、ピーターの両親がドライブするシーンで使われるのが印象的で、中盤にピーターの父親エゴが自分たちの使命を伝えるシーンではその歌詞を引用して語っています。

「Brandy (You’re A Fine Girl)」の歌詞には、船乗りとその彼を愛するブランディという少女が出て来ます。

この船乗りとブランディの関係はエゴとメレディス・クイルの関係そのままです。宇宙を旅するという使命を背負ったエゴと、エゴを待ち続けるメレディス。さわやかな曲調ですがメレディスの側からしてみれば残酷な歌詞です。

At night when the bars close down, Brandy walks through a silent town, And loves a man who’s not around, She still can hear him say, she hears him say, “What a good wife you would be, But my life, my lover, my lady, is the sea.”

エゴは「私とお前はその曲の船乗りだ」「海が船乗りを呼ぶ」と言っていますが、本心を知ってしまうとどうしても「Brandy」を使って自分の使命を正当化しようとしているように思えてなりません。ずっと地球でも宇宙でも父親を待ち続けていたピーターに思いが伝わらないのは仕方なかったんじゃないでしょうか。

キャラクターの魅力が深まる

やはり今回も魅力的なキャラクターやウィットに富んだやり取りで、MCUでも唯一無二の痛快な作品になっています。今回は他のキャラクターとの繋がりを通してガーディアンズのメンバーにも見せることのないそれぞれの人間(?)らしさが見られます。

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ピーターは今回ずっと謎だった父親の存在を知り、憧れていた父親の愛を感じます。しかし本心を知って裏切られ、本当に大切な仲間の絆を守るために戦いました。そのおかげで本当に両親がいないトラウマを払拭できたように思います。

ガモーラとネビュラの姉妹はぶつかり合うことで姉妹の愛に気づきました。ネビュラは愛を欲していたことを打ち明け、ガモーラは幼少期に生き延びるのに必死で妹のことを気にする余裕がなかったことを認め、関係は雪解けを見せます。

ドラックスは以前は口が悪く、冗談が通じないほど頭が悪いという印象でした。しかしマンティスとの出会いから、ドラックスは容姿ではなく人の本質を見ているのだとわかりました。

ロケットは常に悪態をついていて手癖が悪く、ことあるごとに問題を起こしています。ピーターを親代わりに育てながらも愛を伝えられなかったヨンドゥと共に行動し「お前は俺に似ている」と言われたことで自分の本心や不器用さを実感します。

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子どもの姿になったベビー・グルートはただただ可愛らしく、ガーディアンズみんなに優しくされているのがほほえましい。

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まとめ

今作は今まで通りの良さもありながら最後にほろっとさせる演出もあり、面白さ以外の引き出しも見せていました。雰囲気としてはアニメ『カウボーイビバップ』や『ルパン三世』に似ている気がします。


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