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がむしゃらカブ110の関西旅~ゴールで待っていたのも・・・2

なぜ東海道をカブ110で制覇?(~前回のあらすじ~)
中学校の同窓会が大阪で大々的に開催!とあって山口在住の同級生と東京在住の私が出身中学の校門前で、同じスーパーカブ110を2台並べて写真を撮ろう!という大阪サミットの旅へ(二人とも同じ車種のオーナー)

ただし高速には乗り入れ不可!浜松で超長い休息を挟んで滋賀県入りしたのは午前1時。何処かに投宿したいし、予約は無し。周囲に手ごろな宿泊施設といえば名神高速多賀サービスエリア内の宿泊施設=レストインだけが!でも110ccのカブで名神には乗れないし・・・・

深夜の国道を南下、左手には米原から東海道線沿いに走る私鉄の近江鉄道の路線、そしてカブじゃ走れない名神高速。・・・・昔は関西往復の度に多賀サービスエリアのレストインが重宝したものでした。夜遅く関西を出発し、100キロ走らずに多賀に到着。明け方まで遊び疲れた体を休め、混雑する時間帯前に中京エリアを通過、というのがよく使ったパターン、シングルルームの予約が取れない際は大浴場の休憩室で仮眠をとることができる。
原付のくせに高速の施設が使えるのか?意外にも知られていないようですが、使えます!

実は施設の外側、つまりクルマじゃ下りることのできない敷地にもちゃんと駐車場と出入り口があり、従業員たちは高速料金を払うことなしに職場に就くことができます。一般利用客にも開放されていて、バイクはエリア外の🄿、人はエリア内の施設を使うことが出来る、という訳です。
親切に案内看板が出ているわけでもなし、私鉄の路線に沿って名神の側道迄たどり着き、方向さえ間違わなければいつかはサービスエリアに到着という次第。ちょうど小雨がぱらついて来た絶好のタイミングでバイクを停め、仮眠をとり始めます。

フレッシュな寝起きと裏腹に、今にも泣きだしそうな空模様。ところどころには、水たまりさえ・・・・・国道に戻って一路、大津・京都方面を目指します。鈴鹿峠を越えて来た国道1号線も合流し、大津の市街地に近づくと久々の都会っぽい風景にゴールが近づいたんだなあーと感慨もひとしお。クルマなら用賀から4時間少々でノンストップで到達できる場所だけに、遠くまで来たもんだ、という感動の度合いが違います。

右手に琵琶湖、左手には遠く石山寺を見る大きな橋で瀬田川を渡ります。琵琶湖からのこの流れがやがて淀川となって大阪湾に注ぎ込む、その出発点です。そこから、次第に山間に分け入るようにして逢坂峠に向かいます。右からは京阪電車のレールが、そしてシェルターに囲われた名神高速が近づいてきて、狭い谷あいを滋賀・京都の県境へ向かいます。しばらく前に見え隠れしていた東海道線は逢坂山トンネルで一気にこの峠を通過してゆきます。

つかの間の峠道を抜けると眼前には京都山科の町並みが!いよいよ京都に到達です。国道1号はこのまま名神高速と共に南下しながら山科市街地の南端をかすめるように通過しますが、ここは通いなれた山科の街中を通過するコースをとります。電車で京都・山科はひと駅、ここに宿をとれば京都市内観光にも便利で度々駅前のホテルを利用した、なじみの駅前でもあります。

山科駅の裏側には琵琶湖疎水の流れが、京都市蹴上に向けて流れています。今から1世紀以上前に人工的に作られた水路で下流には発電所も設けられ、日本で最初の路面電車=市電のパワー・ソースとして活用されていました。もう京都市電の現役の姿は拝めませんが、足元の地下を、山科駅から地下に潜った京阪電車が京都市内へ突き進んでいきます。

京都市内へはもう一山、東山の小高い丘陵を越えていきます。すると今度こそ京都市街地が眼前に広がりました。右手には清水寺や産寧坂といった有名観光地が並びます。国道1号はそのまま京都市内では五条の大通りとして機能しています。五条の大橋を渡り、欄干に等間隔に並んだ擬宝珠(ぎぼし)に限りなく京都を感じながら、京都の街中を大田区ナンバーのカブが走ります。中一の夏まで関西で育ち、京都なんて日帰りでしか来たことのない近所だったのに、こうして長い距離を経て来てみると新幹線で来た時のような気軽さは感じられず、1mごとにありがたみを感じるような不思議な感覚?

きょう1日京都で遊べるならば行きたいスポットは数限りなく思い浮かびますが、午後1時には大阪で同窓会が開幕します。先を急がなければ・・・五条から左折して西本願寺前,JR高架橋を経て東寺の五重塔を見たら国道171号線方面に右折します。171号線は京都と大阪北摂をショートカットする、バイパス的な役割もあり、大阪への近道としてもお馴染みのルート。枚方の方へ遠ざかる1号線は、実は京都往復には縁遠い路線でした。東海道線も新幹線も阪急京都線もいずれも淀川と並行して大阪を目指します。

京都市街地を離れて右手に山並みが眼前に迫ってくると大山崎のインターチェンジ近く。名神の渋滞の名所、山崎の地名もこのあたり。そして電車からも見慣れたサントリーの山崎蒸留所の建物。ここも今回は後ろ髪を引かれる思いで通過します。

しばらくは淀川堤の見晴らしの良い区間を走り、いつの間にか大阪府内へ。171号線は京都と大阪、池田・宝塚市をほぼ直線で結ぶ短絡ルートともいえるコースで吹田市からは中国自動車道の広い片側三車線を両側から挟むように進みます。半世紀前には観光地でしかなかった箕面周辺もすっかり大阪のベッドタウンに様変わり。そろそろ豊中市内へ左折するポイントが近づきます。

池田・豊中駅周辺の景色も自転車で走り回ったガキの頃とは大きく変わり、ミスコースしていないかと不安になります。見覚えのある梅花学園のドーム状の建物が見えたらゴール間近!中学校の正門前には同級生と、同じ形式のカブ110が待ち受けていました!!

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