My Hair is Bad 3/18 ツタロックレポート

ドラマみたいだ。本編でも演奏されたが、本当にドラマみたいで、つい目頭が熱くなるステージだった。MASSIVE STAGEでは本日の大トリを観ようと観客が集まっている。ギリギリまでリハを行い、一旦はけること無く、アナウンスが流れ、そのまま熱狂の幕が開いた。MASSIVE STAGEのトリはMy Hair is Badだ。

初めて経験する大きいステージでのトリ。更にこの日は椎木知仁(Vo,Gt)の25歳最後の日ということもあって、とんでもないライブになった。
椎木知仁が「ここを選んできたことを後悔させねぇぞ!」と叫んで始まった1曲目、"アフターアワー"から全力疾走で演奏していく。山本大樹(Ba, Cho)、山田淳(Dr)の演奏も熱量が凄まじく、まるで爆発したかのようなエネルギーで音が鳴らされている。
弾き語りながら自己紹介をし、繰り出された曲は"ドラマみたいだ"。着々と大きいステージに上り詰めていくマイヘア。ドキュメンタリーのはずなのに、ドラマみたいだと思わずにはいられなかった。
「世界一短いラブソングを」というMCを挟んで演"クリサンセマム"へ。30秒ほどの短い曲にも関わらずその爆発力はどの曲にも劣らない。そのまま"元彼氏として"になだれ込み、曲の終盤、「俺と別れて良かったな。だってこんなデカいステージのトリをやらせてもらってる!」という椎木知仁の一言に会場は一瞬で湧き上がる。時計の針よりも0.1秒でも早く駆け抜けようとするように、ヒリヒリとした焦燥感が会場を包む。
"フロムナウオン"では、その焦燥感を起爆剤として、観客の心を更に熱くさせた。
「歌を歌って金を貰う、レジを打って金を貰う、金は金だ、でも俺はやりたいことをやる素晴らしさを知ってる!おれはやる!お前はどうする?」と観客に問いかける椎木知仁は、自分自身を鼓舞しているようにも見えた。
会場のキャパシティーはどんどん変わっていくのに、椎木知仁の言わんとしていることはこの日も変わらない。「ロックバンドを信じろ」、「やりたいことをやれ」ということだ。同じことを言い続けるからこそ、その言葉は重みを増していく。声を上げ続け、やりたいことをやり、ロックバンドであり続けることを歌う椎木知仁はキラキラと輝いて見えた。
「最後、優しい歌を歌います。ありがとうございました」と一言添えて"いつか結婚しても"を披露。先ほどまでの焦燥感とは打って変わり、会場は幸福感に包まれた。盛大な歓声で迎えられたアンコールでは代表曲"真赤"を歌い、会場は再びに熱くなる。
「ありがとうございました。My Hair is Badでした。」と頭を下げてからも短い曲"噂"を投下し、My Hair is Badは熱狂を終えた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?