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読書感想 #15

司馬遼太郎さんの『坂の上の雲』の8巻。

最終巻。
日本海海戦から終戦、主人公のその後の人生についてのお話。

この日本海海戦という一戦で、今までのすべてが決まる。ここで負ければ(敵艦隊を全滅できなければ)講和に向けて戦争を終結することができず、いずれ国力の差で日本がなくなってしまうという大事な一戦。

詳細はぜひ実際に読んで欲しいので割愛するが、数々の好運に助けられ、無事に当初の計画通りほぼ敵艦隊を全滅させている。

そして、アメリカ大統領ルーズベルトによる仲介で和平条約の締結となる。

長かった(笑)
正直全8巻なんて、そんなにかからず読み切れると思っていたけど、今年の2月から読み始めて結局半年もかかってしまった。

最近の本のように軽快な文章ではなく、重厚感たっぷりな言い回しなので読み進めにくいというのもあったけど、社会や日本史が得意ではなかったので、改めてしっかり理解しようと思って読んでいたのでかなり時間がかかってしまった。

とはいえ、やっぱり読んで良かったと思っている。
江戸末期から明治維新を経て日露戦争にいたる当時の日本人の考え方や世界から見た日本の立ち位置などを知ることができた。

そして、何事も準備が大切であるということを痛感した。戦争物なので当たり前かもしれないが、当時の弱小国である日本が大国ロシアからの圧迫を受け、戦争までを覚悟した上での準備の仕方など、孫子の兵法で語られる内容そのもののような感じ。

そういった、数年~数十年先まで見通した入念な準備、設備投資だけでなく人材への投資、裏技的なスパイ活動などを含めたあらゆる可能性を想定した準備を怠らなかったことが、最終決戦での好運につながるのだと思う。

「あの時こうしていれば」「その可能性があるとは思っていたけど」なんて言ってたら日本という国がなくなっていた。

そういう緊迫感ある生き方を半ば強制されてしまった当時の人たちには頭が下がる思いしかない。同時に、自分はなんて緩い世界で生きていることやら。

『弱者の側に立った日本側が強者に勝つために、弱者の特権である考えぬくことを行ない、さらにその考えを思いつきにせず、それをもって全艦隊を機能化した』と司馬先生も書かれている。

考え抜き、そしてそれを実行すること。
これに尽きる。

私自身は今、会社員として働いているが、近いうちに自分のビジネスを持ちたいと思って活動している。

もちろん、様々な可能性を考え抜き、そしてそれを実行に移すつもり。
人生は一度きりだし、ラッキーなことにある程度の自由がきく状況に産まれているので、自分のやりたいことを試さないなんてもったいない!

改めてそう決意する。
司馬遼太郎先生、ありがとうございました!


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