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あなたの人生の意味

こんにちは、ミタムラです。

だいぶ前にYeLL篠田さんのnoteで存在を知った本がやっと読み終わりました。

「あなたの人生の意味」という名前の本です。

正直なかなか難しい本、というか言ってることはわかるけど、そうは出来ない自分に向き合うのがしんどくてページをめくる手が止まる本でした。

本のテーマとしては、下記のようなものです。

人間の美徳には2つの種類がある、一つは履歴書向きの美徳、もう一つは追悼文向けの美徳(本書では前者をアダムⅠ、後者をアダムⅡと呼ぶ)大半の人は、自分の根本的な人格を磨くより、職業的な成功を目指す生き方を生きている。つまりアダムⅠ>アダムⅡで生きている。そしてアダムⅠとアダムⅡはそれぞれを育てる力学が真逆のため両方育てることはとても難しい。歴史に名を刻む人たちがアダムⅠ・アダムⅡと付き合ってきたかを数名の偉人の人生をとおして学んでみましょう。

(本書では10名の人物が取り上げられているが個人的に一番おもしろかったのはイングランドの文学者、サミュエル・ジョンソンの生涯です。)

この本を通して気付かされたことがある。

私は自分の職業人生について「キャリア」であったり「トラックレコード」という形で表す言葉をいくつかもっている。しかし、自分の人生であったり人格を扱う時に言葉を持っていないのだ。

職業人生において「キャリアを積みたい」、「このチャレンジは自分にとって大切なトラックレコードになる」「自分がなしてきた成果は要するに〇〇である」というようなことを口にしたことはあるが、同様なことを自分の全人格的な人生において表現する言葉が思いつかないのだ。

しいていえば「このことは自分が人生においていま取り組むべき事柄・課題だ」とか「このことは自分にとって大切なライフイベントだ」とかそういった言葉くらいだろうか。

私はわりと身近に(特に西洋的な意味での)信仰という概念があったり、若い時に7つの習慣という本を読んだことで自分自身の「人格」とか「人間性」というものを比較的大切に取り組んできたほうだと思う。

本書の中に出てくるこれらの言葉は普段から意識していることと共通していた。

「私のいるこの世界は、私に何をしてほしいのか(P50)」
「慈悲心と自尊心は双子の兄弟である(P67)」
「天職に取り組むというのは自分を歴史の一部にするということでもある(P93)」
「愛とは服従であり、決断ではない(P297)」
「愛とは、狭めることである。一つの可能性を選ぶために、その他の可能性を捨てることである(P303)」
「理由もなく与えられた愛を受け入れることは、かえって難しい(P356)」

最終章での「大きい私」を目指すことが当たり前の時代に「小さい私」は忘れられおいていかれがちであるという指摘は、右肩あがりを前提に生きている自分を自覚させてくれました。

縁起でもない話ではあるが、自分らしい人生を生きたいなら定期的に、それこそ職務経歴書を書くように遺書を書くということをしたほうがいいのかも知れない、などそんなことを考えさせられた本だった。

すぐに役に立つタイプの本ではないが、自分の人生を考えたいときには手にとっていただく価値のある一冊である、とおすすめします。



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