ゲーム開発をスケジュール通りに進めるために必要な事
ゲーム開発に限らず、物事をスケジュール通りに進めるのって難しいと言うのは良く聞く話で、まず簡単なスケジュールを作れば良いじゃないかと思いがちですが、なかなかそうはいかないのが現実です
特にゲームの開発は、まず企画書があるし、完成形もイメージしやすいし、やる事は決まっているし、詰まる所はそんなに無いハズなのです…が、そんなゲーム開発において良く聞くスケジュール遅延愚痴ランキングはこんな感じです
3位 仕様があがってこない!
良く聞きますね~
色々理由はあると思いますが、デザインやプログラムは工数が決まっているのに仕様などの「考える」「検討する」部分に関しては、「面白い物を作るために」と言う大義名分のもとスケジュールがルーズになるプロジェクトは多いです
2位 方向性がコロコロ変わって作り直しが多い!
ワンマン社長とかゲームを良く分かってないプロデューサーのプロジェクトに多い話です
自分が聞いた話で一番すごいのは、「パズルゲームの企画だったのに格闘ゲーム作ってた」です、3年程かけて開発した挙句に解散となったそうですが
3年って、仮に1人月50万で5人のチームだった場合、約9000万ですよ…
そして1位は…
1位 元々の見積もりが甘かった!
プロマネ不在で営業さんの力が強い会社に多い話です
営業さんは開発のスケジュールなんて眼中にありません、仕事が取るのが自分の仕事なのですから
さて本題。では、どうすべきなのか?
これは、至極簡単な話ですが一番難しい事で、開発初期に「不明な事を無くしておく」のが超重要です
ゲーム開発の中でディレクターやプランナーが常套句の様に使われる悪しき風習「開発を進めながら面白くしていこう」ってのがあるんですが、こんな行き当たりばったりを最初に言いだす人は職務放棄をしているのと同じだと言う認識を持ちましょう!
貴方がamazonや出前館で注文する時、「いつ送れるか不明」「料金が変わるかも」等々、不確定事項があるとどうでしょう?
頼むのを止めませんか?僕が宅配サービスを頼むのは期日がしっかりしていて、途中経過も確認できるからです
また「仕様は作ったけど、実機で動くのを触ってから検討したい」っていう人も多いですが、仕様を作っている時点で脳内プレイが済んでいないとダメで、それができないのは問題なんです
僕が以前デザイナーだった時に一番嫌だったのは「仕様変更」です
一生懸命描いても「なんか違うね、(他社ゲーム)みたいに修正してみてくれる?」なんて言われた時は悲しくなります、じゃあ先に言えよ、と
もし貴方がディレクターやプランナーだったら、完成形をイメージして、人に説明できる仕様書を作成するのが必要最低限の仕事です
そこに未確定や不明の事項がある場合は、書いておくと親切です
もし貴方がディレクターやプランナー以外の職種の方であったら、完成形が想像できるかどうか、工数確認ができているかどうか、できない場合はとことん確認を取る事が必要です
そして確認をとった時、スラスラ返事が来るようであれば、安心できるでしょうが、言葉につまったり「そこは追々考える」などどはぐらかされるようでは、この先に地獄が待っているかもしれません
心を鬼にして、不明な点の洗い出しといつまでに解決するのか言質を取っておきましょう
デスマーチになるプロジェクトって、基本的にみんな良い人ばかりなんですよね
仕様が決まっていなくても、スケジュールに無理がありそうでも、みんなで何とかしよう的な感じで
もうね、そういう事を聞くたびに、アホかと
長年色んな人を見てきて確信している事があるんですが、物事を曖昧にして責任を取りたがらない企画職は概ね「無能」と思って間違いはありません
有能な人は自分の中に「自分が思う面白い事」を持っていて、それが皆に受け入れられるかどうかを常に考えており、自分の企画はデザインやプログラマ等のエンジニアの助けを借りないと世に出せない事を把握しているはずです
どの職種であれプロとして良い仕事をするのであれば、無能に気を使っている余裕はありません
どんどん指摘して作品を良い方向に導き、やるべき事を自覚させて成長させるか、他に移った方が良策です
「他に移れるところがあるか分からないから、人とトラブルを起こすのは怖い」と言う人も多いかと思いますが、今はエージェント経緯で仕事は取れますし、業界の友達を作っていれば仕事は途切れないものです
それよりも、スタッフに気をつかった挙句にクソゲーを作ってしまい、職務経歴書に書かない方がマシだと言う事になってしまう方が自分のキャリアについては大きなデメリットになります
上場企業や大きな会社で働いている方は、ガマンして在籍した方が得かもしれませんが、自分が40才、50才、また60才になった時も同じ環境でいられるかどうかは想像してみると良いと思います
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?