自由律 #03
やったことないゲームの実況を観る
鍋掴みを鍋敷きに
思いの外仰々しい抹茶ラテが来た
やはりこの質問が来た
厨房から煙が出過ぎている
古着を求めて高円寺駅に到着した。
都内で古着散策といえばこの街、高円寺。個性的な店の数々は来訪者を飽きさせることはなく、ついつい奮発させられてしまう。
比較的リーズナブルなものから高価な年代物までを幅広く取り扱う店にはよく掘り出し物がある。そこで一目惚れをしたアイテムと出会った時、まずは手触りを確認する。良さそうだな、となったらサイズ感を確認するためにラックから外す。この瞬間に値札を見る。想像より値段が高いと動揺する。ラックに戻そうとするがこの一連の様子を目撃していた店員に「あ、こいつ値段見て諦めたな。」と悟られたくはない。だからそんな時は「試着してみてもいいですか?」と粋がってしまう。この自意識が勢い余って財布の紐を緩める時がある。
よし散策するぞと息巻いて駅を出たところでとある看板が目につく。どうやら高円寺フェスなるものが開催されるらしく、そのボランティアスタッフを募集する内容のようだ。ざっと目を通しながらその前を通り過ぎるが、渡るべき横断歩道の信号が点滅していることに気が付く。走れば間に合いそうだったものの、取り立てて急ぐ理由もないので踵を返して看板がある場所にまでもどり、それに添付されているQRコードをスマホで読み込んでみた。
スタッフの仕事内容の説明。その中に写真・映像記録という役職があり、やってみるかとそのまま応募フォームに進んだ。名前、住所、連絡先を順調に埋めていく。そして職業を埋める空欄と鉢合わせる。この手の募集フォームではお決まりの質問だ。
職業は何か。
実は10月から契約社員としてテレビ番組のリサーチ会社で働いている。まずはテレビ業界での経験を現場で積みたいという思いから始めた仕事だ。最近はスクレイピングという技術を使ってWeb上から情報を収集するプログラムを作成していた。大学は情報系の学部を卒業しているのでスキルが活かされる場があって嬉しい。
さらに言えば、実は放送作家を肩書きにしてはいるが、まだ作家の養成所に通っている状況で、卒業まであと半年ある。
卒業後、もしかしたら卒業前、自分のことを曝け出す覚悟が決まったら、もう少し自分について語ってみることにしたい。
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