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おぼつかないひとり旅   ギチギチした世にちょっと疲れたので 旅に出てみました 「てきとう」「お気楽」にほぐされる旅です                2017年 マレーシア&インドネシア ①


ちょっと疲れたので、早めに退職したおっちゃんです

世はギチギチしていますよねえ 
ギチギチがめんどくさくなり、思いきって旅へ出てみました 離れてみたくなったのでした

うんと若いころ、リュックを背に海外へ出たことはありますが、おっちゃんになってからはお初

旅のノウハウなど、ほぼありません 英語も単語をならべる程度

それでも東南アジアへ
観光情報は期待しないでくださいね
「てきとう」「ゆるゆる」だけにフォーカスしてみます あなたもほぐされてみてください

           ※

2017年春、マレーシアとインドネシアへ20日間


出発
機内、隣席のインド系女性が
肘かけのこちらの腕にご自分の腕をのっけてきました 
ギチギチ日本なら単なる「迷惑」でしかありません
でもまあいいか ユルさを求めにきたわけだし 袖触れ合うも他生の縁

てことで、クアラルンプール着

巨大な空港内を、右へ行っては左へまわり、上へあがっては下へおり、バス乗り場を発見 
市内へ

左 エアアジアでマレーシアへ 右 クアラルンプールは大都会ですね


宿は下町のチャイナタウン内

シャワー、トイレつき個室で千円ほど 窓はありませんが、広いベッドの部屋 おっちゃんひとりが寝るだけなので充分です

翌日、30度をこえる中、歩きまわりました

高層ビル ショッピングモール インド人街 ……ピカピカの大都会ですね

でも
各店員さんは、テーブルに頬杖などして、スマホいじってたり、弁当食ってたり、おしゃべり
を楽しんで
たり
日本ではありえませんよね クレームが巻き起こります
ああ、こういう光景に触れると、ホッとするのですよね〜

左 器用に座り寝しているおっちゃん 右 路上家族


駅の通路には、腰をおろしているだけの人がいました 間隔をあけて数人

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なにしてんの?

手もとや足もとには、コップだったり小皿だったりがあり、中にお札が…… 物乞いさんですね

でも、身なりはふつうなんです ホームレス然としていません
アルバイト感覚なんでしょうか??

「きょうは仕事休みだから駅前でいっちょ座ってくるか」みたいな様子です


食堂や屋台でいろんなものを食べました
ナシゴレン、ナン、ワンタン麺……
これはテンペです

テンペ

大豆の発酵食品 納豆を固めた感じです

わけのわからないものも売っていました
夕刻、路地を入った先の、あるおっちゃんの屋台でした
土芋を煮つぶしたような物体が、ゴロゴロと‥‥
ニヤリとするおっちゃん
たずねても、意味が聞きとれず、正体不明
写真は拒否されそうだったので、イラストで示しておきますね 
これです、これ!!

What is this?

帰国後、ものの本にあたると、ウンコと判明しました
人間の?? いやいや、牛です
薬物に厳しいマレーシアでは、牛のフンの臭いでトリップを味わう者もいるというのです
「藁にでもすがる」というけれど、ウンコにすがるわけですね


ウンコ臭いのは好きじゃないけど、あんな胡散臭さがのこる世界はキライじゃないなあ、とうなずきながらもどってきたチャイナタウン
しかし、そこでも目を見張る光景がありました
人混みに、こんな方が……

写真は躊躇しましたけど、生きざまに敬意をこめ、シャッターを


台車のスピーカーで曲をながし、ラッパを吹いています


この写真を目にしたあなたは、どんな感慨をお持ちになったでしょう?

わたしは撃たれました

同情も憐れみもはね返すカッコよさに、バキュンと撃たれました

3日目、列車でマラッカへ


マラッカへ南下

いわゆるマレー鉄道に乗りました 昭和のバックパッカーなら憧れの鉄道かもですね
ただ、マレー半島を貫く長距離列車は過去のもの 現在は、短区間の運行のみです

車両はきわめて都市的 味わいがありません

車内にちょっと笑える禁止事項が 左の写真です

左 キスしたらあかん! イスラムの国だからこそですね  右 禁止事項とは裏腹に、スマホいじってお暇な駅員さん 列車は一日に数本しか停車しません


数時間ゆられます
小さな街やアブラヤシ畑を抜け、マラッカ最寄りのタンピン駅に到着しました

が、
駅内の、注意喚起写真にドギモをぬかれました!

(心の準備をお願いします)

 線路事故

悲惨すぎます 駅員のお気楽さとの落差に、言葉がありません
「お気楽」と「安全」とは相容れないのでしょうか??

タンピン駅から市中心までは、バス乗り継ぎ 
あのバスか? ちがうこっちか? ウロウロしつつも、目的地のオランダ広場に降りたつことができ、ホッとしました

オランダ広場

世界遺産の街、マラッカ
「15世紀、ここに王国が誕生し、東西貿易の要衝として栄えます 16世紀には、ポルトガル、オランダ、イギリスが統治に乗り出し、西洋と東洋のエッセンスが共存する街へと変貌していきました」とガイドブックみたいなことは書いても仕方ないのですが 一応は書いておきます(笑)

で、
マラッカといえば、なんといっても、夕陽ではないでしょうか 
世界一の夕陽
「おお、そうだそうだ夕陽だ」と納得されたあなたは、昭和世代?  
最近はあまりもてはやされていない気がします

ともあれ
宿にリュックをおろし、プラナカンスタイルの街並みを散策したあと、マラッカ川の河口まで歩いてみました

茂みを抜け、海が見えた! と思いきや、
あらら、先客さんが

ホームレスさん

このおっちゃんは毎夕、世界一の夜の訪れをながめてるのかなあ
世界一の夕陽を世界一多く、見ている人かもしれませんね

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ハッキリいって、ふつうの夕陽でした

何百年と語り継がれてきた美なる夕陽
かつてこの地へおとずれた欧州の人々は、故国の方角へ沈みゆく夕陽に、望郷の念を抱いたにちがいありません 
そっか、わかった 世界一の美しさは望郷の想いを映しだしたものなのですね~

右上 マラッカのおやつ ういろみたいな味です 右下 マラッカ河畔 左 夜は河畔でうっとり

5日目、ジョホールバルへ

バスを乗り継いで、シンガポールとの国境の街へ

最先端国家のシンガポールと接するジョホールバル
どんな街?
最先端からの、おこぼれとツケが混在する街と聞いたことがありました

バスがターミナル駅に到着
さあ、予約した宿へ
が、でかいビルのターミナル 方向すらわかりません

インフォメーションで、地図を差し出し、たずねました 
ビルの前の大通りを右に行くべきか、左に行くべきか?
「右へ行け」

右へ行きました
でも、なんかちかう気が‥‥
左とちゃうんかい?
暑い 赤道付近ですから太陽はうんと高いところにあります 太陽を基に方向を確認
うん、たぶん、ちがう 左だと思う

ターミナルにもどり、インフォメーションの兄ちゃんに「左だったですよ」笑いかけました
兄ちゃんも「おお、そーだったか」と笑顔
てきとうなインフォメーションセンター!
「右へ右へどんどん行けば、ぐるっと地球をまわってたどりつくよ」とでも言いたそうな笑顔です

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宿の付近です シンガポールなみの高層ビル

で、たどり着いた宿でも似たようなことが

住宅を改造した平屋が宿でした
看板があるのかないのかわからず、というか、ほぼないのですが、
受付台みたいなところで頬杖していたおっちゃんにたずねると、「ここだ」とうなずきました

でも、パスポートを出すや、
「予約は入ってない!」と言うではありませんか サイトを通して予約ずみのはずなのに、なんで?
おっちゃんは予約サイトへ電話をかけ、「ほら自分で聞いてみ」とスマホを手渡してきます
オペレーターはすべて英語 早口ですし、会話は不成立

身振り手振りでお願いをし、空き部屋に泊めてもらうことになりました
南京錠の部屋でしたけど、小綺麗でわるくなかったですよ

南京錠の部屋

が、翌朝です 宿のおっちゃんが顔を見るなり、
「おはよう よく見たら、おまえの予約入ってたぜ よかったな」
と肩をたたいてきました
そうなのか というか、よかったな、じゃないやろ(笑)
こんな時、あなたならどうしますか? 
ふざけるな! とぶちキレますか?
でも、この時、怒れない自分がいたのでした まあいいか、この種のユルさを味わいにきたのだから

気をとりなおして、街へ

停留所で、ある人に、街までのバスを案内してもらいました
シンガポールの会社まで通勤している女性でした
「昔とちがってジョホールバルは治安がよくなった、収入が3倍ほど高いシンガポールへ通勤する人であふれてる、通勤が大変なんだよね、2時間かかるときもあるよ」

なるほど、こりゃ大変。↓↓↓

上 シンガポールへの通勤ラッシュ 出典:http://www.asiaone.com/malaysia/huge-traffic-snarl-hits-causeway 左下 「日本タルト」?? 味はふつうのタルトでした 右下 マレーシアの国民食、ナシレマッ。ココナツ味のご飯とおかずのセット食


ラッシュも、人混みも避けたいところです
翌日、ぽいと入ったナシレマッ屋で、店主のおばちゃんに、のんびりしたとこはないですかとたずねてみました
「ククップ村がいいんじゃない?水上家屋があるよ 学校も水の上にある」
バスも調べてもらい、むかうことに

けっこうなボロバスを2台乗り継ぎ、到着
マレー半島の南端、漁港です

上 ククップ村へ 近代化される2大都市から弾きだされたような位置 中 水上家屋 下 ドボン!と落下式の天然水洗トイレ

海上に通路や高床を張り巡らせ、お家を建てて暮らしています 上の写真下段は、洋式便器が見えていますが、ドボン式トイレです 天然水洗式ともいえますね 
じつは、村には近海物の海鮮食堂があるのですが、ドボンは魚のエサに? と考えたら、いくらユルさを求めているとはいえ、昼食はあきらめました
豚は人糞を食うので、イスラム教徒は豚のお肉は決して食べません
あなたはドボン海鮮食堂でお魚料理を口にできますか?? 

でもやっぱりこの村、
都市部より空気がユルいですね~

こんな方々も!

家族乗り

何人乗ってるでしょうか??
3人?4人?  いえいえ5人です
街中で3人乗りは見かけますが、5人となると……
幸せそうですねえ 家族仲よくなかったらできない芸当です

しかも、絶妙な年齢構成だと思いませんか?
子どもが大きくなったら不可能ですし、赤ん坊だったら危険です

この家族の、今しかない幸せの瞬間です


子どもたちが大人になった時、この写真を見たらどう思うでしょうか

2人乗りさえ違法になってるかもしれないその時代、彼らはなにを感じるのでしょうか?


②へ つづきます


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