失恋の取り扱い説明書

婚活熱心だった私は良く失恋をした。恋愛は人生のスパイスと言われるが、恋愛は平凡な毎日に、甘みと苦味を付け加えてくれた。恋愛の苦味は、失恋の味。その苦味を忘れるために、新しい趣味を探したり、綺麗になろうと決意表明をしていた。この表明は、別れを告げた相手への宣戦布告かもしれない。しかし動機がどうであれ、何か新しいことに挑戦してみようと、きっかけを与えてくれた。

モテる方法やデートの誘い方と恋愛を始めるHow-to情報は沢山あるが、失恋の取り扱い情報が少なすぎる。だから失恋についての知識を増やしていけば、失恋なんか怖くない!(はず。) それどころか失恋は、人を成長させてくれるツールである。

失恋は人を、成長させてくれるのか。

CiNii 論文 「人は失恋によって成長するのか。」
コーピングと心理的脱離が首尾一貫感覚に及ぼす影響。
失恋からの立ち直り、精神的な成熟を可能とし、
立ち直ることで社会的スキルの向上が見込める。

ん…論文など読まない私には難しい内容で、タイトルからつまづいた。。
コーピングとは?
さっそく「コーピングとは」と意味を調べ、ストレスの対処と理解をした。

失恋に対するコーピングは3種類あると言われている。
・失恋相手との別れを後悔する“未練型コーピング”
例)西野カナの会いたくて、会いたくて、震えるのように、震えるくらい会いたいと、相手への執着があること。

失恋相手を憎んだり意図的に忘れようとしたりする“拒絶型コーピング”
例)Tayler SwiftのWe are never getting back together!のように、「もう彼なんか忘れてやる!」って深酒して無理やりに忘れようとすること。

失恋に対する肯定的解釈、別の異性への置き換え、気晴らしを含む
 “回避型コーピング”

例)竹内まりやの元気を出してのように、「街に飛び出せばほら、男は彼だけじゃないよ!」と、ポジティブ思考で失恋を捉えることができること。

失恋というストレッサーに対し、この3種の失恋に対するコーピングを使いわけ、失恋から立ち直ろうとする。
では、どの型が一番失恋から立ち直るのが早いのだろうか。

回復が一番早い:回避型コーピング
回避型コーピングとは、2人の関係がもう終わったものと受け止め、もう修復不可能であることを直視することを回避すること。失恋相手のとの愛情関係を諦め、その関係を心理的離脱を促進するため回復が早い。

あの頃の2人に戻りたい…:未練型コーピング
未練型コーピングは、名前通り相手への執着心が残っておりヨリを戻したい、失恋相手との別れを悔やむことをいう。失恋した相手との関係を諦めることが出来ないため、失恋から回復するのに時間がかかる。

彼が写っている写真なんて削除!LINEもBlock!!:拒絶型コーピング
拒絶型コーピングとは、失恋相手に対し執着をし、相手を憎んだり、意図的に無理やり忘れようとすること。その結果、執着から相手を忘れることが出来ない。そのため失恋から回復するのに時間がかかる。

男と女の失恋コーピング


男性のコーピング傾向:未練型・拒絶型が多い
男性が失恋した場合、回復するのは女性よりも時間がかかると言われている。その理由は、男性の失恋コーピングは、未練型と拒絶型が多いと言われているからだ。男性は、女性よりも他者へのサポートが恋人に依存する傾向があるため、心理的離脱(失恋から立ち直ること)が難しい。また、無理やり忘れようとし、失恋相手について否定的な感情を持つことがある。

一般的に女性が泣くことに対しては寛容的で、おしゃべりをして気持ちを発散するという手段がある。しかし男性は「男が泣いたらカッコ悪い」という考え方がそんな考え方が根付いているからこそ、男性は立ち直りにくいのかもしれない。

そのためストレッサーを拒絶し、無理やり忘れるために
「今日は、とりあえず飲もうぜ。」という会話が始まり
酔った勢いで、真夜中に昔の元カノにLINEをする。
「久しぶり! 今なにやってるの?」と。。
まだ元カノは、自分のことを思ってくれていると期待をし連絡をする。

なぜ、男性は元カノに連絡をするのか不思議だったが、「他者へのサポート」が男性は恋人に依存する傾向があるからだと理解した。

女性のコーピング傾向:未練型・回避型が多い
未練型と回避型と対曲線にあるが、未練型は相手への執着はあるものの、頭の中ではこの関係は終わったものだと理解しているため、回避型に近い。

恋愛は「相手の気持ちがあってこそ」と過去の失恋から学んだ私は、2人の関係が終わったものだと理解するためにも、フラれた次の日、泣きながらマッチングアプリに登録したことがある。あの時は辛かったが、この行動があったからこそ早く立ち直れたのかもしれない。

失恋からの立ち直りは、精神的な成熟を可能にする。


人がどれだけ成熟しているかを説明する指標の一つに「首尾一貫感覚」がある。その首尾一貫感覚は、下記3つのストレス対処能力から構成されていると言われている。
1)理解可能感:ストレッサーに原因や予測可能性を見出すこと
例)「やば、今日も急に飲み会はいちゃった。今週ずっと飲み会だ。彼女はきっと、機嫌悪くなるな」と連日の飲み会が原因で彼女の機嫌が悪くなると予想できること。
2)処理可能感:自分自身や他者が所有する資源をコーピングのために利用できると評価すること
例)「○○ちゃん、今日電話していい(涙)?彼と別れて寂しいから話聞いてー」と、友達に話して気持ちを発散できる手段を知っていること。
3)有意味感:ストレッサーとの遭遇を含め人生を意味や価値あるものと捉えること
例)「彼との関係は終わってしまったけど、人をこんなにも好きになれるって素敵だな」と彼に出会えた事により自分の人生の価値に気付けること。

この首尾一貫感覚が高まることで、どんなストレッサーが今あり、原因を突き止められ、問題を解決しようと出来る。また、その問題を自分自身や他人のサポートにより解決しようとする。うまくストレスを乗り越えることができた時は、それが成功経験となりさらに首尾一貫感覚の強化を促すことができる。→それが人を成長させることに結びつく。

失恋コーピングは、
どのように首尾一貫感覚を熟成していくのか。


回避型コーピング:
失恋体験を肯定的に解釈することで、これからの人生に希望をもつことができる。また、別の異性への置き換えや気晴らしによる他者との関わりが、周囲のサポート源を獲得することもできる。このように失恋を回避することで失恋相手に依存しない新たな生活を始めることができ、失恋相手からの心理的離脱(失恋から回復)が成功する。こうした経験が首尾一貫感覚を高め、人として成長できる。

拒絶型コーピング:
失恋相手だけでなく、自己や他者一般への不信など否定的な見解を促してしまうことにつながりやすいのが拒絶型コーピング。ストレッサーを解決できるための周囲の資源を取得できない、自分自身が生きている意味が無いといった、人生に対する否定的な見方をしてまう傾向を促進する。

”拒絶型コーピングだけは、心理的脱離を介さずに失恋相手という具体的な対象よりも,人間全般という抽象度の高い対象への否定的な見方を促進し,成熟性としての首尾一貫感 覚を低下させるのだろう。”

未練型コーピング:
未練型は相手に執着することで、柔軟な認知や思考ができず失恋に伴う緊張状態が持続し、失恋相手からの心理的離脱を阻害してしまう。それにより、首尾一貫感覚を低下させる。

首尾一貫感覚が同じく低下する拒絶型と大きく違うのは、未練型は、失恋相手を愛し続け美化するため否定的な考え方や行動をしない。たとえ否定的な考えをもったとしても、それは失恋相手のみで他者一般までに及ぶことはないと思われている。よって、終わってしまった恋を手放なす勇気を持ち、相手との出会いに感謝をし、自分がポジティブになれるようなことを見つけることが一番の回復方法かもしれない。

それでも、やっぱり失恋は辛い…?

失恋は、どんなに友達に相談しようとも、飲みつぶれても、他の人で癒そうとしても、結局自分自身でその気持ちに立ち向わなければならない。

恋をしている時の朝の眩しい太陽の光と鳥の歌声は、素敵な1日の兆しを感じさせてくれた。失恋した次の朝は、その光と音は寝続けたい私の邪魔をしているだけにしか感じなかった。

なぜあの時、あんなことを言ってしまったのだろう。
何度も何度も自分に問いかけるが、永遠に答えは分からない。

だけど、

こんなに誰かを、好きになれた。
それは自分自身が素敵だからこそ、こんなに素敵な人に出会えた結果。
だから、出会えたことに感謝をして
前を向いて進めば、また素敵な恋に遭遇すると信じよう。

引用
人は失恋によって成長するのか  ‐‐コーピングと心理的離脱が首尾一貫感覚に及ぼす影響:――コーピングと心理的離脱が首尾一貫感覚に及ぼす影響
Do People Mature after Romantic Break-ups?: The Effects of Coping Strategies and Psychological Detachment on Sense of Coherence 
https://ci.nii.ac.jp/naid/130000263827

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