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前ブログより抜粋

ご挨拶

始めたばかりなので、やはり自己紹介的なものが必要だろうと思いまして。
バンドHPの中のブログで、一番人となりや使用機材、考え方なんかがわかるものを引っ張ってきてみました。
ここで直哉コラム続けるかどうかも検討中ですが、このシリーズ長いんだよね…

ちなみにこの記事、5月11日に書いたものです。あしからず…

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超久しぶりの直哉コラムの時間である。**

曲を配信し、動画も配信し。

こうなった今、こちらのメンバーブログというのは非常に地味な存在になってしまった。

しかし、ごく稀に「コラム読んでるよ!」などと言われると嬉しいものである。

数少ないが、ディープなあなたのために、久しぶりに書いてみようと思う次第だ。

昨今、新型コロナウイルスの影響というのは計り知れないものがある。

かくいう俺も、在宅勤務というやつを初めて経験している。

俺の場合行ったり行かなかったりの変則勤務で済んでいるが。

会社に行かねばならない人

家ではどうにもならない人

わかっているんだけど満員電車で通勤をせざるを得ない人

それぞれ事情はあることと思うが、どうかご自愛いただきたい。

コロナ渦が収束すれば、いよいよ我々もライブ活動など再開する予定である。

その時はぜひよろしくお願いします。

**本題

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物事にはセオリーというものがある。定石とも言える。

「ここがこうなったらこうでしょ!」というやつだ。

家系ラーメンのスープに浸して、ライスを巻いて食べる。

無死一塁で足の速い一塁走者を確実に次塁に送るため、バントをする。

風呂上りにキンキンに冷えたビールを煽る。

実にセオリー通りである。

そのセオリーが、度重なる経験を経てさらに確固たる地位を固めたもの、それが「王道」となる。

だが、ここが今回の本題なのだが、王道と認識されたものを、そのまま実践するのは「ダサい」、「面白味がない」、「考えが浅い」と認識されることもしばしばある。

確かに王道というのは間違いがない。

先人たちが試行錯誤の上たどり着いた、「大多数にとって間違いのない選択」だからだ。

しかしこの考えは、時に「思考停止」を招きかねない危険を孕んでいる。

「これはこういうもの!」で話が終わってしまえば、その話はそれまでなのだ。

逆に、「じゃあ違う選択をしてみよう」としても、生まれるのは大方の場合改悪である。

なぜならば、大多数にとって間違いない答えに敢えて目を背けているからである。

多くのケースにおいて、正解以外は不正解であることがしばしばある。

基本的には王道をなぞればそれでいいのである。

「この場合はこうするのが最適解」というものが王道と呼ばれる所以だ。

だがしかし、「それだけじゃつまらん」という昔の俺のような層も一定数存在する。

そう、俺も実はそちら側の人間である。

過去を振り返ってみると…

使用するギターは「ギブソンレスポールカスタム」という、王道中の王道のギター。

さらにエフェクターは国産エフェクターの雄、BOSSのGT-8。

さらにさらにそれをド定番のアンプ、マーシャルに突っ込む。

弦はダダリオ、ピックはトーテックスのジャズIII。

ちょうどわかりやすい画像があった。

実を言うと今までの俺のライブ人生において、ほとんどの舞台をこの装備でこなしてきている。

オーダーメイドである今のメインギターは、まだ数本しか実戦を経験していない。

しかし、この頃の俺にはずっとある葛藤があった。

それは「俺の装備は楽器屋に行けば完全再現ができる装備である」と言うことだ。

これが実に悔しかったのだ。

まずギター。これに関しては実は親戚のにいさんから譲り受けたものだ。

譲り受けた当初はギブソンをポンとくれる親戚がいることに大感謝したものだ。

そこから、「ギターに見合う機材を!」と言うことで、俺の機材厨としての人生は加速していく。

当時のメイン機材である「BOSS GT-8」と出会ったのもその頃だ。

マーシャルは、なんとなく最初から「かっこいいから」スタジオのマーシャルを使っていた。

だが、3mRを結成し、数多のライブを経験していく中で、気になる点がでてきた。

まず一番は「人と被る」と言うこと。

次に「運搬時の不安」。

最後に「機能的制限がある」と言うこと。

人と被ると言うのは、そりゃそうだ。王道だ。

レスポールというギターはテレキャスター、ストラトキャスターと肩を並べる三大ギターだ。

これは「フェンダーVSギブソン」と置き換えることもできる。

テレキャス、ストラトはフェンダー製、レスポールはギブソン製。

ギター界におけるフェンダー、ギブソンというのは

車で言うトヨタ、日産。

野球で言う巨人、阪神。

スニーカーで言うナイキ、アディダス。

ライバル関係における二大巨頭である。

その片方のうちのレスポール。

さらに、スタンダードだのジュニアだのある型番の中でもポピュラーなカスタムという機種。

かぶらない方がおかしいのだ。

実際、3本ライブやれば必ず1人は持っていた。

さらにBOSSのエフェクター。

これに関しては、仲良くなり、連絡先交換するようなバンドに限っても、3人いた。

しかもそのうち1人はさらに新機種であるGT-10だった。

これがとっても悔しいのだが、できることには限界があった。

まず、カスタムの目玉の一つであるピックガードを敢えて取っ払ってみた。

これを

こうである。

カスタム特有のゴージャス感は無くなったが、ソリッド感は出たと思っている。

また、メインの音色になり得る歪みを外部のペダルで補うことにした。

GT-8側ではその音にEQ補正をかけ、ソロの時のブーストを用意するだけだ。

これによって、GT-8単体では出せない歪みは出せたと思う。

次の問題、運送時の不安だが、レスポールという楽器は見た目とは裏腹にとても脆い。

自重があるため、落下の衝撃に耐え切れないのかもしれない。

現に俺も、一度誤って殺しかけている。

もちろんハードケース運搬という手段もあったが曲がりなりにも高級ギターの中に入るので、盗難が怖い。

壊れないように、とやったことが裏目に出て盗まれたのでは元も子もないではないか。

そして最後の問題である、機能的制限。

これが大問題だった。

レスポールは22Fのミディアムスケールにセットネック、ブリッジはチューンオーマチック。

2ハム、2ヴォリューム2トーン。

これが王道である。

これこそがレスポールである。

ということは、この仕様でできないことはレスポールには不要なのである。

具体的に何ができないかというと

22F仕様なので、チョーキングで24Fの音は出るが、では24Fをチョーキングした音、実質26Fの音は思い切り力んでも通常出ない。

ソロを取る人間として、高音が足りないというのは些か都合が悪い。

どれだけレスポールに慣れても、セットネックであることとボディの構造上、ハイフレットは非常に弾きづらい。

これも、「レスポールとはこういうもの」として語られている部分である。

ブリッジがチューンオーマチックであるため、アーム奏法は当然できない。

積んでいないのだから当たり前だ。

また、2ハムなのでシングルコイルの音は出ない。

これも積んでいないのだから当然。

2ヴォリューム2トーンなので、スイッチング奏法をする時どちらかのPUが犠牲になる。

専用回路がないので、音を切るためにはどちらかのピックアップを0にしなければならない。

ざっと思いつくだけでこれである。

これだけの要素を「王道のギターだからだ」で切り捨てていいものだろうか。

きっといいのだろう。その証拠にどれだけ探してみても、このように感じる人間のために、以上をクリアーしたギターというものはほとんどない。

アーティストモデルとなればまた少し別だが、ギブソンがやらないにしても他の会社でこういう議題が上がってもおかしくないと思うのだが、全くと言っていいほどない。

なので、作った。

王道信仰者から見れば邪道の極みのようなギターを。

同じギブソンのエクスプローラーという形を使いながら、無粋なギターを。

そして、エクスプローラー自体あまりよく見かけるギターではないが、上記の個人的要点をクリアさせているため、全く同じ仕様のギターは本当にない。誇張ではなく、本当に世界にこの1本だけである。

またエフェクターも、紆余曲折を経て、今のメインギアである「Line6 HelixLT」にたどり着いた。

こちらは使っている人はいるだろうが、全く同じ使い方をしてる人は少ないはずだ。

我ながら機能的にもったいないながらも、ライブ特化仕様にしているためだ。

誤解の無いよう言っておくが、王道に目を向けることは大事である。

俺も王道機材の期間がなければ、現在の答えは出せなかった。

経験として不足しているものを見ないことには、何をやっても突飛なだけで終わってしまう。

十数年かけて出したこの答えによって、今まで持っていた葛藤のうち、2つは消化できた。

残る問題は

普通あり得ない形にしてしまったのと

レスポールから見てもさらに高級な機材となってしまったので

どちらも、もっとちゃんとしたケースをあてがわなければならないのでは…

けど、ギグバッグに5万は高くない…?

安倍首相、早く10万プリーズ。

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