見出し画像

第二次世界大戦時代の名作ミュージカル映画「オズの魔法使い」

第二次世界大戦で日本は敗戦したが、大戦勃発当時のアメリカでは、こんなファンタジックなミュージカルが華やかに公開されていた。

「オズの魔法使い」って、どんな映画?

年代:1939年
分野:ファンタジックミュージカル
撮影:最初は白黒、その後カラー
時間:1時間41分

物語をひとことで言うと
農家に住む女の子が、嵐をきっかけに現実世界からファンタジーの世界に迷い込んでしまう話。

少女ドロシー(ジュディ・ガーランド)は叔父と叔母の農家に住んでいる。虹の向こうにあるという夢の世界にいつか行きたいと思っているが現実は変わらない。そんなある日、猛烈なハリケーンが村を襲う。

ハリケーンに吹き上げられた家に残されたドロシーは、今まで見た事もない別世界オズに降り立っていた。しかも、自分の家が悪い魔女を下敷きに。ドロシーは魔女の妹に復讐されかかるが、良い魔女グリンダに助けられる。

ドロシーがグリンダに家に帰る道を尋ねると「オズの魔法使いに会いなさい、黄色い道を行くのよ」と言う。ドロシーはたライオン男、ブリキ男、案山子男と一緒に、オズの魔法使いがいるというエメラルドシティへ向かう。

こどもに見せたくなるミュージカル作品

子供に見せたくなりこのDVDを買った。

親子でDVD、スペシャルセレクションシリーズ

2001年頃にワーナーホームビデオから販売されていたもので、本編のほかにメイキングなどの特典映像が入っている。

この作品への架け橋

この作品を見たきっかけは、実は「ザッツエンターテインメント」というMGMのミュージカルの歴史をオムニバス風にまとめた作品を見たのがきっかけ。

MGM黄金時代の数々のミュージカル作品を次々に紹介していく作品で、この中に「オズの魔法使い」も登場する。マンチキンにおくられ、ドロシーがエメラルドシティに向かう時に黄色の道をスキップしながら進むシーンが出てくる。それに興味を持った。絵がとてもきれいだった。

丸の内ピカデリーにて見たらしい

当時、「キャバレー」というミュージカル映画があったのだが、主演はライザ・ミネリという女優だった。

ライザ・ミネリはドロシーを演じたジュディー・ガーランドの娘、 「ザッツエンターテインメント」 にも登場し、確か母や父(映画監督のヴィンセント・ミネリ)との関係を語る場面がある。

ライザ・ミネリの歌唱力のすごさを知っていた上、そんな背景を知ると余計見たくなるのが映研根性。が結局、本格的に見たのは子供が出来たずっと後になってからだった。

意外な場所で出会った「オズの魔法使い」

「 ザッツエンターテインメント」 を見てからずっと後、思いもかけぬ場所で「オズの魔法使い」と出会うことになった。

場所はアメリカのラスベガス。「MGMグランドホテル」という、最近日本でとかく話題にのぼるIR(統合型リゾート)、早い話がカジノ併設ホテルのロビーでだった。

MGMグランドという名前の通り、ホテルはMGMの持ち物で、たまたま自分が行った時に「オズの魔法使い」の装飾をしていた。ひょっとしたら劇場(屋内に劇場もある)でオズのショーをやっていたかも知れず、そのプロモーションかも知れなかったのだが記憶にない。

1995年頃と思われるのだが、当時でもこのコーナーは人気。ところで私はカジノ目的で行ったのではなく、近くで催されるビジネス系のイベントに参加するために行った。だから、残念ながらほぼ遊んでいない。

MGMグランドホテル(ラスベガス)のロビーにて

MGMグランドだけではなく、ラスベガスのメジャーなホテルはどこも巨大。ロビーから部屋に行くまでが旅するように長く遠い。

MGMグランドの広大なロビー、左側が上の写真のOZの展示がある場所

ロビーだけでも広大。上の場所、魔法使いが乗った気球のある場所は全体のごく一部でしかない。天井の円がロビー全体の大きさとし、上に写っているのが何分の一かを想像してもらえればロビー全体の大きさが分かると思う。ロビーを抜けると、スロットルマシンなどカジノが遙か向こうまで広がっていた。

このロビーの建屋外部が下の写真で、宿泊施設のごく一部の壁が右端の斜めの輪郭として見えている。相当な距離を取らないとホテル全景を写真に収めることはできない。

MGMグランドホテルの外観(のごく一部)、ロビー部分、広大でカメラに収まり切れない

右側奥には遊園地もあった。ホテル全体が町のように巨大、このため統合型リゾートというのだろう。カジノに統合されたリゾート。仕事で泊まれる安全なホテルでもあるし家族連れが過ごせる場所でもある。

ラスベガスからハリウッド近辺までは飛行機に乗れば大した距離ではない。MGMの本拠地に近い所にいる気分を味わえたのが嬉しかった。

印象的なファンタジックなシーン

映画では冒頭の現実世界を白黒で描き、後半のファンタジーワールドはカラーとなる転換がとても良い。ジュディ・ガーランドのいかにもアメリカ娘という感じも印象的、マンチキンのお迎えとダンスのシーンは、今では作る事はできないのではないかと思う。これは見て頂くしかない。

下はワーナーブラザーズのオフィシャルトレーラーへのリンク。

昔のミュージカル全盛時代、ロードショー劇場の大画面で見るのはとても贅沢だったのだろうと思う。大画面で見る事を前提に作られている作品で、色彩と音楽がすごく活きている。

知って驚く時代背景

この作品が制作されたのは1939年で第二次世界大戦が勃発した年にあたる。日本では溝口健二の「残菊物語」が作られ、白米禁止令や国民徴用令が出され、戦時下の色彩が濃くなっていった時代。

同じ時代、アメリカではこんなファンタジックなミュージカル作品が作られていた訳で、大変残念ながら、映画作りにも国力の圧倒的な違いが既に出ていた事が分かる。

キャスト、監督、スタッフ、制作会社など

キャスト
出演:ジュディ・ガーランド、ライオン、案山子、ブリキ男、東の魔女、西の魔女、Oz大王

監督、スタッフ
監督:ビクター・フレミング(「風とともに去りぬ」の)
制作:MGM