”なぜ学ぶのか”
録画してあった周回遅れのTV感想。
NNNドキュメント'20「自宅ときどき学校 前向き不登校」
『小学3年の兄と小学1年の妹、兄が小1の時の不登校をきっかけに学校に行かないという選択をした家族』
学校に行けなくなった当初、兄は体調を崩したり、笑顔が少なくなっていたらしい。
兄が学校行かない事を許容されていて、あなたはどうする?と聞かれれば妹は私も行かないとなるわな。
自分は、やはり学校は行った方が良い派だ。冒頭で長男が「学校ではよく先生に怒られる」と発言しているので、あぁ、ちょっと困ったちゃんなんだな。最終的には学校に行けるといいなと思いながら見始めた。
この時代インターネットも発達していて、勉強するだけなら自宅でもなんら問題ないが、やはり、社会性、それこそ自分たちと違うという人たちがこんなにも多いという多様性を、リスク少なく得られるのは学校だと思う。
『父親は元教育関係のNPO法人代表、母親も通信制高校に勤めた経験を持っているため、教育に関しては知識がある。
それでも最初の頃は何をどのようにやったらいいのか苦労していた。
本人が「暇だ」というので「これやったら?」と言うと「嫌だ」と言うと。
現在は兄は数学を中心に、妹は社会を中心に、ネットや学習アプリで学んでいる。
学校は気が向いた時にだけ行っている』
兄妹は内向的な性格ではない。撮影スタッフとも普通に話すし、放課後には同級生と遊ぶ。俗にいう不登校、引きこもりのイメージとは違うかもしれない。
そうすると余計に学校に行かない事がわがままに見えてしまう。実際、遊んでいた友達に「ずる休み」と言われてしまっていた。
『ある日家族は旅に出る。様々な場所を巡る”学びの旅”。
3年間で30都道府県を周った。
今回は妹の興味のあるイスラム寺院に行ったり、東大のフィリピン人研究生から話を聞いたりしていた。
そして家族は車内で”学びの振り返り”をする』
イスラムの寺院では兄があくびをしていて、フィリピンの学校事情の話になると妹がタブレットをいじっているのが印象的だった。兄はやはり学校に行っていないということに引っ掛かりを感じているんだろう。妹は兄という前例がある以上、そこまで問題に思っていないのかもしれない。
フィリピンの貧しい子供は4時間かけて学校にいく、自分たちは学校に行っていない。
”なぜ学ぶのか”
学ぶ、学習する事自体をこんなに深く考えている小学生は多くないだろう。行動する時に、なぜこの行動をするのか分からないままやっているのと、分かっているのでは全く違うと思う。なぜ学ぶのかの答えは人それぞれだし、変わる事もあるのかもしれないけど、意識し続ける事、考え続ける事が大事なんだと思った。
「学校に行きたくない」「勉強はインターネットでも出来るからいいよ」で終わりではなく、なんで自分は学校に行かずに自宅で学ぶのか。
ある意味学校に行ってないからこそ、この兄妹はより深くこの問題に対峙出来ている。
『コロナ禍で学校が休校になり、多くの学生が困惑する中、兄妹の生活は変わらない。
兄はプログラミングを勉強し、妹は旅人になるため英語を勉強し始める。
「理科はほとんどやっていない」との事で家庭菜園も始めた。
家族の暮らしには家事の当番表が増えた。兄妹も当番になれば晩ご飯の買い出しから料理、後片付けまで悪戦苦闘しながら行う』
そもそも学校に多くを求めすぎなのかもしれない。昔は学校は勉強だけをすればいい場所だったのに、体づくりや社会性、目標の見つけ方、ありとあらゆる事を学校に求めてしまってはいないか。
この両親であったからこそだが、この兄妹は不登校であってもこんなにも”勉強”出来ている。
状況さえ許せば学校なんていらないんじゃないかとさえ思えた。
『現在…。妹が毎日学校に通う様になった。「友達が増える」「色んな事が出来る」と語る妹を兄はすごい事だと認め「学校にはチャンスがある」「自分はチャンスを自分で作って成功させなければならない不安や緊張感がある」と語る。
それでも兄は「ストレスが溜まる」と学校を選ばない。
両親は「自分で決める事。例えそれが間違っていたとしてもそれは大したダメージにはならない」「学校に行くにしろ行かないにしろ、自分らしく生きることを決める時代になればいい」と語った』
結果、妹は”不登校”ではなくなった。学校に行く様になったのはすごいと思った。受け売りの考えではなく自分の考えで自分で望んで学校に行く。勉強の仕方が全然違うと思う。
この両親は「自分で考えろ」とは言うが、考える材料は与え続けている。正直理想的だと思う。
学校がこの役を担えないんだろうか。多様すぎて人員が足りないのか。学習自体はインターネットに任せてもいいのではないか。
知識を与えるだけじゃなくて、自分で考えられる教育であって欲しい。
と38歳独身おじさんは思うのです。
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