【要約】グロービスMBAクリティカル・シンキング[改訂3版]
今回はグロービスから発刊されている名著
「クリティカルシンキング」を紹介します。
ビジネスの現場では
クリティカルシンキングを当たり前のように求められる。
その一方、
クリティカルシンキングが出来ていないビジネスマンも多く、
役職が上がれば自然とできるようになるわけでもない。
現場で議論が堂々巡りすることってありますよね
クリティカルシンキングを実施していくうえで、
もっとも重要なことは、
まず「イシュー」は何かを正しく定めることである。
結論を出すべき、ビジネス課題は何であるか。
課題の立て方によって、導き出される結論も変わり、
ビジネスの結果も異なる。
「本当にそのイシューで良いのか」を問い続ける姿勢は重要。
自身でたてたイシューに対し、
抜け漏れない「枠組み」で(MECE:ミーシー)
検討しなければならない。
例えば、どの企業から仕入れをすべきかというイシューがあった場合、
「品質に問題はないか」
「コストに問題ないか」
「納期に問題はないか」 等の枠組みである。
MECEであるかどうかを満たすには、
自問自答を続ける必要がある。
「枠組みはそれだけでよいか。ダブってないか、
自分の枠組みを覆すためには、どんな反論が思いつくか」
自分で枠組みを考えて、
自分でその枠組みを否定することができないかを考えるので、
自身を客観視できなければ難しい。
立てるべき「イシュー」を捉え、
イシューへの結論を出すための枠組みを考える。
あとは、各枠組みに沿って、検証していくだけである。
検証には、演繹的思考、帰納的思考等を用い、
説得力のある内容を論じていく。
演繹的思考は、一般法則に当てはめ、
具体的事例に当てはめる。
「人間はいつかは死ぬ」
「ソクラテスは人間である」
「ソクラテスはいつかは死ぬ」という話である。
帰納的思考は、具体例から一般法則を導き出す。
「東京都民の勤労者の年収は高い」
「大阪府民の勤労者の年収は高い」
「横浜市民の勤労者の年収は高い」
→「大都市の勤労者の年収は高い」
つまり、
イシューは何かを定める。
イシューに結論を出すための枠組みを定める。
枠組みの中で、一つ一つ結論を積み上げていく。
以上が、クリティカルシンキングの大きな流れであるが、
自分がここまで作り上げてきたロジックが、
第三者が見ても説得力あるか、通じるものであるか、
イシューから順に上から見直していくことは勿論、
個々の論点から、逆引きし、イシューの結論につながるかどうか、
自分の中で検証する。
自分の中で納得感があれば、
ある一定の説得力はあるだろう。
書いてしまえば、
クリティカルシンキングは簡単に見えてしまうが、
現場ではよく勘違いに陥ってしまう。
因果関係を説明するのに、
「第三因子」という重要な考えがある。
AとBには因果関係があるように見えるのだが、
本当はCという要素が起因している場合、Cを第三因子という。
例えば、ビールの売上が良い日と、
アイスクリームの売上が良い日が同じだったとする。
ビールとアイスクリームに因果関係があるように見え、
「ビールを飲む人は、一緒にアイスクリームも食べる」といった
誤った結論が導き出されてしまう。
実際は、言うまでもないが、気温が第三因子となっているのである。
イシューを定め、
結論を導き出すための枠組みを作る。
枠組みの中で一つ一つ内容を検証し、
イシューへの答えを導き出す。
一つ一つ検証する上で、
演繹・帰納法など用い、説得力のあるロジックを組み立てる。
誤った結論を導き出さないよう、
因果関係を正しくとらえ、
自分のロジックが誤っていないか、
自問自答を繰り返すことが、
精度の高いロジックを組み立てる秘訣である。
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